わが家のカーライフ

ポルシェオーナー夫婦の会話。人生はプラマイゼロにできている。

ポルシェオーナーと話して

先日、子どもたちが夜珍しく早く寝てくれたので、夫と少しだけ話をすることができた。

子どもが小さい頃は、生活のリズムがほぼ子ども中心になるため、夫婦だけで会話する時間を取ることは難しい。でも、お互いが無理をしない程度に、こういった時間を持とうとする意識って大事だなぁと最近思う。

そして近況や今後の目標の話などをしながら夫が、

なんかな、人生って結局「プラマイゼロ」になってるんやと思うわ。

と言い出した。

クルマ好きの皆さんと話してると、「ポルシェのようなスポーツカーをたくさん所有していて、すごいなぁ」ってはたから見える人も、かげではいろんな苦労をされている。
今は成功していても、昔はすごく大変な経験をされたという人もいるしな。
誰だって他人の芝生は青く見えるし、「あの人はいいなぁ、すごいなぁ」って羨ましくなることもあるけど、他人に見える面は一部であって、すごい成功している人ほど、大変な経験もいっぱいされてるんやなって思うんや。
あと、お金はあっても、家族問題や健康問題でなんかあったりするケースもあるしな。

と。

確かになぁ…昔誰かが「人生はプラスマイナスゼロだから、死ぬときに少しだけでもプラスになっていたらそれで良い」とか言っていたような、言ってなかったような…(どっちやw)というのを、夫の話を聞きながら思った。

実は夫も、普段からひょうひょうとしているので、「苦労をすること無く結果が出ている人」という風に見られることが多いように感じる。

ただ夫いわく、

僕の場合は、高校を卒業するまで全く勉強ができなくて、成績はいつも悪くて、現役の時はどの大学も受からんかった。実際、18歳以前の記憶があんまり無いんやけど、それくらい思い出や印象に残ることが特にない学生時代やった。
あと、20代はそれなりに良い会社のサラリーマンやったけど、実家の事業が上手くいかず運転資金を僕の給料で補填したりもしてた。だからお金は常に無かったな。
30代前半は、起業したけど最初の4〜5年は鳴かず飛ばずで、同じ年代の人よりもかなり年収は低かったし、先輩の社長の事務所の一角をタダで間借りさせてもらってた時期もあった。
おかげさまで今は仕事はうまくいってるけど、振り返ってみると、うまくいかない期間もそれなりに長かったなぁと思う。

と。

私も結婚するまでは、「夫は、何不自由なく生きてきた人なのかな」と思っていたので、実際は色々なことを乗り越えてきたのだと知って、少し驚いたのを覚えている。

ポルシェに乗れる今に感謝して

私は「人間万事塞翁が馬」という言葉が好きだ。人生における幸不幸は予測しがたく、幸せが不幸に、不幸が幸せに転じるのが常だから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないという諺だ。

私は、自分で言うのもなんだけど、20代は結構苦労の連続だったように思う。就活に失敗して、私生活もうまくいかなくて、起業しても売上が思うように上がらず借金ばかりが増えて、

「私はなんでこんなにうまくいかないんだろう。神様はなぜ私に、試練ばかり与えるんだろう」

と、自暴自棄になりそうな時期もあった。

当時は、周りの友人たちの幸せを素直に喜べず、そんな卑屈な自分の状態がとても嫌だったけれど、必死で頑張ってもがいたところで状況は良くならず、とても辛かった。

まぁ、今客観的に当時の自分の行動や考え方を振り返ると「そら、そのやり方だったらうまくいかんわなw」という感じだし、必死過ぎて正しい判断が出来ていなかったのは明らかなのだけど、でも逆に、「あの時うまくいかなくてよかったなぁ」と今は思う。

「あの頃のおかげで今がある」というよりも、「あのときうまくいかなくてよかった…」と心の底から思う(笑)

うまくいっていたら、今頃きっと、色々手を広げすぎて大変なことになっていただろうし、家庭を顧みることなく仕事に走り、家族との関係も崩壊していた気がする。

そして間違いなく、このポルシェブログを立ち上げることは無く、ポルシェを通じて開かれた新しい世界に触れることも無かった。

今の私の状況は、育児がそれなりに大変だったり、ときに無理してしまうこともあるけれど、自分の中では結構バランスがとれている気がしている。

仕事を通して社会との繋がりを持ちながら、ブログで世界を広げつつも、子どもたちとたくさんの時間を過ごすことができ、決まったルーティンは特になく、変化に応じてどうにでも転べる柔軟な環境にいる。

まぁこの生き方ができているのは、夫が頑張って稼いでくれていることと、自由にしたらいいと言ってくれているからなので、なんか色々本当に感謝だなぁと思う。

これから先、何が起こるかなんて誰にもわからないし、もしかしたら、ポルシェに乗れなくなることも無いとは言えないけれど、でもきっとそのことも、後から振り返れば「あれで良かったなぁ」と思える出来事になるんだろう。

人の生活を羨んだりするのではなく、自分は自分の人生を生きて、死ぬときにちょっとプラスになるくらいを目指して、これからも歩んでいければなと思う。

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