多くの人が、パナメーラよりSクラスを選ぶ5つの理由とは?

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レビュー・試乗記
パナメーラvsSクラス

ある日ふと思った。「パナメーラはこんなにいい車なのに、なぜ多くの人が、同じ車格のメルセデス・ベンツSクラスを買うのだろう」と。

先日、モータージャーナリストの岡崎五朗さんのTV番組に、ポルシェ・ジャパンの七五三木社長が出演されていた際「新型パナメーラの販売が好調です」とおっしゃっていたので、970に比べると、971になった方がパナメーラの人気が出てきているのかもしれない。とはいえ、街中では、Sクラスを見かけることの方が圧倒的に多いし、私の感覚では「Sクラス15台に対して、パナメーラ1台くらいか…」と思っていたのだが、調べてみると「メルセデス・ベンツとポルシェの販売台数」についてのこのようなデータがあった。

2016年、メルセデス・ベンツの世界新車販売台数は、6年連続で年間販売の記録を更新する222万8367台。一方で、2016年ポルシェの年間販売台数は、23万7778台で過去最高。

えぇ〜!!!桁が一個違うのぉー(;゚Д゚)!?

パナメーラに限らず、そら街中でポルシェをあまり見かけないわけだ。メルセデス・ベンツSクラス、ポルシェ・パナメーラのそれぞれの販売台数までは調べていないのだが、単純に考えて「世の中に出回っているメルセデス・ベンツとポルシェの台数には10倍の差がある」ということだ。

パナメーラではなくSクラスを買う5つの理由

販売台数の桁が1つ違うことがわかったところで、なぜ多くの人が、パナメーラではなくSクラスを買うのか、自分なりに考えてみた。といっても、私はモータージャーナリストやプロの評論家ではないので、あくまでもポルシェが好きで車の構造にはあまり詳しくない私(なんじゃそりゃ)が考えた見解ではある。

①知名度(認知度)
「昔はメルセデス・ベンツ=成功者が手にする車というイメージがあって、みんなの憧れだった」という話は、色々なところで耳にする。また以前は、Aクラス・Bクラスというコンパクトなモデルはなく、セダンが主流だったことを考えると、今でも「メルセデス・ベンツのSクラス」はステータスであり、成功者の証として分かりやすい車なのだと思う。

一方パナメーラは、2009年に製造が開始された、ポルシェの中でも比較的新しい車種で、認知度はかなり低い。私も以前パナメーラの話をしたとき「え、プリメーラ?」と聞き返されたことがあるが、やはりあまり世間では知られていないのだなと思った。

②目に触れる回数の違い
知名度と似通った理由かも知れないけれど…よく広告やCMの世界でも言われていることだが「接触回数が多いほうが、その商品やサービスに対して好感を抱くようになる」という単純接触効果というものがある。だから、なんだかよく知らないし、情報量の少ないパナメーラという車よりも、街なかでよく見かけるSクラスのほうがいいなぁという気持ちになるのかなと思う。

③「ラグジュアリーな乗り心地」重視
Sクラスに乗っている人の中には、お抱え運転手が運転をし、自分は後部座席に座って移動するというパターンがちらほら見かける。Sクラスは後部座席のシートもゆったりしていて、ソファに座って移動しているような快適さがあるので、自分が乗るのはもちろん、大事なVIP顧客を乗せる車としても最高なのだろうと思う。

一方パナメーラは、ラグジュアリーセダンと言われSクラスとよく比較されるが、私は比較対象としては全く異なるものだと感じている。ポルシェはあくまでもスポーツカーメーカーだ。スポーツカーとして開発され、そこにラグジュアリーな乗り味が加わっただけで、基本はスポーツカー。だから、後部座席は1つ1つが独立したスポーティなシートになっているし、限りなくラグジュアリーであるけれども、Sクラスより足回りは固めだ。

そう考えると、世の中には「ラグジュアリーさと走りの楽しさの両方を重視する人」よりは「ラグジュアリーを重視する人」の方が圧倒的に多いので、結果的にSクラスの方が選ばれるのかなと思う。

④納車までの期間の違い
ポルシェはほぼ受注生産なので、注文から納車までに時間がかかることで有名だ。わが家が新型パナメーラを注文したときにも「納車まで早くて半年、恐らく10ヶ月待ち」と言われた。各ディーラーへの台数の割り当てが決まっており、またポルシェの工場は夏場は1ヶ月半ほど休むので、速く欲しくてもお客は待つしか無い。「できるだけはやくラグジュアリーセダンが欲しい」という人は、Sクラスにするほうがすぐに手に入るからいいと思う。

⑤ポルシェは値引きをしない
他ディーラーに行くと「今月決めてもらえたら、●●万円お安くしますんで!」と言われることがよくある。実際BMWに行った時も、値引きした価格で提示してもらった。でもポルシェの場合は、ほぼ値引きしてくれない。営業の方も「値引きします!という営業手法が使えないので、通常のような売り方はできない」とおっしゃっていた。

ポルシェには、どこまでもポルシェであり続けてほしい。

とはいえ「Sクラスを買うなら、もっと多くの人がパナメーラ買ってもいいのに!」とは思うけれど、実際ポルシェが素晴らしい車を創り続けられるのは、需要と供給のバランスを考慮した生産・販売戦略を実行することで、高利益体質を保っているからだ。

薄利多売ではなく、高利益体質だからこそ、技術開発に投資でき、さらに良い車を作ることができる。(ポルシェの2017年の一台あたりの利益は、194万円、BMWは56万円、トヨタ21万円、スバルは36万円とのこと。ちなみにフェラーリは1200万円)

だから、パナメーラがSクラスみたいに売れればいいのに…!とは思わないけれど、でも世間ではパナメーラはあまり知られていないので、もっとパナメーラの素晴らしさが、世間に認知されてもいいのになぁと思う今日この頃である。

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