ポルシェ911で行く秋のツーリング。信州・能登・飛騨・美濃を巡る旅(2)

秋のツーリング
ツーリング記

前回の、ポルシェ911で行く秋のツーリング。信州・能登・飛騨・美濃を巡る旅(1)につづき、続編をお届けしたい。

白山白川郷ホワイトロード

3日目の朝、ツーリングマップルで今日のルートを確認する。

紅葉シーズンのど真ん中なので、白山白川郷ホワイトロードに行くべきか、かなり迷ったのだが、平日で朝も早いということもあり、そこまで混んでないだろうとの予想のもと行くことにした。

快走のR360を南下し、ホワイトロードへと911を進める。料金所を入った瞬間から、素晴らしい一面の紅葉が出迎えてくれる。とはいえ、紅葉狩りで来ているわけではない。走りに来ているので目の保養もそこそこに、スポーツモードをON。911にムチを入れる。

白山白川郷ホワイトロード

白山白川郷ホワイトロード

白山白川郷ホワイトロードを走るポルシェ

けたたましい咆哮が谷に鳴り響き、つづら折りのワインディングを駆け上がる。

途中、途中の待避所で停まりながら、丁寧にホワイトロードを堪能する。ちなみにこのホワイトロードは急カーブ急勾配が多く危険なため二輪車の通行が禁止だそうだが、ここより急カーブ急勾配な所は他にも山ほどある。全く日本の交通ルールの二輪車蔑視は甚だしい。

さすがに平日といえども、観光のクルマはチラホラと走っているので、ペースはどうしても遅くなる。願わくば、今度はオフシーズンの平日にもう一度走りたい道だ。

白川郷からR158

山を越え、白川郷に入る。駐車場の車内で仕事のWeb会議を一つ済ませ、少し村内を観光する。ここは何度も来ているが、毎回、合掌造りの家屋が少なくなっているような気がする。

やはり維持していくのは大変なのだろう。

白川郷

白川郷

白川郷を後にして、R156を南下、そしてR158へと入る。このR158が絶品の快走路である。東海北陸自動車道と並行しているので、わざわざ国道を走るクルマは少なく、貸し切り状態に近い。途中のそばの里 荘川で昼食を取り、今度は北上する。

途中でふと目に留まる紅葉の綺麗な神社が目に留まった。後続車が居ないことを確認して、急減速し立ち寄ることにした。上小鳥八幡神社というとても小さく、古そうな神社だが、何やら私にはとても惹かれるものがあった。

ポルシェ911 カレラ4GTS

境内にクルマを停めて撮影し、その御礼のお参りをしようと本堂の方へ進む。階段を下り小さな橋のような所を越えた辺りから、ただならぬ空気の緊張感を感じる。私は決して霊感は強くないし、宗教的な興味は一切ないが、張りつめたピリッとした空気感をハッキリと感じた。たまにパワースポットと言われるような場所に行くと、同じような気を感じることがあるが、ここも凄いパワーを感じたところだった。

お参りしてツーリングの無事を祈り、神社を後にする。

その後、せせらぎ街道に行ってみようと思い、911を進めるも、よく考えたら去年、GT3でも通った道であることをすっかりと忘れていた。

ポルシェ911 カレラ4GTS

せせらぎ街道は川沿いを走る名道で、日本の百名道にも選ばれるほどの道である。確かに広く走りやすく、景色も良い。特に紅葉シーズンは最高ではあるが、その分、この時期は特に交通量が多い。しかもほとんどの区間は追い抜き禁止で、退屈この上ないドライブを強いられるので、走り目的のツーリングなら避けた方が良いだろう。

R256からK91 サラサドウダン街道へ

一気に郡上八幡まで下りて、R256を西進する。途中、タラガ峠なる面白そうな旧道を見つけたので、興味本位で走ってみることにした。新たにできたトンネルを通らず旧道へ入ろうとすると、道に作業中の軽トラが停まっていた。

何とか軽トラの横をすり抜けようとしていると、作業中のお爺さん二人と目が合ったので、この先の峠について聞いてみた。すると「あかん、あかん、こんなええクルマで行ったら絶対にあかん!」と。もう一人のおじいさんも「この峠はやめておけ。」と。

どうしてもやめた方がいいのか?と食い下がってみたが、あまりにもお二人が本気で「やめておけ」と言われるので、渋々、Uターン。

行くな、と言われたら余計に行きたくなる気持ちを抑えながら、R256を南下し、K91 サラサドウダン街道へと進む。

ここが素晴らしい名道だった。豪快なストレートと適度なワインディングが織りなす快走路。911が喜んでいるのがよく分かる。エンジンの回転は高まり、コーナーに差し掛かればPDKが超絶に素晴らしいタイミングで、ブレーキに合わせて、4→3→2とシフトダウン。

ブリッピングの音がこだまし、コーナーを抜けると、圧倒的なトラクションで脱出する。この一連の動作が気持ちよすぎて、顔が緩みっぱなしだ。

とはいえ、この道は途中、住宅街もあるので要注意。今回、ゆっくりと町中を抜けていると、脇道から自転車でフラフラと飛び出してくる小学生に遭遇。距離的に少し余裕はあったが、フルブレーキングしながら、ステアリングを切り安全な距離を保つ。

こういう時に咄嗟にフルブレーキングができるのは、本当にドライビングスクールで何度も訓練しててよかったな、と思う。訓練してなければ、人は咄嗟にステアリングだけで避けようとしてしまい、コントロールを失ってしまう。

だから、思い切ってブレーキを踏み抜きながら、ステアリングで回避するという動作は絶対に身につけておいた方がよい。今のクルマ、特にポルシェのブレーキ性能とABSの制御は本当に凄いので、ポルシェを信じて思いっきり踏むと良い。これはぜひ訓練されることをオススメしたい。

羽島市に入り、日も暮れてきた。長良川沿いの真っ暗な狭い土手の上をガンガンに飛ばす、地元のクルマ達にビビりながら、ホテルに到着。3日目の旅を終えた。

貸し切り状態の伊吹山ドライブウェイ

4日目の朝。そそくさとチェックアウトし、伊吹山ドライブウェイを目指す。伊吹山はこの911カレラ4GTSの納車の際にも立ち寄ったところだ。

今回は8時のドライブウェイのオープンを目指し、誰もいないドライブウエイを堪能してやろうという計画。実際に来てみると、完全なクリアラップだ。前走車はゼロ。前半の峠区間をマイペースで駆け上がる。カレラ4GTSはめちゃくちゃ速い。GT3やボクスターの速さとは、種類の違う速さだ。安心感が強く、クルマを信頼できるから、どんどんペースを上げていけるのだ。

ポルシェと伊吹山ドライブウェイ

伊吹山ドライブウェイ

伊吹山ドライブウェイ

中盤以降は大規模な山岳ワインディング区間になり、緩やかなカーブが多くなる。朝の伊吹山の空気、景色は最高である。ここまで来ると飛ばす気にもならない。じっくりと名道を噛みしめながら山頂へと到着した。

徳山湖から琵琶湖、そして帰路へ

山頂で少し休憩し、次の目的地を目指す。次は徳山湖だ。ここは初めて行くところになる。

R417を北上。この道も川沿いの気持ちの良いワインディングだ。途中、お城を発見。こんな所に城?と思いながら立ち寄ってみると、現代になって建てられたプラネタリウムらしく『藤橋城・西美濃プラネタリウム』と言うそうだ。とはいえ、その日は閉館中。

藤橋城とポルシェ911

ポルシェ911と滝

六社神社跡宮展望台からの景色

中には入れなかったので、その近くの食堂で昼食を取り、その先にある『六社神社跡宮展望台』を目指した。途中、狭路もあるが、すれ違いの退避所が多くあるし、交通量はほぼ皆無なので心配はいらない。

この展望台からの景色はかなり良い。特に朝靄や雲海などがあれば最高じゃないかと思う。

来た道を戻り、滋賀が誇る名道R303で奥琵琶湖を目指す。

奥琵琶湖パークウェイは何度も走っているので、今回はスルー。湖岸をゆっくり流しながら海津大崎で休憩し、琵琶湖を眺めながら旅を振り返る。側に佇む911は本当に相棒のよう。旅グルマとしてポルシェは本当に最高だ。

ポルシェ911と琵琶湖

特にカレラ4の四駆であることのメリットは大きく、どんなシチュエーションでも安心してアクセルを踏んでいけるし、乗り心地的にも前後の揺れが少ない。だから、こういうグランドツーリングには最適で長時間の運転が苦にならない。

GTSなので、それなりに締まった足だが、乗り心地の良さの種類が他のカレラとは違うな、という印象だった。991.2や992のGTSはスポーツシャシーが標準だが、991.1のGTSの場合はノーマルシャシーが標準であることも乗り心地の良さに寄与していると思う。

帰路につき、たまには近所のガソリンスタンドで長旅で汚れきった911を徹底的に洗車してもらう。ピカピカになった911を愛でながら、4日間にわたるツーリングを終えた。

なお、総走行距離は1928km、平均速度51km/h、平均燃費は10.1km/Lだった。

洗車したポルシェ911

今回のルートマップ

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

プロフィール

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  • コメント ( 4 )

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  1. イエローサブマリン

    Hiroさん、こんにちは。

    ルートの公開ありがとうございます。
    私は、前半の小淵沢から原村経由でビーナスラインに向かいましたが、
    このルートの方がアップダウンもあり楽しそうですね。

    また、後半も良い道が多く、また紅葉もとても綺麗ですね!
    関東からは遠いですが、後半戦のルートもツーリングの参考にさせて
    いただきます。

    余談ですが、帰路の途中に「新・日本百名道」にある、鉢伏スカイラインを
    走ってきました。道は狭いながらも景色のよい道でした が。。。
    崖の湯からのルートは、スポーツシャシーのボクスターにはかなり過酷でした。
    誰かに止めてほしかったです。

    • HiroHiro

      こんにちは。
      鉢伏スカイラインはまだ走ったことないのですが、機会があれば今度行ってみます。
      崖の湯からのルートは要注意ですね^^
      覚えておきます!

  2. mami

    めちゃめちゃ地元な私は、あーあそこね
    うん、うん、と楽しく読ませていただきました。

    私は人生初911ですが、楽しくてかわいくてたまりません。
    今日も近くの4Sを買った車屋さんに着いたばかりの、新車2015年式911R 限定911台と新車992GT3 PDKを目の保養で見に行ってきました。
    (初心者の私には絶対に無理な車でしたが 汗)

    一つの車なのに、こんなに幅が広いって、ほんとすごいです。
    これからも、ブログ楽しみにしています。
    楽しい記事をありがとうございました

    • HiroHiro

      こんにちは。
      いつも読んでいただいて有難うございます。
      911Rと992GT3って凄いですね!憧れです。

      ポルシェは本当に幅が広くて、縦のラインアップも凄いですが、
      車種毎の違いの横のラインアップの楽しみもありますよ。
      なので、いつまで経っても飽きませんw