ポルシェ・ボクスター

私は今までポルシェのことを何も知らなかった – ポルシェのドライビングスクールから学んだこと

Jターン

先日、ポルシェトラックエクスペリエンス(PTE)にボクスターで参加した記事の前編(午前中のプログラム)を書いたが、今日は後編(午後のプログラムの一部)について書いてみたい。

午後一発目のトレーニングは、「Jターン」。Jターンなんて初めて聞いたのでイメージが沸かず、その場でネットで調べてみると「バック走行からの意図的な180度スピンターンを表す用語」だと書かれていた。

後にインストラクターから「アンダーステア/オーバーステア」を体感するとともに、マシンコントロールを学ぶという説明を受けた。ちなみに、トレーニングコースには、アンダーステアが出やすいように水が撒かれていて、大きな水たまりが出来た状態になっていた。

ただ今回も、話を聞いただけではあまりイメージが掴めず、まずはインストラクターによるデモを見せてもらうことに。

インストラクターの方が「アンダーステアが出ても、ハンドリング操作をせずクルマの挙動を立て直さないバージョン」と「アンダーステアが出たところで、ハンドリング操作をしクルマの向きを変えるバージョン」とを見せてくださったが、クルマの挙動云々よりも、想像以上に激しい水しぶきに驚いてしまった。

は、激しい…こんなんよーやらんわ…(゚д゚)

「とにかく、目印となるパイロンまでは、時速○○km/h程度目安で思い切って加速し、その後アクセルを抜き、ひと呼吸おいてから一気にハンドルを切ってください。加速しながらハンドルを切っても、普通に曲がってしまいアンダーステアは出ないので注意して。そして皆さん、絶対窓は閉めておいてください。えらいことになりますからw」

とインストラクターに言われ、各自のクルマに乗り込み、まずは一本目の走行開始。ただ、こわごわだったので、Jターンも何も、ただただ大きな水たまりを、パイロンに沿ってすーっと曲がって帰るだけになってしまった(爆)

なんのこっちゃ…(-_-)

もっと速度をあげてみましょう。あと、アクセルを抜いて、一呼吸おいてからハンドルを切るように。

というアドバイスを受け、次は思い切って速度をあげ、一呼吸おいてハンドルを切ったところ、最後の方にアンダーステアが出た。

ガガガガガガッ…!』という大きなタイヤ音とともに、体感したこと無いほど凄まじい勢いでクルマが横滑りした。

怖い…(゚д゚)!!

そのままハンドルを切り続け、クルマの向きが変わり、ホッとして隊列に戻るところでインストラクターから、

今のは…アンダーステアは出ましたが、切り増していくうちに最後の方にアンダーステアが出ましたね。これは、Jターンのトレーニングで意図するアンダーステアとは違うので、最初に思いっきりハンドルを切り、切り始めからアンダーステアが出せるようにしてみましょう。

というアドバイスが。

確かに「恐る恐るハンドルを切ってしまったから、インストラクターのデモの挙動とは違ったなぁ」と思い、次の走行では最初から思いっきり切ってみたところ、「ガガガガガガッ…!」というタイヤ音と共に「アンダーステアが出て、車の向きがぐっと変わり、立て直す」という一連の操作ができた。

…やった!!

そうそう、今のです!その感覚を忘れずに、もう一回やってみましょう。今度は、アンダーが出て車両を立て直すところまで、よりスムーズにできるよう意識して。

言われたことを意識してやってみたが、車両を立て直すことに頭がいってしまい、ハンドルを思いっきりきれず、うまくアンダーステアが出せなかった。

いやはや…精度(Presicion)をあげるというのは、本当に難しい。Jターンのトレーニングも10回ほどチャレンジしたが、時間が許すならば、感覚をしっかり掴めるまで20回でも30回でもやりたいくらいだった。そして、トレーニングが終わり、インストラクターの総括を聞くためにクルマを降りてびっくり。

ボクスターがドロドロやー!!!

あんなにキレイだったボクスターが、一瞬で泥まみれになってしまった。「あそこに待機してる散水車に水をかけてもらって綺麗にしてもらえんだろうか…」なんて思ったが、それはどう考えても無理だw

(↑散水車。ずっと待機して、トレーニングの最中も水を補充してくださった)

インストラクターからは、こんなお話が。

窓は必ず閉めて」と言った意味がわかってもらえたとかと(笑)多くの方が、味わったことのないクルマの挙動だったと思うが、実際の道で、あれほどのアンダーステアが出たら、間違いなく反対車線のクルマやガードレールにぶつかる大事故になっている。雨の日に、あれだけのスピードでカーブを曲がると、このような結果になることが分かってもらえたかと思う。

ドライビングテクニックを上げるというのは、速く運転できるようになることもそうだけれども、「クルマが、どのような場面で、どのような動きをするかをしっかり理解し、いついかなる時も安全運転できるようになること」でもあるのだということも分かった。

Jターンの後は、ポルシェの新型モデル試乗の時間があり、新型911(992)、カイエン、パナメーラGTSを運転させてもらったり、フルスロットルチャレンジをしたが、これについては、また別記事で触れさせていただこうと思う。

次のページ→ポルシェのドライビングスクールの総括…

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