ポルシェ・911

ポルシェ 911 GT3 慣らしツーリング − 高知〜四国縦断、慣らしも終盤へ

GT3慣らしツーリング

今日の記事は、先日の911GT3慣らしツーリングの後半。今回は2泊3日の行程だったので、夫はまだまだ走り足りていないようだが、このツーリングでだいぶGT3が自分に馴染んできたようだ。それでは、御覧ください。

GT3 高知〜自宅へ

今日は早くも自宅へ帰らないといけない。
私のドライブ依存症の禁断症状は全くもって満たされていないが、仕方がない。

まずは、龍河洞スカイラインを目指す。ここは前半は舗装もよく走りやすいが、頂上に近づくにつれ、道が細い上にキャッツアイだらけ。かつ小石や小枝が多くて走りにくい。「やはりGT3で来るべき道ではなかった」と後悔しながら、写真撮影に勤しみ、気を取り直して、個人的に好きなR194へと向かう。

R194は高知と西条市を南北につなぐ快走路だ。地元のクルマや観光客のクルマがそこそこ走っているが、追い越しポイントも多く、それほどペースを乱されることもない。

オドメーターが800kmを超えると、心なしかエンジンが軽くなってきた感がある。低速だと『固いエンジン』という印象だったが、スムーズさが明らかに増してきた。サスペンションも酷道や、不整地をガンガン走ったこともあってか、さらに滑らかになり乗り心地もよりスムーズに感じ始めるようになり、シフトのフィーリングもより少ない力で吸い込まれるように入っていく。

GT3は峠を目指して、3速、4速で駆け上がる。そろそろ、エンジンを回してやろうとシフトダウンして、初めてアクセルをガバっと開けてみた。もう、怒涛の加速である、一瞬、フロントが少し浮き気味になり、タコメータの針の上昇スピードが半端ない。

4000-5000rpm以上のエンジンのフィーリングはこれまでとは別物だ。演出ではないレーシングエンジンそのものの純粋なメカニカルノイズと排気音が響き渡る。気づけば一気に慣らしの制限値である7000rpmを指そうとしているので、アクセルをそこで緩めた。

いやはや、とんでもないクルマだ。

もっと踏めば何の躊躇もなく、9000rpmを目指して回り続けるだろう。
その後も、ところどころで5000-6000rpmを目安に適度にエンジンを回し、慣らしを続けていく。慣らしだからといって、コーナーもユルユルとだらしなく走るのではなく、ブレーキやサスペンションに適度な負荷をかけ、可動部やブッシュ類をなじませていく。

コーナーの出口で少し多めにアクセルを開けると、今まで安定一辺倒だったGT3は一瞬、牙をむく。リアを外に振り出そうとするのだ。私くらいの腕では全く扱いきれないが、いわゆる『デカ尻を振りながらコーナーで踊るポルシェのハイステップ』をやろうと思えば出来そうな感じだ。

空冷時代と比べ『現代のポルシェは操り甲斐が無い』とか、『安定しすぎている』等の声も聞くが、GT3はドライバーの腕次第でいかようにでも扱える楽しさを、今なお他よりも濃く受け継いでいるように感じる。

そうこうしている内に、西条市に入り、ここからは高速に乗り自宅を目指す。「瀬戸大橋を渡って山陽道で帰るべきか、それとも松山道~淡路島経由で帰るべきか」迷ったが、より交通量が少なく、走りやすいであろう後者を選択。

高速に乗ると、初日とは少しフィーリングが違って感じられた。オドメーターは1000kmを超え、かなり車全体にしなやかさが出てきた感がある。それにドライバーとしてもクルマに慣れてきて、思い通りに操作できるようになってきた点も大きいだろう。

途中、追い越したBMW523dが、煽ってくるわけではないが、道路は空いているにも関わらず執拗に後を追ってきた。こちらが加速すると、合わせてついてきて、緩めるとそれに合わせてくる。

クルマを見ようとしているのか、それとも加速力を比べようとしているのかは分からないが、近くで走るのは危険だし、だんだんと面倒になってきたので、慣らしも兼ねてちょっと500psの片鱗を見てみることにする。

シフトダウンすると、ブリッピングで爆音を撒き散らし、弾け飛ぶようにGT3は加速する。ほんの一瞬で後続車はバックミラーの中で小さくなっていく。当然ながらそれ以降は追ってこなくなった。

その後も加減速を適度に繰り返しながら、マクラーレン式慣らしの『一定の速度や負荷で長時間走行することは避ける』を忠実に守っていく。

明石海峡が見える頃には、燃料タンクも3/4を切ってきたので、ペースを落としてゆっくりと巡航する。高速を降りてから週末の観光客の帰省渋滞に少し捕まるが、クラッチも比較的軽く、ミートポイントもつかみやすいので何ら苦はない。むしろ極低速の発進停止の連続はボクスターよりも楽かもしれない。

ちなみに、GT3はエンストした場合、クラッチを踏んでも自動でエンジンは始動しない。これはアイドリングストップ機能がそもそも無いので、そういう制御システムが入っていないからだろう。

また、坂道発進のヒルスタートアシストはちゃんと動作するが、ボクスターのようにメーターパネル内に『HOLD』表示が出ないので、そもそも効いているのかどうかわからず、微妙な角度の坂では戸惑うことはある。細かい点だが、やはりボクスターの方が、日常での利便性という点では上だ。

ツーリングの走行距離、燃費など

無事、自宅のガレージに到着。少し斜めになっている駐車スペースだが、特にフロントリフトを使うこともなく駐車できる。

虫だらけになっているフロントマスクを軽く濡らしたウエスで拭き取る。今回はプロテクションフィルムを貼っているので、非常に取りやすい。こんなことならボクスターにも貼っておくべきだった。これから新車を買う方はぜひ、プロテクションフィルムをオススメしたい。

ギアをニュートラルに戻し、パーキングブレーキをかけ、少しエンジンのアイドリングをさせた後でエンジンを切る。今回の慣らしツーリングでのトリップ情報は以下の通りだ。

総走行距離:1,056km
総運転時間:19:36
総平均燃費:12.3L / 100km(約8.1km/L)
平均速度:57km/h

慣らし中は燃料消費が多くなると取説には記載があったが、思ったより燃費はいい。慣らしも終わり、もっと定速での走行をすれば10km/L近くいくのでは?と思う。

おそらく今週中には慣らしは終わるだろう。

さぁ、次はいよいよ9000rpmだ!

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