タイカン4Sクロスツーリスモの納車から半月が経った。
近所を走ることがメインだが、時には往復約50km走って大阪に仕事に行ったもしながら、半月で500km以上走った。
タイカンの走りがすごいというのは、以前掲載した試乗レビューにも書いている通りではあるが、
改めて所有して毎日乗ってみると、タイカンの走りの性能と快適性のバランスの高さに、ただただ脱帽してしまっている。
ハンドルをそこまで切らなくても、自分が曲がりたいと思った分だけ曲がってくれるし(リアアクスステアリングがついているのもある)、アクセルペダルについても、1ミリか2ミリ程度しか踏んでいないのに(足に力を少し込めただけ)「加速したい」と思っただけで加速をしていく感覚。
乗り心地のなめらかさも、ポルシェの中では群を抜いていると思う。
表現が難しいのだが「ぬーん」と進むというか…(語彙力w)なんの摩擦もなく、なんの抵抗もなく、ただただ道路の上を滑っていくというか…以前試乗した時は、まるで磁石のN極とS極が引き合うように、路面にピタッと吸い付くように走ってくれると思ったが、そんな感覚。
接地感は半端なく、足回りや走りに関しても「ポルシェである」ことを運転するたびに実感できる。
これまで500km走ったが、近距離から中距離のドライブまで、全てのシーンで満足感が高い。
また、わが家の駐車場では、100Vの家庭用充電のみで毎日充電しているが、仕事や日常の買い物などで普通に使ってバッテリー残量が40%を下回ったことはなく、長距離を走らないのであれば全く持って不便がないのは意外だった。
まぁ長距離走るとなると難しいだろうなぁ…(充電関連についてはまた別途記事にしたい)
もちろん、リセールの面では良くないことは確かなのであるが、これだけ満足度の高い走りと快適性を毎日味わえるなら、全然いいじゃないか、とさえ思えている。
私はパナメーラは大好きだし、もともとパナメーラが好きだという理由でこのブログを始めたわけだし、今でもパナメーラの「走りと快適性の両立」は素晴らしいと思っているが、タイカンの走りと快適性の高さは、パナメーラよりも上だなぁと感じる。(グレードによって多少の違いはあるとは思うが)
「タイカンの走りは911に近く、快適性はパナメーラよりも高く、パナメーラがあと3〜5回ほどモデルチェンジしたら、こういう走りになるのかもしれないなぁ」と。
このブログでも何度も書いてきたが、パナメーラの走りと快適性は本当に素晴らしい。私の中では100点の車であり、素晴らしいことに一切変わりはない上で、タイカンはそれをはるかに超えるほどすごい。
どんな路面でも、どんな速度でも、乗り心地の質を落とさず、かつ、ポルシェの走りの楽しさを最大限に引き出してくれる。
高速道路に入る合流時の加速では、スピード感がほとんど感じられないほどの安定性と静粛性の高い加速性能。また、町中の発進時の加速や出だしでも、新幹線のような滑らかさと瞬発力があり、「こんな高性能の車なのに町中では力を発揮できない」というストレスは一切なく、どんな道でもポルシェ味を楽しめる。
快適性についても、普段車であまり寝ることのない10歳と7歳の子どもたちもタイカンの後部座席で結構寝てしまうことも多いほど。
まるで全ての道路を舗装工事したのかと思えるほどなめらかに走ってくれる。
硬い路面でも、タイカンはそのフラットさや快適性を失わない。
家族での移動や同乗者の快適性を極めて高く保ちながらも、ドライバーにはスポーツカーとしての満足感を提供してくれるという意味で、非常に満足度の高い車だと感じている。
これまで、EVに対しては、充電インフラや利便性の懸念から、あまり良い印象を持っていなかった。
所有することに対しても、「充電が面倒くさい手間」「実用性に欠ける」といったネガティブな見方が根強くあった。
しかし、タイカンを手にしたことで、そのイメージが大きく変わった。
運転の楽しさ、快適な乗り心地、そしていつどんな時もポルシェらしさを感じられる点において、私の中のEVに対する固定観念が打ち砕かれた車だ。
ポルシェは、EVにおいてもそのポルシェらしさ、ポルシェ味をしっかり貫いているし、加えて、ガソリン車では味わえない独特なドライブフィーリングも楽しい。
今後のマカンやボクスターといったEVモデルもとても楽しみになってきた。(ぜひ試乗してみたいなぁ)
でも一方で、タイカンの走りの良さが、まだ世間に浸透していないのはとてももったいないなぁとも感じている。(充電インフラやリセールといったマイナスな情報のほうが先行している気がする)
これからも、いちポルシェ乗りの視点で、日常使いに関する忌憚のない意見やレポートをブログにつづっていけるといいなと思う。