「ポルシェを購入する」行為は浪費か、投資か? – 車好き夫を持つ妻目線で考えてみた

911、1台に絞る?

先日、「911上位モデルオーナーが、最終的には素の911で良いという件」について記事を書いたところ、結構な反響があった。みんな、同じように思っているのだなぁ。そんな中、このようなコメントを頂いた。

素の911が良い」とは、みんな言います(ちなみに私も言ってます…)。それ自体は否定しません。でも、そういうことを言う車好きが素の911の1台だけで大人しくしてますか?身近でご承知の通りしませんよ(ちなみに私もしてません…)。
白ご飯の美味しさはわかっているはずなのに、満足しているはずなのに、やっぱり高級レストランの味も恋しくなるのが車好きですよ。

確かにそうだ!おっしゃるとおりである。このコメントについて夫に伝えてみたところ、「確かに、その通りやわ〜w」と言って笑っていた。現に夫も、「素の911がいいと思う」と言いつつ「でも、GT3もええし、ボクスターもええし、空冷もええし…」と言って、結局増車する形になっている。

芦有でお会いする方々についても「1周回って素の911が良いと思ったから、素の911一台にした」という人いは、未だかつて出逢ったことが無い。

かと言って、ポルシェを複数台所有するオーナーの皆さんが、最終的には素の911を1台で満足するのか確かめるべく「最終的に1台に絞るとすればどれを選ぶ?」という質問をしてみたところで、そもそも1台に絞る必要のない方々にそんな質問をすること自体、無意味だもんな。

ご飯についてもそうだけど、

白ごはんが一番美味しい=食事は白ごはん”だけ”でいい

というわけではない。多くの人が、肉だって、野菜だって、魚だって、デザートだって、食べたいわけである。

ポルシェは、浪費か、投資か、

「素の911でいいと思ったから、色々あったモデルを手放して、911一台に絞った」という方がいたら、それはそれでめちゃくちゃかっこいいけれど、「ポルシェ 911は素でいい。かといって、これ1台に絞ることにはならない」について、今の私は「分からんでもないなぁ」と思ってしまう。なぜなら、

ポルシェの各モデルには、それぞれに異なる魅力があることを知ったからだ。

根底にある車としての性能は同じでも、乗り味、運転の楽しさの種類、エンジン音、楽しい速度域…すべてが全然違う。それぞれに違った良さがあり、その良さは他のモデルでは決して味わうことができない。

だから結局「増車するしかない」という結論になる(笑)

また、ポルシェには名車も数多く存在するので、そのようなモデルは手放すのが惜しい(中には価値が上がるものもある)。現に私も、981ボクスターGTS(MT)に関しては、「絶対に売らないで!(4年かけてせっかく乗れるようになったので…w)」と夫に懇願している。

だから、夫や知り合いの皆さんが、1台に絞れない気持ちもよく分かる。

また「クルマを複数台所有する」ことが、浪費ではなく投資的な意味合いを持つのであれば、つまり「購入した金額以上のプラスの効果が家族にもたらされる」のであれば、全然問題ないと思う。

クルマを複数台所有するには、今以上に頑張って稼がないといけない。ガソリン代、高速代、車検、保険代、メンテナンス代、点検代、駐車場代…それらが2倍、3倍になるなんて、考えただけでも大変だ。

そのためには、稼ぎ方自体を変えたり、もしかしたら転職や起業する必要があるかもしれないし、いずれにせよ、今以上に努力しなければならないわけで。

そして、私が見ている限り、夫が新たなポルシェを購入することは、夫にも私たち家族にも、良い結果をもたらしているように思う。夫の仕事へのモチベーションがあがり、出会う人も変わり、私も夫と出会った頃には想像だにしていなかった世界に身を置くことが出来ている。

今まで「夫の自由を制限しない」「ポルシェ購入にNOを言わない」といった記事をブログに書いてきたけれど、つまりは「ポルシェ購入が、浪費ではなく投資になっていたから、私は何も言わないのだなぁ」と、今回の記事を書きながら改めて気づいた。

逆に、ポルシェを増車しても、今よりさらに頑張って稼ごうという様子が見られず、単にお金だけが減り、生活が苦しくなり、家族にはデメリットしか無い…という話になれば、私は間違いなくブチ切れるだろう。(私自身は自由にさせてもらっているのに、ブチ切れるなんてわがままやけども…)

二兎を追う

欲しい物を何か一つに絞るというのは、とても難しいことだ。どちらかを選ぶということは、どちらかを捨てるということなので、とても勇気が要る。と同時に、欲しい物を一つに絞らずに手に入れようとすることもまた、簡単ではない。

少し話はそれるかもしれないが、私は、6年前に長女を出産した時、「育児」か「仕事」かどちらか1つを選ぶことが出来なかった。どちらも、自分にとっては大切でかけがえない存在だから、どちらも失いたくなくて、両立の道を選んだ。

ただ、両立の道を選ぶことで、時間の使い方、働き方、考え方すべてを変える必要があり、その過程でもがき苦しんだ時期も長かった。

子どもが病気で入院したときは、点滴だらけのわが子を見ながら「私が仕事ばかりしてるから、バチがあたったんだろうか…」と自分を責めたし、子どもがいて自由に動けないことで仕事が中途半端になっているような気がして「二兎を追う者は一兎をも得ずとはこのことだ」と情けなくなったりもした。

でも振り返れば、どちらも選んだからこそ、このポルシェブログを立ち上げることになり、今、自分なりの両立の道が見えてきたので、今となっては、当時あの選択をしてよかったなぁと思う。

話はそれまくったが、そして結論も冒頭の話からそれてしまうが、一度きりの人生なので、夫婦ともども、貪欲にチャレンジするパートナーであり続けたいなぁと思う今日このごろだw

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Tags: 成功哲学