「商談は、国と国同士の外交だ」ポルシェオーナーの仕事の流儀。

ポルシェ911GT3
わが家のカーライフ

商談は、国の代表同士の外交だ。

先日、仕事での決断について、背中を押してもらいたい事があり、そのことを夫に相談してみた。

私は普段、夫に仕事の相談をすることはあまり無い。

ただ、「私がしようとしていた決断」と「周囲からアドバイスをもらった内容」が少し違っていたので、夫が私の状況なら、どのような結論を出すのか、意見を聞いてみたいと思ったのだ。

BMW

内容は詳しくは書かないが、「クライアントと当初からボタンのかけ違いが起こっており、それによって発生した問題にどう対処するか」というもの。

話を聞いた後夫はすぐに「僕やったら迷いなくこうするわ」と言って、こんな風にアドバイスしてくれた。

僕は、BtoBの商談というのは「国と国の代表同士の外交」やと思ってる。それくらいの気概で臨まないかんものやと思う。
仕事がほしいからといって、変に相手に迎合したり、理解を示しすぎたりするのではなく、「あくまでも自分たちの国のスタンスはこうなのだ」と、堂々とした態度でいること。
クライアントにはお金を払ってもらっているけれど、僕らはそれに対して、ノウハウや価値を提供し、クライアントの成長や発展に貢献している。だから関係性は対等であるべきやと思う。
もちろん、こちらの至らないことがあれば、謝ったり誠実に対応せないかんけど、必要以上にへりくだったらあかん。
その関係性やバランスが、最初の時点で崩れてしまっていると、後々修復するのはかなり難しくなってしまうからなぁ。

と。

なるほど、国同士の外交とな。そんな風に考えて、今まで商談にのぞんだことはなかった。続けて夫はこんな風に言った。

その点僕の商談は、基本は全く仕事を取りに行く気が無いからなぁw
別に無理して仕事を取る必要は無いし、なんなら僕は忙しくなるのが好きじゃないから、基本的には、その仕事を何がなんでも取るという気持ちはない。
あと、無理やり取った仕事は、後々うまくいかなくなることも多い。
だから、最初の商談の時にも、求められない限りは自社サービスの説明はしないし、なんなら『御社には、もしかしたら他社のサービスの方があうかもしれませんね』といったことも正直に伝える。
商談後に『検討していただけました!?いつまでにお返事いただけますか?』と連絡することもしない。
向こうからしたら「なんとやる気のない人や」と思われてるかもしれんけど、でも案外、数ヶ月後に向こうから「この前の件、お願いしたいんです」と連絡が来ることも多いw
そして、向こうから求められてスタートした仕事は、その後もうまく進むことが多いと思う。

と。

なんとやる気のないスタンス…でも、言っていることはすごくよくわかる気がする(笑)

桜島とポルシェ911

始末の悪い人になれ。

話をしているうちに、夫は「そういえば、西郷隆盛の言葉で、僕が好きな言葉があるんや」と言って、その文面をメールで送ってくれた。

「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない」

私は金も、(名誉はいらないけど)、命もほしい…w

金も、名誉も、命もいらんなんて、もう「無敵」やん。何も怖いもんなんてない。
そんな人は、周りの言うことをきかへんし、行動がぶっ飛んでいたりするけど、確かにそういう人じゃないと、偉業は成し遂げられへんわなぁ。
ほんでみなちゃんの場合は、究極を言えば、別に会社の売上が上がらんでもええやん。
わが家の大黒柱が今は僕やから、「会社の売上をあげなければ、生活ができない」というわけではない。最悪、会社の売上が上がらんでも、なんとかなるし、死にはしない。それやったら、焦ることない。
始末の良い人にならんでいい、むしろ始末の悪い人でええんや。
自分たちのスタンスを曲げてまで、無理に仕事を取りに行く必要なんてない。「別に断ってもらって全然いいですよ」くらいの気持ちで、堂々としておけばいい。
そういう姿勢や気概が、オーラや凄みになって「あれ、この人はなんかちょっと普通じゃないぞ」という印象を先方に与えるようになっていけば、売上は後からしっかりついてくるわ。
だから焦らんでええんや。

と。

この夫との一連の会話で、私の心も完全に固まって、即行動にうつすことができた。

私は思考が男性的というか…夫に相談する時もたいていは「自分で考え抜いて、結論は決めた状態で、こうしようと思うんやけど、どう思う?」と確認するといったシチュエーションが多い。

すでに心は決まっているので、最後に背中を押してもらいたいだけなのだが、今回の場合は、「その決断をするにも、自分たちが折れる必要はない。プライドを持って堂々としておけばいい」ということを教わり、自分の中で階段を一つ登ることができたような気がした。

そして思わずTwitterに、こんなことを呟いてしまった。

私たち夫婦は、夫婦でありつつも、経営者の先輩後輩同士であり、ポルシェのブログを共に運営するパートナーであり…なんだか不思議な関係性なのだけど、お互いがいる世界にプライドを持って、これからも成長していけるといいなぁと改めて思った。

Mina

ポルシェブログ「ポルシェがわが家にやってきた」管理人、3児の母。数年前までは、車に全く興味が無かったが、夫がポルシェを買ってきたことをきっかけにポルシェの素...

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  • コメント ( 4 )

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  1. hiro veloce

    日本だと「お客さまは神様です」みたいな感じで、買う方が強い傾向がありますが、海外だとお互いがビジネスパートナーである意識が強いように思います。
    それだけに、自分の会社のサービスや製品に自信がないとダメなんでしょうけれども。
    win-winとか言いますが、パワーバランスが買う方にある日本では、なかなか難しいでしょうね。

    • MinaMina

      hiro veloceさん
      有り難うございます!
      海外と日本はやはり風土が違うのですね。

      よく考えたら、クリエイティブでいいなぁと思う仕事をされている方や会社は、
      スタンスに筋が通っていて、お客さんに迎合していないなぁと思いました。

      私もこれから意識していきたいと思います!
      どうぞよろしくお願いいたします!

  2. 168

    こんにちは、いつも楽しくブログを読んでいます。

    「商談は、国と国同士の外交だ」…会社を国に見立てれば、社長とは総理大臣ですね。
    社員や会社を守るためにも自分の主張を持ち、毅然とした態度で相手に接する必要があると想像します。

    「商談は〜」の言葉は、総理大臣や社長でなくても個人と個人の間にもいえるんじゃないかと最近思いました。
    例えば友達、先輩、上司、恋人と意見が違っていても「君はそう考えるんだね。でも僕はこう考えてる」と
    自分の考えを伝えた方がいいときもある思うのです。

    そうでないと人の意見に流され続ける人生を送ってしまいそうな気がするですね。
    (もちろん、相手の意見が正しいと思えば素直に賛同すればいいと思います)

    実際には我を通すのは難しいこともありますが、「商談は〜」の言葉を頭の片隅に入れるようにしています

    • MinaMina

      168さん
      有難うございます!

      おっしゃるように、自分が譲れない部分は、ぶれないというのは、
      商談だけではなく、日頃の人間関係でも、とても大切なことだなと思います。
      (私はぶれてばっかりなので…笑)

      素直に受け止めつつも、自分の大切にしたいことはちゃんと貫ける、
      そんな人になっていきたいです!

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