ポルシェ タイカン ターボSをサーキットで試乗!911やパナメーラとの違いは?

ポルシェタイカンターボS
レビュー・試乗記

夫が先日、タイカンでサーキットを走れる機会を頂いて、その感想を書いてくれた。よろしければぜひご覧ください。

タイカン、試乗

ポルシェ タイカン、今までにもう何度も内覧会や展示会等で実車は確認していたが、今回はそれとは違う。まだ日本未発売のタイカンに実際に乗れるのだ。しかも、サーキットでの試乗だ。

快晴の袖ヶ浦フォレストレースウェイ。そこにはタイカン ターボSとタイカン ターボが待ち構えてくれていた。どことなく凄みのあるオーラに、近未来的なデザインが相まって、ちょっと今までのクルマとは違う「新しい」感が満載の雰囲気がただよう。

今回、試乗するのはタイカンの最強モデル、ターボSの方だ。コンソールやスイッチ類の説明を受けて、コクピットに乗り込む。運転席というより、まさに「コクピット」の表現がシックリくる内装だ。メーターパネルは全て液晶。それほどメーターパネルの領域は大きくなく、上下方向はとてもコンパクト。

セダンというより、特別なスポーツカーの雰囲気が強い。

既に電源はONになっているのだが、説明によると、タイカンは鍵を開けて中に乗り込み、ブレーキを踏むだけで既に走行可能状態になるという。スマホのような手軽さで、クルマが操作可能になることを目指したそうだが、確かに、これはとても自然で、ストレスがない。

ハンドルの右横にある小さなシフトレバーをドライブに入れて、アクセルを踏む。ヌルっとした感覚と言おうか、電気モーターならではのスムーズさでタイヤが転がり始める。これはカイエン E-ハイブリッドの電気モーターでの走行感覚によく似たフィーリングだ。

徐々にアクセルを開けて、1コーナーへ差し掛かる。走行モードはまずはノーマルモードでのラップで、先導する992型の911も控えめのスピード。サーキットは舗装状態が良いので、なかなか乗り心地の判断は難しいが、とても接地感が強く、フラットな乗り心地だ。

ポルシェ ジャパンのアレックスさんが仰るには、タイカンの重量も考慮された3チャンバー式のエアサスペンションが装備されており、現行のパナメーラよりも乗り心地は良いと思う、とのこと。

確かに、当たりがマイルドなのに、とても芯があるサスペンションで、1コーナーでもほとんどロールらしいロールは感じない。2コーナーから3コーナーへと続く、緩やかなコーナーでアクセルをじわっと踏み込んでみるが、電気自動車とは分からないくらい自然で、唐突なパワー変動もなければ、アクセルペダルのシビアさも感じない。

普通にパワフルなガソリンエンジン車に乗っているのとあまり変わらない。これなら、ほとんどの人は違和感なく乗れると思う。

センターコンソールの液晶パネルを操作し、ポルシェエレクトリック スポーツサウンドをONにする。すると、「グーン」というか、「ギューーン」というか表現がなんとも難しいが、モーター音が車内にハッキリ聞こえる。アクセルに比例して、音が高まるので、とても気持ちいい。エンジン車でいうスポーツエグゾーストのようなオプションで、実際に車内で聞くと、いかにも電気自動車らしい未来的な音で新鮮だった。私ならこのオプションは必ず付けたい。

4コーナーはタイトな右コーナーだ。約2.5トンもある重量級のタイカンだとさすがに揺すられたり、大きなロールを感じるだろうと身構える。そして、コーナーに入るやいなや、その挙動に驚くことになる。「本当に2.5トン?」というのが感想だ。体感的には1.5-1.6トンあたりのクルマを運転しているかのような身のこなし。

全く車体の上部が持っていかれない感覚で、重心の低さを感じる。ものすごく、ペタッと低いクルマに乗っているかのように、普通にタイトコーナーを駆け抜けるのだ。

前を行く911が少しペースを上げたので、アクセルを踏み込む。間髪入れずにパワーが立ち上がり、余裕で911についていく。やはりこういう場面では、電気自動車らしさを強く感じ、アクセルを踏んでから、パワーが立ち上がるまでの時間が圧倒的に短い。

もちろん、911などもレスポンスは相当のものだが、モーターはその次元ではないのだ。コンマ何秒、いやms(ミリセカンド)の話だが、人間の感覚というのはその差をちゃんと認識できるのだ。

タイカンの加速を体感

コースを一回りして、スポーツモードにいれる。そして、ホームストレートで踏み込んで見てくださいとの無線の指示を受け、タイカン ターボSをついに解き放つ。思いっきりアクセルペダルを床まで踏み込む。タイカンは当然ながら猛然と加速していく。頭が後ろに持っていかれ、スピードメーターの表示はどんどんと上がっていく。

ここまでの加速感はGT3やパナメーラターボとそんなに大差は無い。「さすがに早いなぁ!」と感じていたところで、ちょっと今までの経験に無い体験をする。加速Gで頭が後ろに持っていかれている状態が、収まらないのだ。

普通、加速Gというのはスピードが上がるに従い、収まってくる。つまり、後ろに持っていかれていた頭は、徐々に普段の位置に戻るという動きになる。しかし、タイカンは違った。加速Gが収まらない。頭が元に戻らないのだ。「え、まだここからこんな加速するの?!」というのが感想だ。

 

加速の伸びが凄い。どこまでも伸びやかにスピードが乗っていくような感覚で、80km/hあたりで徐々に加速Gが収まってきそうな体の予想を見事に裏切ってくれる。「まだ、ここから行くか?」と思うような加速感だ。野球が上手い人にボールを投げてもらうと、ボールが途中から伸びるように感じるが、まさにあの感覚と同じような挙動をタイカンはみせる。

最高速はガソリンエンジン車には敵わないので、これが200km/hを超えるような速度域の加速という話では、また別の印象だと思うが、日常経験する高速への合流や追い越し加速などでは、このタイカンの持つパワーを十分に感じることができると思う。

次のページ→タイカンは、パナメーラよりも911に近い!?夫の見解は…

Hiro

Minaの夫です。 ファッションやステータスシンボルのためにクルマは乗りません。運転して楽しく、工業製品として優れ、作り手の意思が感じられるようなクルマを好...

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