ポルシェ・パナメーラ

クルマの乗り心地は、空気圧、ホイール、タイヤで大きく変わる話

パナメーラの乗り心地

先日、久しぶりにわが家のパナメーラに乗った。その少し前に、パナメーラGTSを試乗させてもらっていたので、それと比べると、パナメーラターボよりもパナメーラGTSのほうが乗り心地が良い感じがした。

パナメーラGTSの乗り心地は、現行カイエンのなめらかさに似ていたというか…同じV8とは思えないほど、す~っと軽やかになめらかに進んでくれて、パナメーラターボの方が、重くて、ゴツゴツ感じがあるように感じた。

そんなことを話していたところ、夫が、

クルマの乗り心地というのは、一概にモデルの違いだけで比べられへんから難しいよなぁ。ホイールの大きさや、
空気圧や、履いているタイヤの違い、そういった要素でいくらでも変わってくるからなぁ。

と言った。なるほど…。続けて、

この前試乗させてもらったパナメーラGTSは、ホイールが20インチで、空気圧を見ると2.6〜2.8あたりになってたやろ?わが家のパナメーラは、21インチでホイールも大きくて、指定空気圧(標準プレッシャー)もフロントが3.1とかになってるから、余計にゴツゴツ感のあるかたい乗り心地に感じるんやと思うわ。

と。

私が「それやったら、わが家のパナメーラも、もっと空気圧下げてみたらいいんちゃうん?そしたらもっと乗り心地が柔らかくなめらかになるんやろ?」と言うと夫は、

まぁそうなんやけど…わが家のパナメーラはTPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)がついてるから、適当に下げると警告が出るねん。ちなみに空気圧は「標準プレッシャー」に設定してるんや。これを「コンフォートプレッシャー」に設定して空気圧を変えると、もっとなめらかな乗り心地になるんやけど、日本仕様のモデルのコンフォートプレッシャーは、160km/h以上出すと警告が出る設定になってる。
まぁ、日本の道で160km/h以上出すことは無いとは思うけど、僕はそういう日本独自の仕様が嫌やから、標準プレッシャーにしてる。だから結果的にかたい乗り心地になってまうんやな。
ちなみにドイツ仕様のコンフォートプレッシャーやと、270km/hまで出せる設定になってるんやで。さすがはアウトバーンの国やな。

と。確か、昔夫にこのあたりのことを教えてもらったことがあるなぁ…。

なんでも、現在わが家で乗っている971パナメーラの空気圧は、「標準プレッシャー」と「コンフォートプレッシャー」の2種類が選べるそうで。クルマ購入時、ディーラー側で予めどちらかに設定されたままになっているので、好みにあわせて変えておくのが良いということだ。

ちなみに、971パナメーラの場合は、タッチパネルで「車両→制御車両→タイヤ空気圧モニタリング」で設定を変更することができる。

それとTPMS付きのポルシェは、車両の画面を見て、あといくら空気を足す/減らすという指示を見て空気を入れなあかんで。空気入れのメーターで入れたら温度を考慮しないから全然違う空気圧になる。意外とこれを知ってる人が少ないんや。かなりポルシェ好きな人でも知らん人が多い。

と夫。「…っていうかそんな細かいことまでよう知ってるなぁ」と言うと、

当然や、僕は自分が使う道具のことは100%知らないと気が済まんのや(笑) 何を買うにも、事前に死ぬほど調べまくるからなw

と言って夫は笑っていた。

乗り心地の奥深さ

わが家のパナメーラは、かためとはいえ決して乗り心地が悪いことはなく、むしろなめらかだと思う。ボクスターもしなやかでなめらかになったなぁと思うが、直後にパナメーラに乗り変えると、「同じポルシェでも、スポーツモデルとラグジュアリーモデルではこんなに乗り心地が違うのか」と思わされる。

ホイールは21インチ、空気圧は標準プレッシャーでもこれだけ乗り心地がいいのだから、ホイールがもう少し小さくてコンフォートプレッシャーだったら、わが家のパナメーラもさらに乗り心地ががなめらかになるということなのだろうなぁ。

また、履いているタイヤの銘柄によっても変わってくるわけだし…いやはや奥が深い。

私も、お陰様で普段いろいろなクルマを試乗させていただく機会があるけれども、一度試乗しただけで「このクルマの乗り心地は…だ」とは一概には言えないのだなぁと思った。

理想は、同じモデルであっても、空気圧を変えたり、ホイールの大きさが違うものに乗ってみたりして、総合的に判断できるといいのだけど、試乗でそこまで試すことはできもんなぁ。

そう考えると、記事に書くにも、今回試乗したクルマが、どのような仕様、オプション、ホイールを履いているのかという前提条件をクリアにした上で伝えることが、本当に大事なのだなぁと改めて思った。

いやはや…知れば知るほど、クルマは奥が深い。

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