ポルシェ タイカン ターボSをサーキットで試乗!911やパナメーラとの違いは?

ポルシェタイカンターボS
レビュー・試乗記

パナメーラより911に近い、タイカン

実はこのタイカンの試乗の前後、同じコースを911カレラSと、パナメーラGTSで走っている。それを踏まえて、タイカンはどんなクルマなのか?というと、パナメーラに近いと思いきや、「圧倒的に911に近い」というのが私の感想だ。

以前にも、タイカンの展示会でスタッフの方が、911のカレラ4Sに近いフィーリングだと仰っていた記憶があったが、実際に乗って比べてみても、納得の印象だ。

試乗の後、ポルシェジャパンのアレックスさんと話す機会があったのだが、感想を聞かれた私が開口一番「フィーリングとしてはパナメーラより911によく似てますね」と話すと、満面の笑みで「そうでしょ!」と仰られていたのが印象的だった。

もう少し具体的に言うと、単なる加速感や動力性能の話ではなく、シャシーの挙動や味付けがよく似ている。992型911のあのボディの中身が詰まった感、走りの濃厚さなどは本当によく似ている。スポーツモードで、かなり飛ばしてサーキットのコーナーを攻めた時の挙動、ロールの少なさ、そして、その重心の低さが似ていると思わせる大きな要因の一つだろう。

では、パナメーラGTSとはどう違うのか?というと、特にコーナーでフィーリングの違いは感じ、タイカンや911と比べると、やや腰高に感じる。そして、シャシーの濃密さ、中身が詰まっている感が違う。

特に私は外側のフロントの接地感などにその違いを感じた。

感覚の話だが、911やタイカンは中身がギッシリ100%詰まった感じに比べ、パナメーラはほんの少し、隙間を持っているように感じるのだ。それは、高級セダンとしての役割も持たせるために、敢えてのセッティングだとは思うが、パナメーラとタイカンは外見は似ているが、走りは結構違うというのが結論だ。

では、タイカンはどういう用途の位置付けのクルマなのか?ということが気になってくる。後部座席のコンパクトさからして、お客さんを乗せて走るようなクルマではない。それは上位車種のパナメーラに任せ、タイカンはあくまでもパーソナルセダンという位置付けのように思う。通勤や買い物、近場のドライブなど、家族用というより個人用途のセダンだと思う。

もし、私がタイカンを手に入れたなら、それはパナメーラやカイエンの代りではなく、911のような使い方になるのではないかと思う。ほとんどは一人で乗る通勤や週末のドライブなどであり、電気モーターのパワー感と超低重心シャシーが生み出す驚異のハンドリングを楽しむために乗るのだろうと思う。

今回の試乗で感じたことは、タイカンというクルマはパワーや0-100km/hの加速タイムなどの方が目立ってしまうが、本当の魅力はそのシャシー性能にあると思う。もし、読者の方々も今後、試乗する機会に恵まれたなら、ぜひそのシャシー性能や、そのフィーリングという点にフォーカスして乗ってみて頂きたいと思う。

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

プロフィール

このブログが気に入ったらフォローしてね!

コメントを閉じる
  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。