ポルシェが先日4月13日、2018年第1四半期の業績を発表した。全世界で前年比6%増の約63,500台を販売し、ポルシェ史上最も成功した四半期となったらしい。ヨーロッパでは、前年比8%増に相当する2万600台以上が販売され、ドイツ市場においては7700台以上を販売し、前年比8%増を記録した。中国市場では、昨年の実績を3%上回る1万8600台が販売された。
中でも最も成功したモデルはマカンで、世界中で2万3000台以上が販売された。また「パナメーラ」と「911」の販売台数も好調で、なんと米国市場では、2017年のパナメーラ販売実績が昨対200%増という結果に。
200%増ってすごい…911については、この四半期でで前年比35%増となる9600台以上が販売されている。
*出典:ポルシェ史上最も成功 1月–3月新車販売 6万3478台
そこで、ふと気になった。ポルシェ全体の販売が好調だったのは分かった。では、
日本での販売実績はどうだったんだろう?
「ポルシェ史上最も成功した四半期なら、日本もかなり売れたんだろうなぁー」と期待しつつ、記事の中で日本について書かれている箇所を探したが、見当たらない。かろうじで、地域別の新車販売台数が載っていたが、それが以下。
ポルシェAG 2018年1月–3月新車販売台数
・全世界:6万3478台(前年比+6%)
・欧州:2万601台(前年比+8%)
・中国:1万8672台(前年比+3%)
・米国:1万3954台(前年比+10%)
・ドイツ:7724台(前年比+8%)
・アジア・パシフィック、アフリカおよび中東:2万6279台(前年比+3%)
日本は「アジア・パシフィック、アフリカおよび中東」に一括りにされている。
…ってか一括りにする地域広いな。
夫が常々「ヨーロッパでは販売されているのに日本にこのモデルは入ってこない」「ポルシェ本社は日本市場に力いれてないわぁ」とぼやいているのだが、それをまざまざと見せつけられた気がした。
ただ一括りにされても実際のところよく分からないので、ポルシェ・ジャパンについて調べてみた。
ポルシェジャパンは2018年1月で設立20周年を迎えたそう。当初、911(タイプ996)とボクスター(タイプ986)の2車種の取り扱いでスタートし、その後、カイエン、パナメーラ、マカンを投入。2017年度の販売実績は約7,000台(ある記事では2016年は7322台と書かれていた)この水準は設立当初の1487台の4.5倍におよぶ。
日本市場は「911」やボクスターなど2ドアスポーツカーの販売台数全体に占める割合が全体の4割で、世界トップクラス。また、新車販売割合の中でマカンは3割に達し業績を牽引している。
*出典元:ポルシェ ジャパンが今年で20周年!
設立20年で4.5倍の販売数約7000台とはすごいなぁと思ってしまうが…ドイツ本国での2017年度新車販売台数28317台と比べると、まだまだという評価になるんだろうな。
「日本でも新型パナメーラの販売は好調」と書いてあるものの、実際の販売台数や全体に占める割合まで言及されていないということは、まだまだなのかなという勝手な推測のもとで…なぜアメリカやヨーロッパではパナメーラはたくさん売れているのに、日本では海外ほど売れないのか考えてみた。
「ポルシェといえば、911!」というファンが日本に多いというのはよく聞く。記事でも『日本は911やボクスターなど2ドアスポーツカーの販売台数全体に占める割合が全体の4割で、世界トップクラス』と書かれている。そんなファンの方からすれば「ポルシェが発表したラグジュアリーセダン、パナメーラなんて邪道だ」と捉えられてしまうのかもしれない。
パナメーラはよく、BMW7シリーズやメルセデス・ベンツSクラスと比較されるが、私は全く別物だと思っている。パナメーラは、「ラグジュアリーセダンに、スポーティな要素を加えた」ものではなく「そもそものスタートがスポーツカーだから」だ。
これについては、岡崎五朗さんも言っていたし、この記事にも書かれていた。
パナメーラはスポーツカーであり、まさに911をそのまま大きくしたような車。「家族4人でゆったりと、かつ走りを楽しめるスポーツカーだ」なのだが、まだそのことが世の中にあまり伝わっていないように思う。
日本には、荷物がたくさん積めて、5人以上が乗れるSUVやミニバンが多い。ドイツに行った時はミニバンは全然見なかったけどなー。また「ミニバンはSUV=若者、セダン=おっさん」みたいなイメージがどうしてもあるような気がする…(-_-)。
ポルシェについても、街なかではパナメーラより圧倒的にカイエンやマカンをよく見かける。「パナメーラもかなり荷物積めるんだよ、後部座席も広いし、ゆったり座れるよ」と言ったところで、やはり「4人乗り」は敬遠されがちになるのかな。
パナメーラは本当に大きい。一方、日本の道は細く、駐車場も狭い。また自宅やマンションの駐車場は1900mm以下が多い。そうなると実際に日常使いするには大きすぎるという結論になるだろう。これは仕方ないことかもしれない。
ここで「あーだこーだ」書いてもうまく伝わらないと思うが、とにかくパナメーラに少しでも興味がある人は、一度パナメーラに試乗してみるのがいいと思う。そうすれば、ラグジュアリーセダンに対するイメージが180度変わるはず。
とはいえ最近は排ガス規制等もあって、ドイツ本国でも、テスラがパナメーラを圧倒する勢いで販売台数を伸ばしているそうで(ポルシェもプラグインハイブリッドとかミッションEの開発に力いれてるのかな)近々テスラも試乗して、パナメーラとの違いを感じてみたいなーと思う今日このごろである。