ポルシェ・カイエン

新型ポルシェ カイエンに試乗してから、乗り心地に対する基準が変わってしまった話

新型カイエンの乗り心地の良さ

今年の9月に、ポルシェセンターで新型カイエンを試乗させてもらったとき、そのあまりの乗り心地の良さに夫婦ともどもかなり驚いた。私の中で乗り心地が良いのクルマの頂点にあったのは今までは「971パナメーラ」だったが(って乗ったことあるクルマの数自体めっちゃ少ないけど)、新型カイエンは、その何倍も乗り心地が良かった。

…というか、別格だった。

どう乗り心地が良いかというと「足回りは固いのに、とてもソフトでなめらか」といった感じで、地面の凹凸や衝撃を感じることがほぼなく、まるでレールの上をすーっ進んでいるかのようだった。かといって、ふわふわしているわけではなく、地面を掴んでいる感じがちゃんとある。

また後部座席の乗り心地もとても良かった。今まで「SUVの後部座席は、バスのように揺られる乗り心地」という印象があったが全くそんなことはなく、「ずっと後部座席に座ってロングツーリングに行くのも全然ありだ!」と思った。

新型カイエン(ベースモデル、バネサスのPASM無し)の乗り心地の良さに関して、カーグラフィックTVの試乗レビューで松任谷さんもこんな風におっしゃっていた。

これ、走り始めた瞬間、高級車なんですよ。こんな太いタイヤをはいてるとは思えないくらい、足元がしなやかで。ポルシェらしからぬと言っていいのかどうか分かんないけど、こんな高級に、こんな乗り心地よくしちゃっていいのかなという気もするんですよね。(中略)いやだって「エアサスだ」って騙されるってすごいなと…。不思議な気持ちなんですよ。ポルシェでしょ、エアサスじゃないんでしょ、なのにあの乗り心地ですよ。

あの松任谷さんがこんな風に言うくらいだから、やはり新型カイエンの乗り心地の良さは相当なのだろうな。

カイエンが、忘れられない

新型カイエンを試乗してからというもの、わが家では少し困ったことが起きている。「今まで乗り心地が良いと思っていたクルマですら、乗り心地が悪く感じてしまう」のだ。特に、今わが家にあるフォルクスワーゲンゴルフ7。とてもいい車であることには変わりないのだが、以前は「ゴルフがあればパナメーラはいらないんじゃない?」と思うこともあったのに、今では「あれ、こんなにガタガタしてたっけ?空気圧、変えた?」と感じてしまうようになった。

またパナメーラに関しても、乗り心地は決して悪くはないのに「やっぱりなめらかさがカイエンの比じゃないなぁ」とたまに思ってしまうことがある。こんなことなら、新型カイエンを試乗しなければ良かった。(…ってそれは違うか)

ふと先日、夫がこんな風に言っていた。

新型カイエンに乗って、あまりの乗り心地の良さに驚いてから、クルマの乗り心地に対する基準が大きく変わってしまったわ。今までは、「パナメーラとボクスターは乗り心地が全然違うし、カテゴリが全く違うクルマや」と思ってたけど、新型カイエンに乗ってからは「パナメーラもスポーツカー。ボクスターとカテゴリは同じやった」と感じるようになった。うまいたとえが見つからんのやけどな。

と。私が「例えば、500円の肉と2000円の肉って全然違うなーと今までは思ってたけど、1万円の肉食べたら、500円も2000円も一緒やん!みたいに思うようになったみたいな感じ?(ってそんな高い肉食べたこと無いけど)」と聞くと、

うぅーん、なんかその例えもよーわからんけど、そんな感じっちゃそんな感じ。

と言っていた(-_-)(ほんまか?)

あれ以来夫は、他のどのクルマに乗っても、どうしてもカイエンの乗り心地と比べてしまうらしく、カイエンが忘れられないそうだ。かといって、ゴルフをカイエンに買い変えるのは贅沢過ぎるしなぁ…。

と言いつつ、ゴルフが来年車検なので、来年の今頃のわが家はどうなっているか分からないけれども…。