ポルシェ718の次期モデルは内燃機関モデルも継続というニュースに思うこと
公開日:2025.09.27

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ポルシェ718の電動化計画が大幅変更
ポルシェが718シリーズの次世代モデルについて、当初の完全電動化計画を見直すことを発表した。
2022年に宣言していた「718シリーズの完全EV化」から一転、内燃機関モデルと電気自動車モデルの両方を展開する方針に転換したのだ。この決定は、自動車業界全体で電動化の計画とタイムラインが再評価されている現在の状況を如実に反映している。
現行世代の982型ボクスターやケイマンを「最後の内燃機関搭載モデル」と考えて慌てて購入する必要はなくなった。シュトゥットガルトのスポーツカーメーカーは、ミッドシップレイアウトと水平対向6気筒エンジンを組み合わせたモデルを、今後も継続して提供する方針に転換したからだ。

ケイマン(987)と718ケイマンT
市場が求めるのはガソリンエンジンの魅力
この方針転換の背景には、明確な市場の声がある。ポルシェのようなスポーツカーを求める層は、電気よりもガソリンエンジンのクルマを欲しているということが、ポルシェとしても明確に理解できたのだろう。実際に周囲を見渡してみると、EVの方が絶対的にフィーリングは気持ちいいにも関わらず、「とりあえずエンジン車が欲しい」「最後の6気筒が欲しい」「価値が落ちないから」といった理由で購入する人が多い。
この心理は理解できる部分もある。
しかし、本当にエンジン車が好きな人は、もうこの時代の内燃機関車を買わないのではないだろうか。環境規制や騒音規制によって、現代のエンジン車はかなり牙を抜かれた存在になっているからだ。
現代エンジン車の抱える根本的問題
最近のエンジン車で特に気になるのは、ノーマルモードがあまりにもエコに寄りすぎていることだ。街中で俊敏に動けない状況が頻発し、俊敏に動こうとすればエンジンを唸らせることになってしまう。ドライバビリティが大幅に犠牲になっているクルマが非常に多いのが現状だ。このような状況を考えると、中途半端にエンジン車やハイブリッドを出すのではなく、いっそのことEVに完全移行してほしいというのが個人的な思いである。
本当にエンジン車を楽しみたいのであれば、ポルシェには過去に名車と呼ばれるクルマが数多く存在する。そちらのエンジン性能やフィーリングを味わう方が、現在のエンジン車よりもはるかに優れた経験を得られるはずだ。

981ボクスターGTS
真の狙いはマーケティング戦略か
今回の718でガソリンエンジン車も継続するという発表は、あくまでもマーケティング的な戦略である可能性が高い。
本当にポルシェが作りたいものなのかという点については疑問が残る。ポルシェの決定は、多くの自動車メーカーが電気自動車と内燃機関車の製品ミックスや電動化のタイムラインを再評価している現在の状況と完全に一致している。
この「戦略的再調整」は、急速に変化する自動車市場において、ポルシェが長期的な成功を確保するための現実的な対応と見ることができる。しかし、真にエンジンを愛する者として言えるのは、現代の規制に縛られた中途半端なエンジン車よりも、完全にEVに振り切るか、過去の名車でエンジンの真髄を味わうかの二択の方が、より純粋で満足度の高い選択になるのではないかと個人的には思う。
さて、次期718のエンジン車がどんな形ででてくるのだろうか?そしてEV版には、どんな評価を下されるのだろうか?
今からとても楽しみである。
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