ポルシェにまつわる豆知識

ポルシェ ボクスター(981・718)のオートブリッピング機能について調べてみた

ボクスターのオートブリッピング

先日、ボクスターGTS(MT)を運転練習し、「スポーツクロノパッケージがついたMT車で、スポーツプラスモードにした時にオートブリッピングしてくれるのが楽しい」と書いたところ、読者の方から

スポーツプラスではなく、スポーツモードでもオートブリッピングしてくれるのか?718ケイマンのカタログだとスポーツクロノを付けた場合,スポーツモードでも自動ブリッピングするように書かれている。

というコメントをいただいた。このコメントについて、718ボクスターと981ボクスタースパイダーを所有した経験のある読者の方が返信してくださっており、それを見ると「981はスポーツプラスでオートブリッピングになるが、718はスポーツモードでオートブリッピングになる」といった内容を書いてくださっていた。

夫のこのあたりについては死ぬほど調べたらしいが、私も気になったのでネットで調べてみたところ、自動車メディアから個人ブログまで、実に様々な情報が出てきた。

981ボクスターについて

ネットに出ていた情報はこのような感じだった。まず、981ボクスターについて。

オートブリッピングは、スポーツクロノパッケージを購入した場合に付属する機能で、スポーツプラスモードをOnにした状態で作動するアシスト機能
*記事出典:981ボクスターのブリッピング機能

スポーツプラスを設定出来るクルマには、オートブリッピングがついており(中略)シフトダウンをするだけで、自動で回転をあわせてくれて、シフトダウンが可能です。反対に、スポーツやノーマルでは、オートブリッピング機能は働きません(2017年8月の記事)
*記事出典:MT PORSCHEの乗り方

2013年モデルからMT仕様車でスポーツクロノパッケージを装着した場合、スポーツ・プラスモードでシフトダウン時に自動回転同期のための空吹かし(自動ブリッピング)をする機能が追加されているとのこと。
*記事出典:991 MT モデルのシフトダウン時の自動回転同期の確認 というほとんどの人に必要ない話。

私のボクスターにはPASMとスポーツ・クロノ・パッケージが装備されており…(中略)なお、オート・ブリッピング機能を有するスポーツ・プラス・モードは、独りで走る際にはあまり使っていません。
*記事出典:ポルシェ・ボクスター、15,000km[1]

Wさんのボクスター981には自動ブリッピング機能がついている!スポーツプラスモードをONにすると、ヒール&トウの際、アクセルを煽る必要が無くなっているのだと!!!2014年式から自動ブリッピング機能がついているとのことです。僕のボクスター981にはありません。
*記事出典:ボクスター981仲間のWさんと夜のドライブをエンジョイ

一般道へと試乗ステージを移してドライブした6速MT仕様では、こちらもスポーツプラスモードを選択した時に機能する、オートブリッピングの制御にも好印象を受けた。
*記事出典:ポルシェ2ドア・スポーツのトップ・モデルに乗る

ポルシェはミッドシップスポーツの『ケイマン』&『ボクスター』にも、「GTS」の称号を掲げるモデルを用意している。6速MTのシフトフィールも剛性感があり好ましく、さらにセンターコンソール上のスイッチでスポーツプラスモードを選ぶことで(中略)シフトダウン時にはオートブリッピング機能が働くようになる。それによってドライバーは、ブレーキングとステアリングの操作にさらに集中することができる仕組みだ。
*記事出典:【ポルシェ ケイマン GTS 試乗】オプション追加で 911 をも超越する…山崎元裕

ふむふむ。なるほど。

718ボクスターについて

次に、718ボクスターのオートブリッピング機能について調べてみると…

スポーツモードではエンジンはさらにダイレクトに反応し、シフトダウン時にはオートブリッピング機能が作動します。スポーツプラスモードでは、これらの特性がさらに強められ、最大限のパフォーマンスを発揮するために最適化されます。
*記事出典:ナビゲーションを省略 ニュー718 ボクスター GTSと718 ケイマン GTS

スポーツプラスのエキゾーストサウンドとシンクロするシフト操作は、「楽しい」のひと言だ。同時にスポーツモード以上(スポーツ/スポーツプラス)を選択すると、シフトダウン時のブリッピング機能が加わる。
*記事出典:ポルシェ718ボクスターGTS(MR/6MT)【試乗記】

ちなみに、ポルシェの英語サイトにこのような記述があった。

The drive becomes even more dynamic in conjunction with the optional Sport Chrono Package: in SPORT and SPORT PLUS mode, the dynamic throttle-blip function ensures the optimum engine speed for every downshift, a more emotional driving experience and an impressive sound.
*記事出典:6-speed manual transmission

というわけで、981と718のオートブリッピングの情報をまとめてみると、おそらく

✓981より前のボクスターには、オートブリッピング機能はついていない
✓981ボクスターでも、発売初期のものにはついていない
✓2013年〜2014年あたりで日本発売されたボクスター以降、スポーツクロノパッケージを装着したクルマで、スポーツプラスモードをONにすると、オートブリッピングが作動するようになった。(ノーマル、スポーツでは作動せず)
✓718ボクスターからは、スポーツクロノパッケージを装着したクルマで、スポーツモードにすればオートブリッピング機能が作動する。(スポーツ/スポーツプラスモードで作動)

という感じなのかな。

オートブリッピングは要らない!?

ただ調べながら驚いたのだが「オートブリッピング機能は余計だ!」と書いている人が結構多かったのだ。

今回、スポーツクロノをオプションで選びませんでした。実はカレラ4MTのスポーツクロノにはシフトダウン時の回転合わせの自動ブリッピング、という余計なお世話的機能が付加されます。(中略)こんな余分な機能がついたら、等速シフト時の回転合わせや、H&Tができなくなってしまいます。
*記事出典:991 Carrera4 納車!

自動ブリッピングの点に関してだけならスポーツクロノパッケージを装着しなければいいのだが、このパッケージを装着すると他の走りにプラスの機能が着いてくる。(中略)走りの面で捨てがたい機能も追加されるので、できれば欲しいパッケージではある。
*記事出典:991 MT モデルのシフトダウン時の自動回転同期の確認 というほとんどの人に必要ない話。

へ〜そうなんや(;゚Д゚)。

私はMT運転初心者なので、むしろオートブリッピング機能がついてくれているほうが有難いが、MT玄人の方はそうではないのだなぁ。なんか分かるような気もする。

ただヒール&トゥについて、ポルシェは「高度な技術を要するので、しっかりトレーニングを積んでからやるようにするべき」と書いているし(*Heel-and-toe method)、ネットである方が「ディーラーで聞いた話だが、現在はドライバーがヒール&トーをやる事を想定せず、オートブリッピングに頼る形で最近のポルシェは作られているそう」と書かれていた。

なるほど、そうなのか。でも、MT運転が大好きな夫は、ボクスターGTS(MT)購入前や納車後も、この件について特に何か言うことも無かったなぁと思い、そのあたりについて少し聞いてみることにした。すると、夫はこんな風に言っていた。

そうやなぁ〜「自分でヒール&トゥをやりたい」という人の気持ちはよう分かるわ。ただ、最近のポルシェのブレーキは、基本的にアクセルよりもかなり高い位置にあるから、足を器用に動かせないと、一般道でヒール&トゥするのが難しいやろなぁ。
余程、スピードを出してブレーキを深く踏まんと、ブレーキとアクセルの高さがいい感じにならへんから、アクセルを煽りにくいわ。一般道やとそんなにブレーキを深く踏むことは滅多にないからな。
逆にサーキットとかならちょうどいい高さになって、やりやすくなる。ただ、サーキットを走ってタイムを出したいなら、オートブリッピング機能が付いてた方が絶対に走りやすいし、タイムも違ってくると思うで。

と言っていた。なるほど。「足を器用に動かせないと、ヒール&トゥができない」というフレーズを聞いて、私は絶対に出来ないなぁと思った。実は私は足首が固すぎて屈伸もできないし(後ろにごろんところがってしまう)、マッサージや整体に行っても、その足首の固さに驚かれることが多い。私の場合、ヒールアンドトゥを練習するには、まずは、柔軟体操から始めないといけないな。