「欧米に比べて日本は、911のモデルの中でもカブリオレを選ぶ人の割合がとても低い」と聞いたことがある。ポルシェの場合、欧米ではクーペとカブリオレの割合がほぼ半々なのだそうだが、日本ではなんと約10％らしい。確かに、日本の街中でオープンカーを見かける機会は少ない。
以前の私は、オープンカーに乗っている人をみると「かっこつけるのが好きな人なんだろうなぁ」と少し冷めた目で見ることがあった。（…すみません）このような周りの目や近所からの見られ方のこともあって、オープンモデルを選ばない人も多いのかもしれないなぁ。
実際、わが家にオープンカーのボクスターが来てからも、私は屋根を開けて走ることにはしばらくは抵抗があり、「運転下手なくせに調子に乗ってると思われるんじゃないか」「目立ちたいわけじゃないのに変に視線を集めることになっても嫌だなぁ」などと考えて、芦有など誰もいないところに行ってようやく屋根を開けるということも多々あった。（今思えば自意識過剰もはなはだしいなw）
ただ、ひとたび季節の良い時期にオープンにして運転することを経験してしまうと、その気持ちよさが病みつきになり、屋根を開けたくて仕方なくなるもので（笑）今でも多少恥ずかしいなぁという気持ちはあるが、ほぼ毎回オープンにして走るようになった。
そして先日、わが家に911カブリオレが納車された。季節的にちょうど暑さもやわらいできたので、天気がよい日にオープンにして近所を走ってみたが、それはそれは気持ちがよかった。
というわけで、ボクスターや911カブリオレなど、私がこれまでにオープンカーに乗ってみて分かったことを少しだけまとめてみた。
オープンカーに乗るまでは「髪の長い女性の髪の毛が、まるで台風の中にいるかのごとく大変なことになる」というイメージがあった。
実際ボクスター（981/718）に関しては、風の巻き込みが結構多いと言われているが、私は髪の毛が長くない（ボブくらい）ので、この程度であれば特に気にならない。ただ、髪の長い女性がボクスターで高速道路などを高速で走ると、風の巻き込みは結構気になってしまうように思う。
一方、992型の911カブリオレに関しては、ボタンを押すと後部座席に出てくるウィンドウディフューザーのおかげで、風の巻き込みがほぼない。街中はもちろん、高速道路の追い越し車線を走っていても風の巻き込みがあまりないことには驚いた。
これに関しては、ロペライオチャンネルの911カブリオレ（992）の回でも「風の巻き込みが無い！すごい！」と紹介されていた。
ただ後部座席に人が乗る場合は、このディフューザーをあげることはできないのと、後部座席の風の巻き込みは普通にある方だと思う。（娘が後部座席に乗ったときに顔に髪の毛がまとわりついて大変そうだった。）
オープンカーは、クーペスタイルで走るのと、屋根をあけて走るのとでは、同じクルマと思えないほど全く違ったものとなる。夫もよく、
カブリオレって、1台で２台所有しているかのような違った魅力を味わえるのが良い。落ち着いてしっかり走りたい時は屋根を閉め、ひとたび好天に恵まれたり、景色の良いところだと屋根を開ける。屋根の開け閉めで二度美味しい。
と言っているが、本当にそうだなぁと思う。
私はオープンカーに乗るまでは「真冬は寒そうだなぁ。真夏のほうがまだ走れそうなのかな」と思っていたが、全く逆だった。真夏に屋根をあけて走ると、本当に命の危険を感じるというか…直射日光が暑すぎて、熱中症になりそうになるし、日焼けもすごいので、私は真夏は屋根はあけずに走る。
逆に、真冬は意外と寒くないのだ。ダウンを着て、暖房をかけたりシートヒーターをつけたりしていると、とても快適だ。
むしろ、頭寒足熱で、冬の寒い日に露天風呂入ってるかのような、冬ならではの気持ちよさがある。冬の朝、空気がすんでいる日に運転すると、空気がとてもスッキリしていてとても心地が良い。
夫はオープンカーについて、
昔は元々めちゃくちゃオープンカー嫌いで、「あんなもの意味がわからん」とか言ってくらいやけど、実際に所有してみると180度変わったわ。今では屋根が開かないモデルはなんか損した気分になるくらいや。
わが家のGT3なんかクーペしか設定がないから屋根が開かないけど、これで屋根が開いたらなぁ・・・と思うことが本当によくある。渋滞中とか街中を走ってる時なんか、全然楽しくないし、むしろエコカーの方が快適でええわと思う。
でも、同じシチュエーションでも屋根が開いたらそんなことない。エンジン音はダイレクトに聞こえるし、風や光を感じるだけでも気分が一気に晴れやかになる。平日が休日になるくらい違う（笑）
あと、人に見られるのが嫌と思ってたけど、（自分が思うほど）人はそんなに見てないことがよく分かった。オープンカーに乗るまではちょっと自意識過剰やったなぁと思う。
と言っている。なるほどなぁ…！
私も、東北や甲信越、四国など、素晴らしい道を、真っ青な空のもと、ボクスターや911カブリオレをオープンにして走ってみたいものだ。
