ポルシェ・タイカン

【ポルシェ タイカンを初試乗 】ポルシェ乗りの妻目線で感じたこと

タイカンターボ、試乗

先日、遅ればせながら、ポルシェのEVスポーツカーであるタイカンを初めて試乗させてもらった。タイカンの内覧会に行ったのが一昨年の冬なので、初めてタイカンをこの目で見てから、実に1年半越しの試乗となった。

詳細なレポートは、後日夫が書いてくれる予定なので、私は妻・女性目線で感じたことを感じたままに書ければと思う。

今回は、たまたま普段より少し長く試乗させて頂くことができたので、一般道だけではなく高速道路や上り坂、下り坂など、色々な道を走ることができた。

ちなみに、今回試乗させて頂いたのは、タイカンターボ。ボディカラーはフローズンベリーメタリックで、以前夫が街なかをちらっとだけ試乗させて頂いたのと同じ試乗車だ。

ポルシェ タイカンの第一印象

まず、タイカンを運転してみた第一印象は「992(ポルシェ911)に似ている!」だった。乗り心地は想像していたよりもかたく、足回りがしっかりしていて、ステアリングにも適度な重さがあり、ハンドリングの人馬一体感もポルシェそのもの。

タイカンは、見た目こそパナメーラに近いが、乗った感じは911に近い

という話は周囲からよく聞いていたが、実際に自分が運転してみて「本当にその通りだなぁ」と思った。途中、タイカンに乗っていることを一瞬忘れて「生粋のスポーツカーに乗っている」と思ってしまうほどだった。

かといって、乗り心地が悪いというわけでは決してなく、低速でもかたすぎるということは無い。あくまでも「見た目のイメージと実際の乗り心地にギャップがある」だけで、911のように街なかでも普通に快適に乗ることができる。

とはいえ、世の中の奥様の大半は、もっとなめらかでしっとりした乗り心地(パナメーラやカイエンのような)の方が好みだろうなぁと思う。

ちなみに、後部座席は大人が普通に座れるが、「ゆったり座れる」とまではいかない。身長178cmの夫が座ると、拳一個分の余裕はあるという感じだ。

運転のしやすさについては、パナメーラよりもしやすい印象を受けた。パナメーラのボディサイズはタイカンよりも若干大きく、巨体感を感じるが、タイカンは車幅などそこまで気を遣わずに運転することができた。

以前、タイカンを予約した人に送られてきたモデルカー。上がタイカン、下がパナメーラ。

これに関しては、私が以前はパナメーラ、現在はカイエンに乗らせてもらっていて、ボディサイズの大きい車の運転に比較的慣れているということもあるかもしれないが…

そうはいってもタイカンはさすがはポルシェ、ハンドリングが素晴らしく思ったとおりに運転ができるので、ボディサイズの大きさによる怖さはそんなに無いと思う。

EVカーとはいえ、走りの根底にあるのはまぎれもなくポルシェだった。

高速道路でのタイカンの走り

私がタイカンを運転させてもらって最も驚いたのが、高速道路での走りだ。今まで運転させてもらったクルマと比べると群を抜いて、超絶フラットで気持ちが良かった

ETCを過ぎて加速する段階から、まるで磁石のN極とS極が引き合うように、路面にピタッと吸い付くように走ってくれる。GT3で高速道路を走った時も、フラット感に驚いたが、それ以上にフラットだ。

高速道路の継ぎ目は、ガタっと音がするだけで振動はすぐにおさえられ、車線変更をする時も、どんな角度で入ってもリニアモーターカーのように(リニアモーターカー乗ったこと無いけど)、摩擦なくスーッと進んでくれる。

めっちゃすごいなぁ!めっちゃ気持ちいいやん!

と思わず何度も声に出してしまうほどだった。

夫は「ここまでフラットなのは、オプションでPDCC(ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム)がついているからというのが大きいやろなぁ」と言っていたが、このあたりについては夫が試乗記事で書いてくれると思う。

また、高速道路でACC(アダプティブ クルーズ コントロール)を使ってみたが、971パナメーラの頃のクルーズコントロールよりも賢くなっているように感じた。

以前のクルーズコントロールは、先行車がいなくなった途端急に加速したり、ブレーキも「あれ、まだ踏まないの?」と少し怖く感じる場面があったりしたが、タイカンの場合は、加速も減速もとてもなめらかでスムーズだった。

これなら、高速道路の運転に慣れていないという女性でも、安心して長距離を走れると思う。

また今回のタイカンには、ポルシェエレクトリックスポーツサウンドというオプションがついていたが、このサウンドがとても気持ちよかった。

なんとも表現が難しいのだが「クォーン」というか「ぽぉーん」というか…スター・ウォーズに出てくる宇宙船のような音というか…未来感のある音で、アクセルを踏みこむ感覚とのずれがなく、本当に気持ちが良かった。

あれは病みつきになりそうだ(笑)

走りに関しては言うことがないほど素晴らしかったが、あえてマイナスポイントをあげるとすると、センターコンソールやナビ周りの操作がしにくく、ナビも少し分かりにくかった。

センターコンソールのアイパッドのような画面も、触れるだけではなくカチっと音がするまで押すと反応するタイプなので「これなら、凹凸のあるボタンになっているほうが押しやすいなぁ」と思った。

まぁ、慣れれば問題なく操作できるのかな。

またディスプレイ関連で言うと、オプションで「パッセンジャーディスプレイ」を選ぶと、助手席側に10.9インチのタッチスクリーンが装備される。ここでも、車両の設定の変更やルート操作ができるそうだ。

ただ夫は、

これ、奥さんが助手席に乗る場合、この機能は使わへん気がするなぁ。テレビがうつるほうが嬉しいんちゃうかw

と言っていた(笑)

タイカン、奥さんもぜひ運転を

今回タイカンを試乗させてもらったが、「もし、ご家族やご夫婦で試乗に行かれる場合、奥さんにもぜひ運転してもらいたい」と思った。

助手席に乗っているだけでは、タイカンの魅力は伝わらない。運転席に座り、自分で運転してみて初めて分かることがたくさんあるし、ひとたび運転すればきっと感激すると思う。

ポルシェは、クルマに興味が無い人でも乗れば違いが分かるとよく言うが(実際私もそうだった)、今回のタイカンもまさにその通りだった。

じゃあ、タイカン、買うか!?」と聞かれると、わが家では今すぐに買うということは無さそうだけれど、将来日本での充電環境が今よりも整えば、ぜひ乗ってみたいなぁと思った。

試乗させていただき、有難うございました!