ポルシェ718ボクスター・ケイマンは本当に終売か?EV版との併売はあるのか最新情報を徹底調査

ポルシェ・ボクスター

ここ最近、718の生産枠が取れたという話や、新車が納車されたという話をよく聞く。
そんな中、ポルシェ718シリーズの将来について、さまざまな憶測が飛び交っている。ガソリンエンジン版は本当に終売するのか。それとも次期EV版と併売される可能性はあるのか。海外メディアの最新報道とポルシェ関係者の発言を基に、現時点で判明している事実を整理してみた。

結論から言えば、現時点の情報ではガソリンエンジン版の718ボクスター/ケイマンは2025年10月に生産終了となる説が濃厚だ。これは複数の信頼できる情報源から確認された事実だ。一方で、次期EV版の具体的な発売時期はまだ確定しておらず、開発の遅れも報じられている。併売の可能性については公式な発表はないものの、完全移行が示唆されている。

2025年10月、ガソリンエンジン版の生産終了が確定

ポルシェ・ケイマンT

2025年5月22日、Car and DriverとMotor1が相次いで重要な報道を行った。

ポルシェの生産担当責任者アルブレヒト・ライモルド氏がドイツの自動車専門誌Automobilwocheのインタビューで、718シリーズのガソリンエンジン版生産を2025年10月に終了すると明言したのだ。この発言は、ポルシェ北米の広報担当フランク・ヴィースマン氏によっても確認されている。

興味深いのは、この決定が単なる噂や推測ではなく、ポルシェの公式見解として複数のルートから確認されている点だ。
CarBuzzも翌5月23日に同様の報道を行い、Porsche Club of Americaも2024年9月の時点で「2025年秋の生産終了」を予測していた。これらの情報の一致は、決定の確実性を物語っている。

ただし、地域によって状況は異なる。ヨーロッパでは2024年7月から新しいサイバーセキュリティ規制により、すでにガソリン版718の販売が停止されている。一方、北米や日本を含むその他の地域では、2025年10月まで販売(生産)が継続される見込みだ。つまり、私たち日本のポルシェファンにとっては、あと数ヶ月程でガソリンエンジンの718とお別れすることになる。

次期EV版の開発状況と発売時期の不透明さ

次期718がEV版として登場することは、ポルシェCEOオリバー・ブルーム氏が2023年のメディアラウンドテーブルで明言している。当初は2025年頃の発売が計画されていたが、最新の情報では状況が変わってきているようだ。

Motor1が2024年12月18日に報じたところによると、EV版718の開発においてバッテリー関連の課題が生じており、発売が遅れる可能性があるという。ブルーム氏も2025年の年次総会で、EV版の発売時期を「中期」という曖昧な表現にとどめており、具体的な日程への言及を避けている。この慎重な姿勢は、開発の難しさを示唆しているのかもしれない。

海外メディアの予測も分かれている。Car and Driverは2027年モデルとしてのデビューを予想する一方、Motor Authorityは2026年モデルとしての市場投入を見込んでいる。いずれにせよ、ガソリン版の生産終了から次期EV版の発売まで、ある程度の空白期間が生じる可能性が高そうだ。

開発の遅れについては、単なる技術的な問題だけでなく、市場の反応を慎重に見極めている可能性もある。ポルシェにとって718シリーズは、911に次ぐ重要なスポーツカーラインナップ。その電動化は、ブランドの将来を左右する重大な決断となるだろう。

併売の可能性は低い?完全移行への道筋

富士スピードウェイでの718ケイマンT

多くのポルシェファンが気になるのは、ガソリン版とEV版が併売される可能性だろう。しかし、現時点で入手できる情報を総合すると、その可能性は低いと言わざるを得ない。

Motor Authorityが2023年7月12日に報じたところによると、718シリーズは次世代で「電気専用」になるという。これは、ガソリン版との併売を想定していないことを示唆している。また、複数のメディアが「ガソリン版の生産終了後にEV版が導入される」という表現を使っており、同時期の併売については言及していない。

確かに、フランスのAuto-Motoは2024年12月の記事で、ガソリン版がEV版と「しばらく」並行販売される可能性に触れている。しかし、これはあくまで推測の域を出ず、ポルシェからの公式な発表や確認は得られていない。むしろ、生産設備の効率性や開発リソースの集中を考えれば、完全移行の方が合理的だろう。

ポルシェは911においては、ハイブリッド版を追加しながらも純ガソリンエンジン版を継続している。しかし、718シリーズについては異なる戦略を取るようだ。これは、718がポルシェのEV戦略における重要な試金石として位置づけられているからかもしれない。

ポルシェファンが今考えるべきこと

718ケイマンのメーター

現在の状況を整理すると、ガソリンエンジンの718を新車で購入できる期間は、あと数ヶ月程度ということになる。2025年10月の生産終了が確定している以上、それまでに注文を完了させる必要がある。実際の納車時期を考慮すると、決断の時間はさらに限られるだろう。

一方で、次期EV版への期待も高まっている。ポルシェの電動化技術は、タイカンで実証済みだ。軽量でコンパクトな718のボディに、最新の電動パワートレインが組み合わされれば、これまでとは異なる走りの楽しさが生まれると個人的には予想する。

中古市場への影響も考慮すべきだろう。ガソリンエンジン版の生産終了が確定したことで、現行718の中古価格が今後どう推移するか注目される。最後の内燃機関718として、将来的に希少価値が生まれる可能性もある。

718シリーズの電動化は、単なるモデルチェンジではない。ポルシェというブランドが、新しい時代にどう適応していくかを示す重要な一歩となるだろう。その意味で、今回の決定は水冷化やターボ化などと同様、歴史的な瞬間と言えるかもしれない。

結局のところ、ガソリンエンジンの718は確実に終売となり、EV版との併売の可能性は極めて低い。これが現時点で判明している事実だ。ポルシェファンとしては、この変化をどう受け止め、どう向き合うか。それぞれが答えを見つける時が来ている。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。 運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを...

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  • コメント ( 1 )

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  1. サカイ

    お疲れ様です。

    EVケイマン・ボクスター大いにありではないでしょうか。
    タイカンがコケている?状況で手が出しやすいサイズ感と価格ならば大ヒットもありそうですが。
    少し期待しています。