このポルシェブログを立ち上げて2年半。日々記事を書き続けてきて、気づけば記事数が700を超えた。そんなに書いてたのかぁ。随分前に書いた記事や、自分が書いたことを忘れていた記事にも、最近は多くのアクセスを頂くようになり、改めて「あ、そうだったそうだった。ポルシェってこんなクルマだったんだ」と再確認することが多い。
というわけで今日は、過去に書いた「ポルシェに関して知っておきたいこと」の記事の中で、反響のある記事を改めてご紹介したいと思う。
まずは、ちょうど今の時期。冬の寒い朝に、低速でハンドルをきると、タイヤからゴリゴリ音とすごい音がする件について。私が初めてこの「ゴリゴリ音」を体感した時、
何か踏んでしまったのか!?私の運転が何かおかしかったのか!?
とかなり焦った。当時の私は今以上にクルマに関する知識が無かったので、「タイヤから音がする=故障」としか思えず、夫に聞いてみたところ、このゴリゴリ音は故障ではないと言うことが分かった。
ポルシェは、ステアリング機構に関して、一般的に採用されている「アッカーマンステアリングジオメトリー」ではなく、「パラレルステアリングジオメトリー」を採用しているために、冬の寒い日に低速でハンドルを切ると、ゴリゴリ、バリバリといった音がタイヤから聞こえることがよくある。
パラレルステアリングジオメトリーは、中高速走行時に、よりスムーズに旋回できるように設計がされているスポーツカー、レースカーならではのステアリング機構なので、この音が鳴るということは、「ポルシェがスポーツカーである証」とも言えるのだ。
ちなみに夫は、
「AMGでもこんな音がすることあるなぁ。あとは履いているタイヤによっては、このゴリゴリ音が軽減されることもあるけど」
と言っていた。(詳しい説明については、下記記事に書いています)
ポルシェは、新車であってもブレーキを踏んだ時に「キーキー」という音がすることがある。わが家の場合、パナメーラはブレーキは鳴かなかったけれど、ボクスターはかなりブレーキの鳴きがすごかった。
このことに関して当時の私は「部品の摩耗か何かでブレーキが鳴く」のだと思っていたが、ポルシェに関しては、このブレーキの鳴きは不具合ではない。
実際にポルシェ公式youtubeも「ブレーキの鳴きは不具合ではない」という動画を出しているくらいなので、相当問い合わせやクレームが多い事柄なのだろうな。
ポルシェのブレーキは世界一と言われているが、いついかなる状況でブレーキをふんでも、変わらぬブレーキ性能が発揮できるよう、ポルシェのブレーキディスクは一般的な車よりかなり大きく設計されている。
ブレーキパッドとの接触面を可能な限り広くし、摩擦を大きくすることで、いつでも安全に停車できるように、また、接触温度が広範囲になっても、高い摩擦レベルを維持できるよう、高品質なブレーキディスクやブレーキパッドが使われている。
のだ。
そして、摩擦面が大きくなると「スティックスリップ現象」という現象が発生し、この現象によって出た振動がノイズを発生させ、ブレーキローターとの共鳴で、スピーカーのように大きな鳴きとして聞こえてしまうということなのだ。
一般的なクルマの場合はブレーキの鳴きが聞こえることは無いが、ポルシェのブレーキが鳴くというのは、ポルシェのブレーキが高品質で高性能である証だとも言える。(詳しくは以下の記事に書いています)
私自身、まだポルシェに興味を持つようになって数年だし、乗ったクルマも少ないので、ポルシェについて知らないことがまだまだたくさんあるのだと思う。乗れば乗るほど新たな発見があり、モデルによっても特徴が全く違う。
今年も可能な限りたくさんのポルシェに乗らせてもらいながら、もっともっとポルシェやクルマの奥深さについて知っていけるといいなと思う。