先日「ボクスターのブリッピングができるようになった!MTが楽しい」という記事を書いたところ、
「MTを運転できるようになる過程で、どのような失敗談があったのかについても、ぜひ読んでみたい」というメッセージを頂いたので、今日はそのことについて書いてみたい。
私はきっと、世間の方々以上にMT車の運転に苦戦し、たくさんの失敗をしてきたのではないかなぁと思っている(笑)
一朝一夕に乗れるようになったわけではなく、まだ技術的には発展途上ではあるが、この機会に振り返ってみたい。
「MT車を運転できるようになる」と一念発起し、自分でBMW320iを買い、納車された翌日。娘を幼稚園に送った帰りに、信号待ちの発進ができず、ハザードを出して止まってしまったことがある。
今思えば本当に迷惑な話で申し訳ないのだが…焦れば焦るほどエンストして全く発進ができず「このままでは、赤信号になってしまう…!」ととっさにハザードを出した。
緊張のあまり冷や汗が出て鼓動も速くなっていたので、後続車が全て追い抜いてくれた後、ゆっくり発進して、とりあえず路肩に止めて、気持ちを落ち着かせ、何とかとろとろ運転で帰宅した。
その時の後続車の方がとても温かく、クラクションも一切鳴らされなかったので、それ以来私も、青信号でなかなか発進しないクルマがいても「もしかしたら、慣れないMT運転だから発進できないのかも…!」と、温かい目で見守るようになったw
私が乗っていたBMW320iは手動で操作するサイドブレーキだったのだが、ある時「あれ?普通に繋いでいるのに、全然速度がでなくてうまく進まないなぁ…」という時があった。
怖くなり、路肩に止めて確認したところ、何とサイドブレーキをひいたまま走ってしまっていた…!
おそらく、メーターのあたりに警告ランプがついていたはずだが、そんなことは一切目に入らないほど緊張していた。
早めに気づいたので良かったが、そのまま運転し続けていたら、大変なことになっていたかもしれない。
MT車に乗り始めた頃は、停車時からの発進に本当に気を遣った。エンストしないように、無事に進み出せるように、意識を全集中させて発進していた。
ところがある時、無事に発進して少し進みだしたあたりで、後ろを走っていたレクサスに激しく追い抜かれた。
とっさに横を見ると、ご高齢のおじいさんがこちらを睨んで走って追い抜いていったので、何だか色んな意味でショックを受けたことを覚えている。
信号待ちからの発進は、事前に心の準備ができるので何とかなっても、とっさに発進しなければならない場面は難しかった。
例えば、右折を待っている時、親切な方が道を譲ってくれることがあったが、とっさに発進がうまくいかず、結局かなり時間がかかってしまうということが、最初の頃はよくあった。
当時は「有り難いけど、そんなに親切にしなくてもいいから…!」とか「頼むから、後ろからクルマが来ませんように…」と、祈るような気持ちで運転していたw
発進にはある程度慣れた頃、「3速から4速にするつもりが、2速にいれてしまう」ということがよくあった。
自分では4速にいれたつもりだったのに、いきなり「ぎゅいーん」と回転数が上がり「え!なんで!」と焦って手元を見ると、2速に入っていた。
また、4速に入れている時「あれ?これって6速だったかな…どうだったかな…」と一瞬わからなくなることもよくあった。(記憶力悪いんかな…)
これは少し慣れてきた頃の話だが、駐車場の出口手前のかなりの傾斜のところで、警備員に止まるように指示された。
その先の信号が青にならなければ発進できない様子だったので、しばらくニュートラルにいれて待っていたが、次に発進する際、ギアをいれるのを忘れて、そのままズズズっと滑ってしまったことがあった。
慌ててブレーキを踏んだので事なきを得たが、後ろにクルマがいなくて本当に良かった…と思った。
また、これは大したことではないが、少し傾斜のある駐車場に停める際、シフトレバーをR(バック)にいれて停車し、用事を済ませて戻ってきてエンジンをかけた時、ギアをRにいれていることをすっかり忘れてクラッチから足を離してしまい「ガクンっ」エンストしてしまうことが何回かあった。
色々な失敗はしてきたが、1週間毎日乗れば、基本的な操作については案外早く慣れることができた。
AT限定解除をして3年間は、数ヶ月に一回しかMT運転の練習をしなかったので、その頃は全く上達しなかったのだが…
やはりMT車の運転は、「習うより慣れろ」だとつくづく思う。
自分でシフトダウンして速度を緩めないといけないので、2つ先の信号がどうなっているか、横から歩行者やクルマが出てこないかといったことを、すごく意識して運転するようになった。
現在は、どのようなマニュアル車に乗ってもある程度運転できるようになったが(964のMTに乗らせてもらった時、終始エンストしなかったのは嬉しかったw)これからも色々なマニュアル車を経験してみたいなぁと思う。