「高級車買うなんて経営なめとる!全部売ってまえ!」という教え。

独特の社風

私が新卒で入社した会社には「車は道楽社長が買うもの。車にお金をかけるなんて言語道断!」という社風があった(どんな社風だ)。というのが、創業者である当時の社長が、でっち奉公から始まり様々な苦労を乗り越え、たたきあげで人材系の会社を築きあげた人だったので、

「贅沢禁止、努力は美徳、24時間365日働け」

といった雰囲気が根付いていた。(今でいう、完全にブラック企業だったが、それなりに楽しかった

そしてその社長が、クライアントにも「高級車買うなんて経営なめとる!全部売ってまえ!」みたいによく言っていたので、当時新卒でその会社に入社し”ピュア”だった私は、「社長が高級車を良くないこと」だとなんとなく思っていた。

私はその会社に入社して以来ずっと、経営者の方に対して研修やコンサルティングの契約を受注する営業をしていたが、得意先の社長達の多くが、「社用車は古い車で十分だ」「利益が出たら社員さんやお客様に還元するんだ」とおっしゃっていたので、「みんな仏さんみたいな人達だなぁ」と思って話を聞いていた。

実際、事務所に外車や高級車が停めてあるのをあまり見かけなかった。

会社を辞めて初めて知ったこと

そこからしばらくして、私はその会社を退職した。そしてその頃からフェイスブックが流行り始め、過去の取引先の社長の皆さんが友達申請をしてくださるようになり、何となくフィードを見ながら、ある事実に気づいたのだ。

皆さんが、プライベートで高級車をめっちゃ持っている

ということに。メルセデス・ベンツ、BMW、レクサス、ポルシェ、フェラーリ、アウディ…

「新車を買った」「家族でドライブに行く」など、車がちらっとうつっている写真が投稿されていることも多く「そうか、当時、営業マンには見せていなくとも、みんなプライベートでは高級車を持っていたんだな」と思った。

「社用車は古い車で十分だ…(ただしプライベートで乗る車は良いのを買うよ)」
「利益が出たら社員さんやお客様に還元するんだ…(ただし、自分自身にもちゃんと還元するよ)」

ということだったんだな。

そら、そうだよな。…と、逆になんとなく安心してしまったことがある。今は「高級車や目標とする車を所有することが、仕事を頑張るモチベーションになる」ということが理解できるようになってきたけど、もし新卒のあの頃、私がもっと車のことを知っていたなら、当時の社長の皆さんともっと楽しく車談義ができたのになぁと思う今日このごろである。

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