買ったばかりのポルシェ911が故障!PADM故障のエラーについて

カレラ4GTSの運転席
ポルシェの維持費

PADM故障のエラー

先日、ツイッターのスペースでも話をしたが、先日購入した991前期のカレラ4GTSを運転していて、ふと気づくとメーターパネルにPADMのエラー表示が出ていた。

PADM故障エラー

エラーは白色の表示(黄色のパターンもあるようだ)なので、走行には問題なく、普通に走る分には特に問題はない。

私が各種SNS等を調査したところによると、このPADM故障のエラーというのは定番の故障の一つのようだ。981系に特に多いようで、続いて991、718でも起こっている。また、海外の事例を調べると、数は少ないが992でも起こっている人がいるようだ。

991を買う時点でこのPADMエラーの話は知っていたので、いつか故障するのでは?と覚悟はしていたが、まさかこんなに早く故障するとは思わなかった。

今回、このPADM故障について調べたことをまとめてみたいと思う。

PADMとは

PADMとはスポーツクロノパッケージ装着車に装備されている電子制御のエンジンマウントのことで、『Porsche Active Drivetrain Mount』の略になる。

PADM

911のダイナミックエンジンマウント

エンジンマウントとは、エンジンの振動を直接ボディに伝えないために振動吸収を担う部品なので、柔らかいほど振動吸収してくれるので乗り心地は良くなるが、その分、エンジンからの駆動力も一部吸収され逃げてしまうのでレスポンスや操縦性は悪くなる。

反対に硬ければ、レスポンスはよくなるが、乗り心地は悪くなるのだ。

PADMは電子制御でマウントの硬さを可変にし、乗り心地とレスポンスの両立を目指そうとする仕組みになる。

具体的には、常に磁性体に電気を流してエンジンマウントの硬さを可変的に調整している。通常はエンジン回転数などのパラメータに応じて制御しており、カーブでエンジンの荷重が片寄ったりすると、片寄ったほうを硬くして操縦性を高めたり、スポーツプラスモードなどでは最大限に硬くして車両の運動性能を上げているそうだ。

現にスポーツクロノパッケージ付きのポルシェでスポーツプラスモードにすると、グッと車体が引き締まったような感覚になり、車両全体のレスポンスが良くなった経験がある人なら分かると思うが、あの効果はPADMも寄与しているのだ。

ちなみに今回は故障するという稀な機会だったので、スポーツプラスにして何度も実験してみたが、正常な時と比べるとクルマの変化の量が少ない。シフト制御の変更やエンジン自体のパワー感は上がるが、あのボディが引き締まったような感覚はほとんど分からなくなるので、思いの外、PADMの効果は高そうだ。

PADM故障修理の費用は?

このPADMだが、そもそも部品代がかなり高く、記事執筆時点で片一方で約22万円ほどになる。通常、このように左右にある部品は両方変えることが多いので、部品代だけで約44万円程になるのだ。

これに工賃が発生するので、ディーラーにもよると思うが、私が確認した情報では片一方の交換で部品代込で約30万円ほど。両方交換で約50万円ほどの費用になる。

911のPADM

991のエンジンマウント

ボクスター/ケイマンのエンジンマウント

ボクスター/ケイマン(981)のエンジンマウント。ミッションのマウントも兼ねている。

このように、とても高い修理費用になるので、中には中古部品で代用したり、スポーツクロノパッケージ付きの車両にもかかわらず、通常のエンジンマウント(スポーツクロノパッケージ未装着車用)のものに交換し、コンピューターがエラーを出さないようにディーラー以外の修理工場でコーディングをする方もいらっしゃるようだ。ちなみに、通常のエンジンマウントだと部品代は5~6万円程度だそうだ。

しかし、せっかくのスポーツクロノパッケージの車両の醍醐味でもあるPADMという素晴らしい機能を殺してしまうのは個人的にはとても惜しいと思う。また、いつかその車両を手放す時になった場合、次のオーナーは知らずに通常マウントの個体を手に入れてしまう可能性がある。何とも悲しいことではないか。

ポルシェの中古は保証は大事

今回、私のクルマの場合は、中古車だが購入店の保証期間内だったため、無償での修理となった。

中古車の保証となると、細かい条件等があり、保証適用するのを渋られるみたいな話をよく聞いていたので、あまり良いイメージがなかった。

しかし、私が車両を購入したユニバース名古屋さんはとても対応が良く、電話で故障の件を伝えると丁重な謝罪の上、「すぐに近隣のユニバースか、お近くのポルシェディーラーで修理を受けてください。」と言ってもらえた。そして、「ディーラーの担当者さんから、こちらに修理のお見積もりを送ってもらってください。費用はこちらで負担します。」と気持ちよく対応していただいた。

あまりにも神対応だったので、今回、ブログでも紹介させていただいた次第だ。(私がブログを書いていることは一切言ってないので、特別対応ではないことは断言しておく)

ポルシェディーラー

もし保証がなかったことを考えると、かなりの出費になるところだった。

ポルシェで少し大きな故障が出た場合は、数十万の修理費用はザラである。なので、ポルシェの中古を購入する時は認定中古車や、保証のしっかりしたお店から購入されることをオススメする。

また、ディーラー以外のお店で購入した既に保証の切れた中古車であっても、所定の条件を満たせば、ポルシェディーラーにて再度、延長保証に入ることが可能だ。(ただし名義変更後、三ヶ月間は入れないので注意)

私は今後はポルシェの延長保証に入る予定だ。911で二年間のコースだと約28万円ほどかかるが、年間14万円、月に1万円と少しならポルシェの修理費用からすれば安い方だし、何よりも精神的に安心してクルマに乗れるメリットは大きいと思う。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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  • コメント ( 2 )

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  1. Ray

    This PADM is the most useless part in Porsche cars. I was once told by Porsche Center that this part is like a light bulb, meaning it can burst any time. It was such a bad answer!!! I called Porsche Japan but they refused to answer me. If you read Planet 9, Rennlist and other Porsche forum, you will know so many people had this problem and Porsche refused to admit this fault for so many years, even until now. Although I love Porsche so much, I know they never want to admit anything whenever there is a problem. Only God can save us 🙂 I enjoyed your writing every time. Please keep it up!

    • HiroHiro

      I agree that PADM is like a light bulb. Haha.
      I hope PORSCHE develop the countermeasure parts someday.
      Thank you for reading this blog!

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