ツーリング記

ポルシェ911(992)で行く四国・九州ツーリング⑥(最終回)

宮崎から高千穂へ

ついに宮崎まで来た今回のツーリング、あとは帰路につくだけとなったが、その前に少し宮崎周辺を観光ドライブして帰ることにした。

しかし、朝からかなりの豪雨。カブリオレの幌はもはや撥水加工が追いつかないほど濡れている。雨に濡れないようドアを開けて素早く乗り込み、エンジンをかける。

宮崎市内を離れ、K355から中部グリーンロードへと駆け抜ける。かなりの雨で視界もよくない。911のメーターパネルではWETモードの選択を促してくる。ステアリングのモードスイッチを左に回し、WETモードに切り替える。

以前、豪雨の富士スピードウェイでWETモードの圧倒的なスタビリティと安心感は体験しているので、この機能の素晴らしさはよく分かっているつもりだ。しかし、タイヤの溝は当時より減っているので、ハイドロプレーンには気をつけながら、田園風景を駆け抜けた。

西都市を抜け、K40、そして尾鈴サンロードを北上。ここもコーナーが適度に多く、気持ち良い。もはや雨であることも忘れ、普通にドライブを楽しんでいる。

日向市を抜け、さらに北へ進み、一度は行ってみたかった高千穂地方へと911を走らせた。延岡市からR218で高千穂地方を目指す。いつもの退屈な2車線高速道路を走り、神話街道へと進む。途中の道の駅 青雲橋でランチを食べようとしたが、またまたレストランが閉まっている。

なぜか、今回はことごとく道の駅のレストランに縁がないようだ。

天岩戸神社へ参拝

諦めてそのまま先へと進み、天岩戸神社へ到着した。この頃には不思議と雨もほとんど止み、パラパラと降る程度になってきた。

911を降りて、まずは天岩戸神社の東本宮へとお参りする。大きな木々に囲まれた長い階段を上がると、厳かな雰囲気の社殿が現れる。ここは誰も他に参拝者はいなかったので、ゆっくりとお参りし、次に西本宮へと向かった。

この拝殿の裏に天岩戸はある

西本宮はあの天岩戸(洞窟)があるところだ。天岩戸自体は社殿の奥にあり、社殿からは見えない。当日は天岩戸を見るために30分に一回、宮司さんが社殿の裏に案内してくれる無料ツアーがあったので、それに参加してみることにした。

宮司さんの説明を聞きながら、社殿の裏に回ると、川を挟んだ向こう岸に、それはそれは巨大な天岩戸が見える。ここは撮影禁止なので、写真でお見せできないのが残念だが、想像以上に巨大な岩が大きな洞窟を塞いでおり、とても厳かな雰囲気で、空気がピンと張りつめている。

神話の史実はどうか分からないが、少なくとも普通じゃない空気感が漂っている場所であることは間違いない。

圧倒的な威厳とパワーを天岩戸から感じた後は、天安河原へと向かった。ここも神話で有名な場所であるが、河原を流れる水の綺麗さが印象的だった。そして、鳥居のある洞窟の周りには、人々が願い事を叶えてもらうために積んだ石が多く積まれていた。

一通り天岩戸神社を巡った後、911に乗り、再度、ルートを確認する。まだ時間はある。このまま高速を使って、ホテルを予約している下関まで帰るということもできるが、それでは面白くない。

なので、下道を多用し、阿蘇経由で帰ることにした。

再び阿蘇方面へ

初日に阿蘇周辺は通ったが、再度、通ることになった。R218を西へ進み、R265で北上する。豪快に駆け抜けるR265のこの区間はとても気持ちが良い。

そしてR57から、ミルクロードへと進む。少し道は荒れ気味だが、草原しかないこの景色はいつ来ても素晴らしい。ところどころで911を停めては写真を撮り、ゆっくりとツーリングを楽しむ。

そして、ミルクロードからやまなみハイウェイへと戻り、九州に来た日に走った道を逆に走ることになった。この日のやまなみハイウェイはなぜか、かなり空いており、走り放題。すばらしいワインディングを堪能していると、あっという間に湯布院に到着した。

下関から帰路へ

湯布院ICから高速に乗り、ここからは旅の疲れを癒やすかのようにゆっくりとクルージング。ほとんどACC任せで、景色を楽しみながら走る。

本州へ渡る直前のめかりPAで関門橋を眺めながら少し早めの夕食。そして、関門海峡をゆっくりと渡り、九州に分かれを告げる。そしてこの日は下関のホテルで一泊。

そして翌朝、早めに出発して中国自動車道を使って自宅のある兵庫県を目指す。

やはり中国自動車道は高速道路の中では好きな道のひとつだ。アップダウンあり、高速コーナーの連続ありと高速道路にしては飽きない。並行して走る山陽道より断然、中国道だ。

途中、かなり後方にパトカーらしき車両を発見。まだまだ十分にパトカーとの距離はあるが、慎重に走りながら、長い上り坂を超えて、次に下りに差し掛かったところ、急に後ろから赤色灯がバックミラーに現れた。

この赤い光にすぐさま反応できる特殊能力を持つ私は、電光石火の速さでレーンチェンジをして、一瞬で走行車線に戻る。

すると、パトカーは追い抜きざまにマイクで「ポルシェの運転手さん、ゆっくり走ってくださいね」と。私はそれに応える意味で窓越しに右手を上げ、警察官に敬礼。すると、鬼の加速でパトカーは駆け抜けていった。

しかし、あのパトカーは間違いなく飛ばしすぎだ。おそらく、あの距離を一瞬で詰めてくるということは、おそらく170-180km/hくらいは出していたのではないだろうか。

山口県周辺の中国道にはなかなか激しいパトカーが生息しているので、皆さんも安全運転で注意していただきたい。

その後も、安全運転で中国道を快走。昼過ぎには自宅に到着して6泊7日のグランドツーリングを終えた。

今回の総走行距離は2829km。燃費は途中で誤ってリセットしてしまったので正確なデータは不明だが、おそらく、10km/L程度だと思われる。

今回のルートマップ

(前回までのルートマップに付け加えています)

前回までの記事はこちら

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