Apple CarPlayを完全ワイヤレス化する方法|充電問題も解決

ポルシェのApple CarPlay
ポルシェ・ボクスター

CarPlayのワイヤレス化に対する私の懐疑的な見方

ポルシェのインフォテイメントシステムの多くはCarPlayは使えるものの、そのほとんどが有線接続が必須だ。

もちろん、ワイヤレスアダプターを導入すれば、ワイヤレス化は出来るのだが、私は長い間、そのワイヤレスCarPlayの導入には消極的だったのだ。

その理由は極めてシンプルで、結局のところ充電ケーブルを接続する必要があるなら、最初からCarPlayも有線で良いのではないかと考えていたからだ。ワイヤレス化の恩恵を受けるためには、ケーブル接続という行為そのものを排除しなければ意味がない。

CarPlayでナビアプリ等を使用する際のスマホの電力消費は激しく、充電は必須だ。特に私のようにポルシェで長距離ツーリングをするような状況では、ナビゲーションを長時間使用することが多い。バッテリー残量を気にしながら運転するのは本末転倒だし、途中で充電が切れてしまえば、せっかくのワイヤレス環境も台無しになってしまう。だからこそ、中途半端なワイヤレス化には手を出さずにいたのだ。

ワイヤレス充電との組み合わせで課題を解決

しかし、718スパイダーRSが納車されたタイミングで、以前から考えていたワイヤレスCarPlayとワイヤレス充電を同時に導入するという方法を試してみたのだ。この組み合わせなら、ケーブル接続という行為を完全に排除しつつ、充電問題も解決できる。

ワイヤレスCarPlayアダプタ

718の場合、センターコンソールのUSBポートに挿すだけ

使用したのは、HEYNCAR+のワイヤレスCarPlay・AndroidAutoアダプターだ。Amazonで約5,200円という手頃な価格ながら、非常にコンパクトで安定した動作を実現している。USB端子に接続するだけで複雑な設定は不要で、接続速度も驚くほど速い。クルマの鍵を開けて乗り込む頃には、すでに接続が完了しているほどだ。

Qi2規格ワイヤレス充電器の重要性

ワイヤレス充電には、ESRのQi2規格対応15W充電器を選択した。この規格選択が成功の鍵となる。従来のワイヤレス充電器ではiPhoneの場合、7.5W程度の出力しか得られないものが多く、CarPlayでナビアプリを動作させながらでは充電が追いつかないことが多い。しかし、Qi2規格なら15W出力が可能で、使用しながらでも確実に充電できる。

718でのワイヤレス充電器

15Wで充電できることが重要。15Wと書いていても、iPhoneは7.5W充電しかできない製品も多いので注意。

718スパイダーRSでは、運転席横のエアコン吹き出し口に充電器を設置した。この位置なら運転の邪魔にならず、スマートフォンの着脱も容易だ。ただし、わが家のタイカンの場合はルーバーの形状が特殊で、この充電器が適合しない。タイカンでワイヤレス化を検討する場合は、充電器の設置場所を慎重に検討する必要があるのでまだ導入はしていない。

専用電源ポートの増設が必須

また15W充電を実現するには、十分な電力供給が不可欠だ。718の標準USBポートでは出力が不足するため、専用の電源ポートを増設した。選択したのはエーモン製のUSB-C電源ポート(27W出力、PD3.0対応)で、これをヒューズボックスから直接電源を取って設置している。

718のヒューズボックスからのACC電源取り出し

718の場合、左側足元のヒューズボックスの一番下段の左から2番目がACC電源。ここから取り出す(車によって違うこともあるので、確認はしてください)

USB-Cポートを増設

ステアリングの下部に両面テープで設置。(下から見た写真)

設置場所はステアリング下部で、ここからUSB-Cケーブルでワイヤレス充電器に給電する構成だ。センターコンソール内のUSBポートはCarPlayアダプターで占有され、グローブボックス内のUSBポートでは出力が不足するため、この増設は避けて通れない対応といえる。この電源増設により、CarPlayを使用しながらでも確実に充電が可能となった。

完全ワイヤレス化がもたらす利便性

ポルシェでのApple CarPlay

完成したシステムは、非常に便利なものだった。クルマに乗り込むと自動的にCarPlayが接続され、スマートフォンを充電器に置くだけで全ての準備が整う。ケーブルの接続や取り外しという煩わしさから完全に解放され、本当の意味でのワイヤレス環境を実現できた。

システムの安定性も予想以上に高い。718スパイダーRSでもタイカンでの実験でも、接続の失敗はほとんど経験していない。過去に1、2度ほどCarPlayの画面の反応が鈍くなることがあったが、画面を切り替えて戻せば問題なく動作する。エンジンをかけて走り出す時点では、ほぼ100%の確率で接続が安定している。

初期投資として1万円程度の費用と、電源ポート増設の手間は必要だが、一度構築してしまえばその利便性は計り知れない。992の後期型など、元々ワイヤレス充電が装備されているモデルなら、CarPlayアダプターだけで済むが、992前期や718のようなモデルでは、ワイヤレス充電システムとセットでの導入が前提となる。それでも、ポルシェでのドライビング体験を現代的で快適なものにしてくれる、価値ある投資といえるだろう。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。 運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを...

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