BMW 5シリーズに試乗。『駆け抜ける喜び』を取り戻したスポーティーセダン。

BMW530i
レビュー・試乗記

ある日、BMWディーラーから電話が

先日夫宛に、BMWのディーラーから電話がかかってきた。なんでも「前任の担当者が退職し、新しい担当者の挨拶と試乗を兼ねて、ぜひディーラーへお越しください」ということだった。

っていうか、前の担当者から一台もクルマ買ってないけどなぁ…w

夫から「一緒に来れば?」と誘われていたが、あいにく次女が当日発熱してしまったので、私はお留守番。

ただ、夫が以前「新型X3」を試乗して帰ってきた時の第一声が「あれはあかんわ〜全く駆け抜ける歓びじゃない!」だったので、今回もそんな感想なんだろうなと思っていた。ところがその日帰宅した夫は「思ってたよりめっちゃ良かった!」と言っていたので、試乗の感想を少し聞いてみた。(数十分程度の試乗だったので、あくまでも第一印象のみ)

BMW530i試乗

今回試乗したのは現行型BMW530i(2リッター4気筒ターボエンジン)。

①内装/シート

今回の530iの試乗車はラグジュアリー仕様だったので、内装の質感も高く、昔のBMWのようなプラスチック感溢れる要素はかなり減っていたそうだ。

また、BMWのシートは「ホールド性と固さ、座り心地のバランスが非常に良い」そうで、もちろん体格にもよるとはいえ、夫は「シートに関してはBMWが1番好きなメーカーかもしれん」と言っていた。

②走行性能

静粛性はかなり高く、走り始めからスムーズな印象を受けたそう。最初はコンフォートモードで走っていたが、「先代の5シリーズ(F10)より軽快で、かつ接地感が増していることがはっきりと分かり、好印象だった」と言っていた。
昔夫は、BMW318isを所有していたのだが(これ↓)

その当時から比べると「今のBMWは”駆け抜ける喜び”を忘れたんやろうか」と感じることが多かったそうだが、今回の5シリーズはちゃんと”駆け抜ける喜び”を意識して作られている感じがしたし、現行7シリーズに非常に乗り味が似ているとのことだった。

トルク感も十分で、かったるさや、もどかしさは街中では感じない。また、全く事前情報が無ければターボだと気づかない人もいるのでは?というくらい、ターボ感の無さも良くできていたそうだ。ちなみにブレーキについては「そんなに飛ばしてないから詳しくは分からんけど、コントロールし易く、不安に感じることは無かった」とのこと。

③乗り心地

フラットな路面での走りはとても快適で、路面の抵抗感もほぼ感じなかったそう。また交差点を少し勢い良く曲がった時も、ロールも無くスムーズに曲がったと。(以前試乗した先代の5シリーズハイブリッドは、勢いよく曲がった時にグラッとくるようなロールがかなりあった)ただ、路面が荒れているところを通過すると、ゴロン、ゴトンとしたランフラットタイヤならではの固さ、重さを感じたそうだ。

「路面が荒れているところやったら、どんな車でも多少の振動は感じるんじゃないん?」と聞くと、

「確かにそうなんやけど、ゴトン、という一回の振動の周波が、ノーマルタイヤに比べてほんの少し長いような感じがしたわ。ただ僕は、普段はランフラットタイヤ装着車に乗ってないから余計にそう感じたのかもしれん。でも、5シリーズはフラットな路面での乗り心地が良くて、素性の良いサスを持っているクルマなだけに、惜しいな〜と思った。

と言っていた。

H④スポーツモード

スポーツモードに変更すると、アクセルのツキがハッキリと良くなったそうだ。また、最近のBMWのトルコンATは本当に素晴らしいと言っていた。「何が良いの?」と聞くと

「特にスポーツモードでのレスポンスや空走感の無さが良くできてるわ。あと、アクセルを深く踏み込むとエンジン音がハッキリ聞こえはじめるんやけど、スポーツエグゾーストは無いから、排気音で音量を上げて派手に聴かせるんじゃなく、メカニカルノイズでしっかりと快音を聴かせるところがBMWらしかった。」

と言っていた。「さすがはバイエルンのエンジン屋を名乗るだけのことはある」と。このときばかりは、昔乗っていた318is(E36)を思い出し、つい「コレ、コレ!」とにやけてしまったそうだ。(クルマ乗りながらにやけるってほんまにオタクやな。)

ポルシェとの違い

「BMW5シリーズがそんなに良かったのはわかったけど、ポルシェとの違いで感じたことは?」と聞くと、夫はこんな風に言っていた。

「そやなぁ…走りの性格が違うからこれは好みの問題になるけど、パナメーラターボと比較すると、乗り心地の良さだけならBMWの5シリーズの方が安楽に感じる人は多いと思うわ」

と。パナメーラはさらに接地感があり、路面を掴み、路面の不整もねじ伏せるように走るが、5シリーズはサラッと流していく感じだそうだ。続けて、

ポルシェはスポーティーカーではなく、純粋なスポーツカーなんやということを、改めて感じさせられたわ。でも、ポルシェと比べるなら、レギュラーモデルの5シリーズとじゃなくてM5あたりと比較するべきやから、同じ土俵で比べるものじゃないけどな」

と言っていた。

BMW、買う?

今回の530iは、新車で総額800〜900万円だそう。結構いい値段する!(ってそんなもんなのかな)

正直な話、ほしいと思うかどうか夫に聞いてみたところ、こんな風に言っていた。

「ビジネスシーンでもプライベートでも使える良く出来た上質スポーティーセダンで、大きさも扱いやすくスポーティーさも感じられるから良いクルマやとは思ったけど…でも、休日の早朝に六甲や芦有を走ったり、サーキットなどにも持ち込みたいかと聞かれると、そうは思わへん。その辺りがポルシェとの違いやな。わが家のクルマのラインアップには今のところ、入る余地は無さそうやわ。」

と。そう聞いて、どこかホッとしてる自分がいた(笑)

私は、BMWは試乗と代車レベルでしか乗ったことが無い。…という前提で言うと、BMWに乗った時は「BMWっていい車だな〜!」と思ったのに、その後ポルシェに乗ると「あぁ…やっぱりポルシェはぜんぜん違う。ポルシェが良い。」と、毎回ポルシェの良さを再認識する形になっていた記憶がある。

また、BMWは街中で相当数見かけるので、そういった点でも、あまり見かけないポルシェの方が、私にとっては魅力的だなぁ。

…てちゃんと試乗してないから偉そうに言えへんけど。

Mina

ポルシェブログ「ポルシェがわが家にやってきた」管理人、3児の母。数年前までは、車に全く興味が無かったが、夫がポルシェを買ってきたことをきっかけにポルシェの素...

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Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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  • コメント ( 4 )

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  1. cara

    ご主人のお話は実にわかりやすく、試乗しに行く必要がなくなるので助かります。m(_ _)m
    BMWはポルシェと同様 乗って喜びを感じる車です。
    メルセデスとの販売競争のため徐々に載り味に個性がなくなってきたのは寂しいところですね。
    しかしBMWもスポーツサルーンの老舗として日本メーカーともタッグを組んで
    面白いものを出してくるように思います。
    しばらくMシリーズは ちょっとおもしろみがかけていたように思いますが・・・
    車は色々あって個々人の好みもある、面白いですね!

    • MinaMina

      caraさん
      いつも有難うございます!
      >BMWはポルシェと同様 乗って喜びを感じる車です。メルセデスとの販売競争のため徐々に載り味に個性がなくなってきたのは寂しいところですね。
      これ、周りから本当によく聞きます。「昔のBMWは良かったのにな〜」と…

      夫も「次のZ4はスープラとの共同開発やから見ものやな。またメルセデスを意識した車じゃないことを期待するわ。」と言っていました。

      いやはや本当にクルマって奥が深いですね・・・!

  2. ぶち

    現行5はまだまともですよね。
    でもやはり、昔はよかった。という意見に賛成ですw
    僕らのまわりではBMW has gone. とよく言います。
    昔はちゃんとスポーツでした。今はなんちゃってスポーツになりました。
    フロントサスを柔らかく、リアをかたくして、ハンドルの初期入力でスポーティーな味付けにしてるようなw
    まーこの5はそこからしたらボディ剛性も高くて少し復活してまともなんですけど、時すでに遅しかなって。
     片や、昔はメルセデスはコンフォート BMWはスーツの代名詞でしたが、F1でも快進撃のメルセデスは、最近じゃスポーツとしてもまともになってきました。
    クオリティは申し分ないですし、見てくれもかっこいい。もうメルセデスにBMW勝てないでしょって。
    結果近年は、BMWのコアなファンは離れていく一方。しかし、BMWも年々世界販売は最高益ですw 
    で、巷の意見を聞いてると、別に車詳しくもないし、まーかっこいいくるまに乗りたいなーレベルの人たちって最近みんな言うんです。BMWに乗りたいって。スポーティだしなってw
    ブランドイメージとはすごいものです。なので、ブランディングには成功してるようですが、超長期的にはコアなファンが離れていくBMWの将来が心配でもあります。

    僕が勝手に思っている法則は、F1に出てるメーカーはやっぱりとんがってるメーカーなんだってことです。
    快進撃のメルセデスは往年のコンフォートメーカーから今や、AMGGTRもまともだし。プロジェクトワンなんてとんがりまくってます。昔のメルセデスでは考えられない。
    トヨタはF1に参戦してた時にLFAをだし、本田もNSXの復活、そして今後S2000等の復活もされそうです。
    BMWは2000年前半はフェラーリやマクラーレンとエンジン開発競争をしてたくらいです。そういえばエンジン最高回転数を記録したのは19000回転台のBMWだった。そんな時にM5セダンにV10つんじゃう時代だったわけで。
    あんなとんがった時代からすると、ほんとBMW ハズ ゴーンです。

    長々とごめんなさい。私の父が、免許を取った時から40年ずっとBMWを3台常に保有していたので、僕もBMWが大好きでした。
    そんな父も2年前から、BMWは0台w メルセデスとポルシェに変わりましたw BMW好きだった僕の嘆きです。

    来年?再来年?からポルシェがF1に参戦するので、ポルシェの未来にさらなる期待をしております。

    • MinaMina

      ぶちさん
      コメント頂き有難うございます!
      コメントを読んでいるだけで、とても勉強になりました。

      >BMW has gone.

      悲しいけれど、うまいこと表現されたフレーズですね…

      夫も、以前からBMWのファンだったので、よく、
      「BMWは最近になって、少し改心した気はするけど・・・E36やE46の時代に戻ってほしいわ。ここ数年は駆け抜ける喜びが全然薄いなぁ」と、
      残念そうに言っています。

      とはいえ、ぶちさんがおっしゃるように、今でも「BMWはスポーティ」というイメージがありますし、
      メルセデスよりも、BMWに乗っている人のほうが、走り好きな人なのだという印象を勝手にもってしまいます^^;

      ポルシェのF1参戦、そして、ハイブリッドや最先端の技術がどのように市販車に活かされるのか、
      これからもとても楽しみです!
      引き続きよろしくお願いいたします。