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ポルシェ911(964)に専用のシートカバーをつけてみた

964型 ポルシェ911の不満点

最近、タイヤを前後とも新品に交換し、機関も絶好調で乗りまくっている空冷ポルシェの964だが、前々から不満に感じる点があった。

それはシートの形状が自分の身体に合わないという点だ。964のカレラ2の純正シートには標準シートとスポーツシートの2つがあるが、私のものは標準シートである。

ノーマルの状態

964のシートはレカロ製

このシートはレカロ社製であり、軽量で薄い割には剛性感もしっかりあるのだが、何分、幅が狭い。日本人の標準的な体型の私でも背もたれは、背中がはみ出るような感じになる。

また、座面と、背もたれの中心部のクッションはとても柔らかく、お尻は沈み込んだような形になり、かつ、背もたれはその柔らかさゆえ、猫背の姿勢になりがちだ。

それゆえ、腰痛に悩まされることもしばしばある。

さらに、現代のレザーシートのように滑りにくい加工はなく、表皮がツルツルなのでとても滑りやすい。運転していると姿勢が崩れやすい。

また大きな横Gがかかった際には、身体を維持するため、余計な力が入ってしまい、とても疲れるのだ。

ポルシェ911(964)専用のシートカバーを発注

そんな不満を抱えつつも、あまりの964の運転の楽しさに、そんなことはどうでも良くなっていたのだが、ある日、シートカバーを装着した964を見せてもらったのだ。

その964のシートは、あたかも純正のようにデザインが内装に溶け込んでおり、かつ、座らせてもらうと、とても気持ちのよい座り心地に感動したのだ。

すぐにメーカーと、どこで買えるのかを聞くと、ネットで買えるとのこと。その後、すぐに注文することにした。

このシート、汎用の製品ではなく、完全に車種専用設計である。ブログ執筆時点ではポルシェは964と、996、そして997のカーバーが用意されているようだが、適合車種がない場合、ホームページから開発希望の依頼を行うことも可能なようだ。

今回選んだのはDotty LUXUR-ALCANTARAのシートで、座面と背もたれがアルカンターラ、シート全体はPVCレザーで構成されている。

964のシートは、標準シート用とスポーツシート用があるが、私の964は標準シートなので、標準シートを選択。

アルカンターラ部分の色はブラックと、ワインレッドから選択可能。ここはクルマ内外装の雰囲気からブラックを選択。そして、PVCレザー部分を、ブラック、グレー、ベージュ、モカブラウン、アロマワインから選択可能だ。

この部分のサンプルは、依頼すれば無料で送ってもらえるので、事前に確認すると良いだろう。私は、車内の色と合わせるためブラックを選択した。

そして、ステッチの色も選択できる。ここが一番迷った所だが、14種類から選択可能だ。最初、ボディカラーに合わせて、青や緑系も考えたが、黒レザーとのバランスが悪いので却下。

次に白も考えたが、内外装に白の差し色が無いのと、少し目立ちすぎる気がしたので、もう少し暗め、かつホイールのシルバーと合わせて、シルバーのステッチを選択して発注した。

シートカバーを装着する方法

注文から1ヶ月程経った頃、シートカバーが届いた。

想像していたより質感は高く、かなり高品質だ。少なくともコストパフォーマンスは十分にあると言ってよいだろう。

早速、取り付けにかかる。幸いにもメーカーが車種専用の説明書を出してくれているので、その通りに進めることにした。

まず、取り付けた感想からいうと、時間は2時間くらいかかったが、取り付け自体は比較的簡単な方だ。シートを外す必要もないし、被せるのに苦労するということも一切ない。余程の不器用な人でない限り、誰でも取付可能なレベルである。

しかし、一部、苦労した点があったので、そこだけ情報共有しておこうと思う。

それはシートの背もたれを前に倒すレバーの取り外しだ。それぞれのシートの左右にあるので、計4箇所のレバーを外す必要がある。説明書には、「引っ張れば取れます」とあるが、普通に引っ張るくらいでは全然取れない。

かなり力をいれても、なかなか動かない。そのうち壊しそうな予感がしたので、内装剥がしを取り出し、左右から挟み込むようにしてテコの原理で、徐々に浮かせる。これを繰り返せば簡単に取ることができた。

後はそんなに手間がかかることはない。

シートバックのプラスチックカバーを外し、カバーを被せて、マジックテープや紐で固定するだけである。

この部分さえスムーズにいけば1時間もあれば十分に作業は完了するだろう。

シートカバーのレビュー

まず、取り付け後の見た目だが、本当に素晴らしい。これがシートカバーとは思えないほどの出来で、一気に高級感が出た感じがする。

しかも、シート形状自体は純正なので、社外シートのような明白な後付け感が無いのもよい。ステッチもシルバーで正解だ。明るめのステッチにして正解だった。主張し過ぎず、アクセントになっていてとても良い。

シートカバー装着後の状態

実際に乗ってみると、座り心地がとても良い。単なるカバーではあるが、シートに厚みが増したような感じで、必要以上に身体が沈みこまない。

それにアルカンターラが、適度に身体をホールドしてくれるので、姿勢の崩れが少なく、正しいポジションを維持しやすい。妻にも乗ってもらったが、「新しいクルマみたい!座り心地がいい!」とのことだった。

縫製もとても良い。シルバーステッチにしてよかった。

シートバックにはポケットも付く

もちろん、シート形状自体は変わらないので、シートを変えた時ほどの効果はないが、それでも、実際に山道をこれで運転してみると、とても運転しやすい。いかに標準シートの革の表皮では身体が動いていたのかがよく分かる。
一般に、シートをバケットシートなどの身体が動きにくいシートに換えると、サーキットでのタイムが大幅に短縮されるというが、今回はそれと同じような効果がある。

身体が動かないように変にステアリングに力が入ることがなくなり、スムーズにステアリング操作をすることができる。だから、コーナリングも安定し、正確なステアリング操作が可能だ。それに、何よりも長時間運転しても疲れにくい。

また、よくあるシートカバーのように、途中でズレたりすることは一切ない。これは専用設計で、かなり精緻に作ってあるのに加え、しっかりと固定するための紐や、マジックテープが充実しているからだろう。

このカバーだけで運転時の快適性がこれだけ上がったのは本当に良かった。かなりコストパフォーマンスは良いと思う。

964オーナーの方で、シートの座り心地に不満がある方や、既に傷んでしまっている方、また、これ以上シートを劣化させたくないという方にもぜひオススメする。

今回のシートカバーはこちら

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