わが家のカーライフ

高性能スポーツカーオーナーだからこそ、意識しておきたいことについて。

子どもたちと、安全運転

夜の高速道路を走っていると、普段はあまり考えないことが頭をよぎることがある。等間隔に並ぶ高速道路のオレンジの明かりや、前を行くクルマたちのテールランプが美しく、スピードが暗闇に吸収されていくかのような錯覚を覚えると同時に、普段以上に車内が「自分だけの空間」と感じられるようになる。

先日、実家からの帰り道、いつものように高速道路に乗ったところ、子どもたちは遊び疲れたのかすぐに寝てくれた。そして、バックミラーで、薄暗い中にぼんやり見える子どもたちの寝顔を確認した時、こんなことを思った。

この子たちの寝顔を守るのも、危険にさらすのも、全ては私の運転に委ねられているのだなぁ…。

と。

子供の寝顔というのは不思議なもので、普段は言うことを聞かないし、憎たらしく感じる瞬間がたくさんあるのに、寝顔を見るとそんなことは一瞬で吹き飛んでしまう。「子どもの寝顔は天使」と言うがまさにその通りで、「この子達の寝顔を、私は全力で守らねば」という気持ちになる。

クルマと運転を過信しない

この日の高速道路でも、案の定、追い越し車線をトロトロ走るクルマに遭遇した。そんなクルマが前に来る度、まだ精神修養の足りない私は、すぐにイラッとしてしまう。

「なんでその速度でトロトロ走るだけやのに、今あえて私の前に車線変更してきたん。」
「後ろめっちゃ連なってるやん、バックミラー見てへんのやろか」

などと、良ろしくない感情がふつふつと湧き上がってくる。

もしも私がまだ若く、子どももおらず、その状態でポルシェやBMWに乗っていたなら、すぐに走行車線からぶち抜くか、もしかしたら煽るなんてこともあったかもしれない。(昔は今以上に気が強かったので…)

現にポルシェは、大変性能が高いクルマなので、運転スキルがそこまで無くても、前の車を余裕で抜かすことができると思う。加速力も凄まじく、高速でのステアリング操作もまったくぶれないし怖くない。

だから、自分の運転がうまくなったように錯覚してしまう。

ただ、それこそが落とし穴というか、気をつけなければいけない点であって、過信が行き過ぎると、スピードを出しすぎて車を制御できなくなり、事故に繋がってしまうのだと思う。

今の私は、それなりに立場もあるし、何より子どもたちを乗せて走っているので「ここで無理に抜いたり煽ってしまえば、子どもたちを危険にさらすことになる」という意識が先に立つ。

仕方ない、別に急いでないんだし、車間距離をあけて、安全運転しておこう…」そんなふうに考えて運転していると、大抵は先を急ぐクルマが私の前に割り込んできて、トロトロ運転のクルマを煽りまくり、結果トロトロ運転のクルマが走行車線に車線変更してくれることにもなるので。(それを期待するのはだめなのだけど)

ポルシェ乗りだからこそ、安全運転を

20代、まだ独身だった頃の私は、自分ひとりで大きくなったような顔をして、両親に偉そうなことをたくさん言ってきた。両親は比較的厳しい人たちだったので、自分の自由にできない環境に嫌気が差し、よく衝突をした。

でも、実際に自分が子どもを産んでみて初めて「両親がどんな思いでここまで自分を育ててくれたのか」が、ようやく少し分かるようになった。

わが家もクルマで外出することが多かったが、私はたいていすぐに寝てしまい、現地に到着して目が覚めるということが多かった。きっと両親は、私や兄の寝顔を見ながら「この子たちを守らねば」と思ってくれたりしていたんだろうなぁ…。

今の自分があるのは、自分の努力で勝ち得てきたからだ」と調子に乗っていた時期もあったけれど、この世に生を受けて大きくなるまで、私が知らないところで、親に支えられ、さんざん守られてきたから今の自分がいる。

私も今親になり、「自分の手で、子どもたちの未来を奪ってしまうようなことが無いように」、もちろん、「他人の未来を奪うことも無いように」、イライラしたときこそ、冷静な安全運転を心がけたい。

とはいえ「ポルシェのような高性能なクルマに乗り、ドライビングスクールに行って運転スキルの向上を実感している」私は、今一番調子にのりやすい危険なゾーンにいると思うので…イライラしたときは、すぐに子ども達の顔を思い浮かべよう。

夜の高速道路を走ると、昼間であれば考えないような感傷的なことを考えてしまうなぁと思う今日このごろである。

 

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