先日夫が、964にメガライフバッテリー(リチウムイオンバッテリー)を搭載して、その効果についてレビューした記事を書いてくれたが、今回は、981ボクスターGTSにメガライフバッテリーを搭載したので、そのレビューについても書いてくれた。よろしければぜひご覧ください。
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今回も搭載したバッテリーもMV-072型になる。ボクスターのバッテリー搭載位置も991などと同じ、フロントガラスのすぐ前あたりになり、フロントアクスルよりは内側ではあるが、とても高い位置に配置されいるため、重心高への影響は少なくないと思われる。
前回と同様、スーパーオートバックス サンシャインKOBE店にて交換作業をしてもらう。担当の人と話していると、すでに前回のブログ記事を見たというポルシェオーナーの方が既に5人ほど交換に来られたようだ(笑)
今回は交換前にバッテリーを手で持って、重さを体感してみたのだが、やはりメガライフバッテリーは軽い。7kgと少ししかないので、片手で普通に持ち上げられる重さだ。一方の鉛バッテリーはというと、20kgほどあるので片手だと手が痛い。両手でグッと力を入れて持ち上げないといけない。体勢によっては腰にくる重さだ。
あんなに上部にある重量物がこんなに軽くなると考えると、そりゃ走行性能に影響して当然だ。しかも費用は11万円ほどで、十数キロも軽くなるのだ。
991のGT3RSのヴァイザッハパッケージが約320万円でカーボンボンネットやチタン製ロールケージなどで18kgの軽量化である。それから思えば、相当コストパフォーマンスに優れた軽量化といえよう。
バッテリーを交換して、早速、走り出すと964の時と同様、お店から出るところからステアリングのフィーリングが違う。ステアリングの操舵感が「軽い」という単語で言い表すのは少し言葉足らずで、ステアリングのフリクションが無くなった感じと言った方が良い。とにかく、ステアリングが滑らかに回る印象だ。
フロントの接地感は、重量で押し付けていたような感覚は薄れ、PCCBのブレーキを持つポルシェのようなフィーリングだ。軽快で足がよく上下動しているのが、街中の起伏を超えるだけでもよく分かる。乗り心地に関しては、特に跳ねるようなこともなく、むしろしなやかに足が動くようになったフィーリングさえ感じる。
妻もこの後、街中で乗ったのだが、妻が言うには「軽快になったのは分かる!それに加速の伸びがよくなった。」と言っていたので、リチウムイオン電池ならではの高い一貫性のある放電率により、少なからずエンジンパワーにも影響しているのかもしれない。
私も、そう言われてみて意識して乗ると、確かに3速や4速での中間加速の力強さがやや増したような気がする。
場所を芦有に移して、ワインディングでの動きをチェックしてみる。
まず、普通にカーブを曲がると、やはりステアリングがスムーズなので、路面状況が分かりやすく、かつタイヤの向きやフィーリングが分かりやすくなった印象を受ける。
それに路面が少しうねっているような場面では、以前よりかなり安定感が増したと思う。これはフロントのサスの追従性が増しているのだろう。上下動による動きの影響が少なくなり、より安定してコーナーを曲がれるようになった印象だ。
路面の状態の良いところでは、上り坂においては、そんなにカーブの曲がり方に大差は感じないが、平坦路や下り坂のコーナーでは大きく違う。これはボクスターがミッドシップということも影響しているのだろう。
下り坂でのアンダーステア傾向が少なくなり、ニュートラルに曲がっていってくれる。911ほどの下りの運転しやすさとまでは言わないが、今回、バッテリーを交換して一番、違う点といえば、この下り坂の安定感だと思う。
高速道路も少し走ってみたが、ステアリングをそもそも操作する量が少ないので、ハンドリングのフィーリングに関しては特に大きな違いはないと思う。
一方で、乗り心地というより乗り味という意味では変化は見られる。具体的には、以前よりフロントが軽い感じがするのに、安心感、安定感はなぜか、より強く感じるのだ。この感覚を言葉で表現するのは難しいのだが、いずれにせよプラスに働いていることは間違いないと思う。
ちなみに964では全く分からなかったし、そんな変化はなかったのだが、ボクスターの場合、高速道路などで幌を閉めてクルージングをしていると、かすかにオルタネーターノイズのような高周波の音がエンジン回転に呼応して、ほんの少し聞こえるようになった。これは(年齢によっては)聞こえない人もいるのではないかと思うくらいの音量で、幌を開けていると全く分からないレベルだが聞こえる。
電圧、電流の変化で、このあたりはオーディオやスピーカーに少し影響があるのかもしれない。この辺りはどこから音が出ているのか、もう少し調査をしてみたいと思う。
【2021/6/7 追記】
オルタネーターノイズのような音の件について、その後、以下のことが判明。
という感じである。このことから、おそらくはバッテリーへ積極的に充電が行われているタイミングで、電気的なノイズが聞こえるようである。この間は数分であり、運転に集中していたり、音楽をかけていたり、また幌を開けていれば気づかないレベルではあるので、個人的には気にならないレベルだが、神経質な方は注意した方が良いだろう。
【2022/2/6 追記】
当ノイズ問題は完全に解決した。
964の時と同様、私はかなり効果があるものだと思う。もちろん、人それぞれ感覚も違うし感じる程度の差はあるが、私だけでなく妻も分かるくらいなので、多くの人はその違いを感じることができるのではないだろうか。
バッテリーとしてみると大変高価なものではあるが、その寿命と軽量化からくる効果から考えると、かなりコストパフォーマンスに優れたチューニングだと思う。もし、バッテリー交換を考えておられる方は、一度、このバッテリーも検討されても良いのではないだろうか。