ポルシェ、ラストWEC

今日からWECを見に、富士スピードウェイに来ている。正確にいうと、今日は予選なので、明日の決勝レースを見るために前のりした。WECは、FIA世界耐久選手権の略称で、耐久レースの世界選手権の１つだ。このレースに、ポルシェが参戦するのが今回が最後だということで「これは見に行かねば」と前々から予定していた。

というわけで今日は、朝5時に起きてバタバタと準備をし、先日納車されたばかりのパナメーラターボに乗り込み、娘たちを実家に預け、私たち夫婦はそのまま一路東へ。

まずは、箱根ターンパイクへと向かった。

パナメーラと雨

箱根ターンパイクは「カーグラフィックTVの収録が行われている道」なので何度も見たことがあり、一度は走って見たいと思っていたが、気になるのはお天気。現地についてしばらくはなんとか天気も持ちこたえてくれていたが、だんだん空模様があやしくなり…

ほどなくして霧が立ち込めて来た。頂上につく頃には、この有様。

わー富士山どころか何もみえん…

いつもは、土曜日ともなれば、走り好きな人たちや車でいっぱいな駐車場も、ご覧の通りガラガラだった。

夫に、

「なんでよりによって大雨で濃霧なん！なんかMinaちゃんがついてくると、毎回変なことが起こる」

と言われた。確かに。自動販売機でお金を入れてボタンを押してもジュースが出てこなかったり、みんなは問題なくインストールできるソフトを、私がやるとなぜかエラーが出てできないことはよくある。だから、変なことが起こるのは否定できない。

パナメーラで走行

と、気を取り直して、ここで運転を夫から私にかわり、霧の中いざ出発！

はじめて山道をパナメーラターボで運転して、1番に感じたことは「ハンドリングの正確さ」だ。以前の970パナメーラエディションも「1ミリのズレもないハンドリングだ」と感じていたが、今回のパナメーラターボは、「0.1ミリのズレもない」という感覚。ハンドルを切った分、自分が思い描いたように、切り込むように曲がる。まるで、車と一体になったようにさえ感じる。

まさに、人馬一体だ。

また、山道の連続カーブをぐいぐい曲がっても、ロールが少ない。まるでスキーをしているかのように、すいすいと曲がってくれる。長さ5メートル、重さ2トンを超える巨体感など微塵も感じない。まるで小回りのきくスポーツカーを運転しているようだった。

夫も『ボクスターを運転しているかのようだ』と感激していた。

ただこんなにこまわりがきく要因は、『リアアクスルステアリングのオプションをつけたから』かもしれない。通常であれば、ハンドルをきっても前のタイヤしか曲がらないが、後ろのタイヤも曲がることで、よりスムーズに小回りがきくようになっていると思う。だから、こんなに大きな車なのに、急カーブも曲がりやすいし、駐車もめちゃくちゃやりやすい。

パナメーラターボ、本当にすごい車だ。

パナメーラの凄さ

またハンドリングに加え、ブレーキも素晴らしい。ブレーキペダルを踏めば、いっさいの遊びもなく、ぐっと地面をとらえて確実に減速してくれる。怖さや、急ブレーキ感はまるでない。そういや、モータージャーナリストの岡崎五郎さんも「ブレーキが気持ちいい」と言っていた。そんな話をしているときに夫が、

「ポルシェのブレーキはすごいから、もし万が一対向車とぶつかりそうになったりした時は、ハンドルで避けようとせずに、ブレーキを思いっきり踏み込むんや。その後落ち着いてハンドルでよけたらいい。 焦ってハンドルでよけると、大事故になったりするからな」

と言っていた、まさにその時だった。

なんと、3匹の鹿が、急に道路に飛び出て来たのだ！！！！！

（写真はイメージです）

わぁー！！！

とっさにブレーキを奥まで踏み込んだところ、パナメーラはその場でぐっと止まってくれた。そして鹿は、何事もなかったかのように、私たちの前を横切っていった。

いやいや、鹿がでてくるとか、聞いてへんし（標識はあったけど）

思わず心臓が止まりそうになり、変な汗が一気に出た。それにしても、新車のパナメーラで鹿をはねるなんてことがなくて、本当によかった。夫は、

「そうそう、今みたいな感じ！でもまだ躊躇してたからもっと思いっきり踏み込んだらええ！それにしても何回もここ来てるけど、鹿がでて来たことなんて一回もないで(-_-)」

と…返す言葉もない。鹿の出現により私の体力は一気に消耗され、ほどなくして体力がなくなりゲームオーバー。その後夫と運転を交代した。明日はくれぐれも、変なことが起きませんように。