空冷ポルシェ 911(964)の予防整備 – デスビベルト、ブロアモーター等交換。

空冷911、再び整備へ

先日、夫が再び、空冷911(964)を予防整備に出した。今回も、整備をお願いしたのは、前回と同じくご近所にあるお店、ビーフォースさんだ。

それにしても、「確か2ヶ月ほど前に空冷を整備に出していたのに、またさらに何をするん?」と聞いてみたところ、

いや、別に特に大きなトラブルは無いんや。ただ、いつでも超長距離のグランドツーリングに安心していけるように、予防整備をしておきたいだけや。
今回は、ディストリビューターベルトの交換と、リアのブロアファンから異音がたまに聞こえるから、それを直したいんや。

と夫は言っていた。なるほど…。

空冷911の整備箇所について

空冷911は、1週間ほどで整備を終え、夫が再び取りに行っていたが、整備箇所は結局、

  • デストリビューターベルト・ローター・キャップ交換
  • リアのブロアファンの中のファンとモーター交換
  • 運転席ドアの異音解消
  • ベルト類のテンション調整

だったとのこと。「っていうか、ディストリビューターって何?ブロアモーターって何?替えたらどうなるん?」と聞いてみたところ、

まず、ディストリビューター(略してデスビ)ってのは、エンジン内で点火の火花を散らすための電気を各気筒にタイミングよく送り込むための装置や。発電された電気を、正しいタイミングで各気筒に送れないと、うまくエンジン内で爆発が起きないから、これは重要な装置や。
964の場合、ツインプラグやから、各気筒に2つのプラグ(火花を散らす部品)がある。だから、6気筒×2で12本のプラグに適切なタイミングで電気を送らんといかんわけや。
で、964は、ディストリビューターもそれに合わせて2個になってて、ディストリビューターが2個くっついたような形をしてる。
このディストリビューター同士を繋ぐのに、小さなベルトがあって、これでお互いの点火タイミングをとってるんや。このベルトが劣化して切れたりすると、点火タイミングがズレてしまって、エンジンパワーが出なくなったり、最悪は変なタイミングで点火してしまって、エンジンが壊れるようなこともあるらしい。

ポルシェ 964 ディストリビューター

と説明してくれた。…う〜んクルマの詳しい構造が分かっていないので、なんとなくは理解できた。「じゃあ、そのベルトが切れそうやったからかえたってこと?」と聞くと、

いや、別に切れそうとか、調子悪いとかというわけじゃないけど、整備記録簿を見ると、2001年の25000km時点でディストリビューターを丸ごと交換している履歴はあるけど、それ以降、18年間、4万キロ以上替えてないから、予防整備として替えたかったんや。
実際は、それほどベルトは傷んでいなかったらしいけど、電気を分配するローター自体とキャップも摩耗が進んでいるので交換した方がいいとのことで交換してもらったわけや。(ちなみにデスビを丸ごと替えると、かなり高くなるらしい)

ポルシェ 964 ディストリビューターのベルトとローター、キャップ

なるほどー。「あと、ブロアファンって何なん?」と聞くと、

正式名称は何て言うか知らんけど、ヒーターを効かすためにヒートエクスチェンジャーへエンジンの熱を送りこむファンがあるんやけど、最近、時々、ここからガーっていう異音がする時があるんや。これは走行には影響ないらしいけど、気持ち悪いから交換してもらった。
装置を丸ごと交換すると、今だと部品代だけで15万くらいするらしいけど、今回はこちらもモーターとファンのアフターパーツを使って安くあげてもらった。

ポルシェ 964 リアのブロアファン

今回の点検・整備にかかった費用は部品代と工賃合わせて約199,000円。とても良心的な価格だそうだ。この整備を終えて実際に乗ってみると、またさらに空冷は良くなったそうで、

デスビのローターとキャップ替えたからかなぁ、やけにエンジンのピックアップと、伸びが良くなった気がする。あと、燃費がめちゃ改善した。まだちゃんと測ってないけど、1割くらい違うんちゃうかな。
交換前のキャップやローターは結構黒くなって摩耗してたから、それが新品になって、電気がより抵抗なく各気筒に送られるようになったのかもしれん。
本当にスムーズで、走れば走るほど、この空冷のエンジンは良くなってるけど、さらにスムーズになったと思う。買った時と比べたら、かなり違うんちゃうかな。

と言っていた。最近維持費とかメンテナンスのネタが続いているけれど、964といったクラシカルなモデルのポルシェの場合、特にまめなメンテナンスが必要なんだなぁ。

いやはや、クルマって高いw