タイカンターボGTの衝撃 – 911を手放してまで所有したい魅力とは?(前編)

Taikan Turbo GT Weissach Package
Porsche Attraction

ポルシェタイカンターボGTが変えた、わが家のラインナップ

ポルシェタイカンターボGTヴァイザッハパッケージの登場は、わが家のガレージに予想外の変化をもたらした。

当初、このクルマは長く所有する予定ではなかった。フォーミュラEのセーフティカーにも採用される過激なマシンなら、サーキットや条件の揃ったワインディング主体の限定的な使用になり、乗りにくくて、日常で乗ることはほとんど出来ないだろうと想定していたからだ。

しかし実際に手にしてみると、この認識は完全に覆された。

Taikan Turbo GT Weissach Package

タイカンターボGTは日常での使用において驚くほど快適で、買い物や通勤といった普段使いでも全くストレスを感じない。むしろ、他のポルシェの乗り心地が悪すぎると感じるようになってしまった。それでいて、圧倒的な走りの楽しさを提供してくれる。このバランスに魅了され、当初の予定を変更して長期保有を決意したThe first is the "I" in "I".

だが、わが家のクルマ置き場にも限界がある。

現在のラインナップは981型ボクスターGTS、964型911カレラ2(空冷)、991型911カレラ4GTS、フェアレディZ NISMO、タイカンクロスツーリスモ4S、テスラモデル3となっている。どれかを手放す必要に迫られ、悩みに悩んだ末に下した決断は、「これだけはガチホする」と公言すらしていた991型911カレラ4GTSの売却It was.

991カレラ4GTS

タイカンターボGTと911 – 選択の理由

「タイカンが来たから911を手放す?頭がおかしいのでは?」—この反応は当然だろう。

私自身、他人の話なら同じことを思うはずだし、ポルシェからタイカン販促のキャンペーン報酬でも、もらっているのではないかと疑われても仕方ない。(一切そういうことはない)

それほど自分でも、普通ならありえない決断だということは理解している。

そして、なぜ、991型911カレラ4GTSなのか?

最大の理由はタイカンターボGTとの役割の重複だ。両者は全く異なるクルマではあるものの、4WDという共通点があり、しっかりとした走行フィーリングという意味では似通った要素がある。所有クルマの中で最も機能的、フィーリング的に被る割合が高いという分析から、この決断に至った。

タイカンターボGTの素晴らしさは、他のタイカンモデルとも一線を画している。

そのドライビングフィーリングは、992型の911をはるかに凌駕する。GT3以上のモデルを持ってこないと、足元にも及ばない差がある。いや、GT3以上でもその快適性や、日常域での気持ちよさという観点で圧倒的にタイカンターボGTの勝ちだと思う。もはや、911と比較すると、そのパフォーマンスギャップは圧倒的だ。もし、目隠しして乗れば、ほとんどの人がタイカンターボGTを911だと感じるほど、運動性能と楽しさのレベルが違う。

圧倒的な走行性能とその本質

タイカンターボGTの走りの特性は、単なるパワーだけでは説明できない。

足回りのフィーリングが完全にGTシリーズの系譜を引いており、GT3やGT4に近い緻密さを持つ。緩みのないハンドリングは、大きなゴーカートに乗っているような感覚だ。かつて所有していたマクラーレン650Sにも似た、低重心で一体感のある動きを示す。

この特性は高速走行だけでなく、街中の低速域でも明確に感じられる。40〜60km/hの一般道での車線変更でさえ、その緻密な動きは顕著だ。人間の入力に対して1.5倍の反応を返すようなスーパーカーとは異なり、1の入力に対し、1の反応で正確に応答する。そして、その挙動は反復横跳びでもしているのかと思うほど、真横に瞬間移動する。この精密さがドライビングの気持ち良さを生み出している。

Taikan Turbo GT Weissach Package

乗り心地も特筆すべき点だ。

非常に引き締まった足回りでありながら、一切の揺れを感じさせない。どんな路面状況でも目線が上下左右に揺れることなく、全く首が動かない安定感がある。硬いレーシングカーのような設定なのに、ボディが揺れることがほとんどない。この特性により、長距離走行でも疲労を感じにくく、街中の低速走行でも快適性を損なわない。これはアクティブライドのお陰である。

高速道路では無双感さえ覚える。あまりに余裕が有り過ぎて、あえてパフォーマンスを引き出そうという気にならないほどだ。王者の風格とでも言うべき余裕を感じさせる走りができる。アクセルを踏めば、スポーツモードなど必要とせず、ノーマルモードだけで水が流れるように車線変更し、一瞬で前のクルマを追い抜くことができる。

▼後編では「EVパワートレインの真価」「サウンド&ブレーキの完成度」「価値観を変えるクルマ」へ続きます!

タイカンターボGTの衝撃 – 911を手放してまで所有したい魅力とは?(後編)

Hiro

I am Mina's husband. We don't drive cars for fashion or status symbols. We like cars that are fun to drive, are good industrial products, and have a sense of the maker's intention...

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  1. Pyon

    フェアレディZとは悩まれなかったのですか?

    • HiroHiro

      Pyonさん、こんにちは

      フェアレディZとは悩まなかったです。
      理由は、ターボGTとは性質や走行感覚がかなり違い、被る点が少ないからです。
      あと、まだ買ったばかりというのもあります(笑)