ポルシェのデイライト

先日の阪神高速でのポルシェパナメーラの事故のニュースを見ていた時夫が、

このパナメーラ（970）、飛ばしてたみたいやけど、ライト点いてたんかなぁ。この型のパナメーラは、まだ日本のデイライトの基準が変わる前のやつやから、ある一定の速度を超えてしばらく経つとヘッドライトがつくはず。

と言っていた。

そういえば、以前わが家にあったパナメーラエディション（970）は「デイライトの機能がスリープ状態（無効）になってるから、云々かんぬん…」という話を夫としたことがあったっけ。

デイライトの基準改定

デイライトとは、英語ではデイタイム・ランニング・ランプ（ライト）と言われており、その名の通り「安全走行のために昼間につけるライト」のこと。以前の日本では「デイライトは”その他灯火類”」という扱いで、明るさの基準は「300カンデラ以下」とされていた。ただ300カンデラ以下という値はとても暗く、デイライト機能が装備された欧州車は明るすぎて日本の基準をクリアできないので、日本では点灯することができなかった。（レクサスなどは日本仕様だけかなり暗くしていた。）

そのため、ポルシェをはじめ欧州車の「デイライト機能」は予めスリープ状態になった状態で納車されていた。

とはいえ欧州車なので、高速道路である一定速度（取説上は140km/h）を超えてしばらく走行すると、安全のためにヘッドライトが点灯する仕様になっている。ただ日本では、「昼間のライト全灯は消し忘れている人と見られがちなため、それを嫌がってそもそもライトをOFFにするドライバーも多い」そうだ。（デイライトがONだと、この自動点灯はしないのだが、日本仕様ではそもそもデイライト設定が無いので、この機能が動作してしまう。動作しないようにするにはライトをオフにするしかない。）

その後2016年10月に、日本でもデイライトに関する保安基準が改定され、明るさの基準が1,440カンデラまで引き上げられたことで（ヨーロッパでは、上限が1,200カンデラに改正されたので、日本もヨーロッパ基準に合わせて1,200カンデラが上限となる可能性がある）欧州車のデイライトも日本で問題なく点灯できるようになった。なので、今わが家にある971パナメーラも、エンジンをかけるとデイライトが常時点灯するようになっている。

昼間にデイライトが点灯しているとかなりカッコいいので私は好きだ。ただそれ以上に、デイライトは安全面でも効果があるとされていて「ヘッドライトの早期点灯の取り組みを実施したところ、前年比で事故が17%、街中を走る小さい車種では34%事故が減少した」というデータもあるそう。（これはデイライトじゃなくヘッドライトのデータやけど）
＊ヘッドライト早期点灯研究所「早期点灯実践事業者レポート：日本通運の取り組み」

ただ一方で、デイライトをつけることで、逆にドライバーがそこに意識を奪われるので危険だという意見もあるそうだが、夫が言うには、デイライトがオンの場合は、車線変更されて急に自分の前に出られたり、コンビニなどの駐車場から急に道路に出られたりする割合が、オフの場合に比べて明らかに少ないと思う、と言っていた。

わが家のボクスターの場合は？

「ということは、2016年10月以前に日本で発売されていたモデル（型式）は、デイライトがつかないということか。なんかそれはそれで不便やし、安全面で損やなー。」というと夫が、

だから、そういう人は業者に頼んで、デイライトを有効にするコーディングをしてもらうんや。ただそうすると、車検やディーラー点検の度にひっかかるから、その都度また設定を元に戻してもらいに行く必要があって面倒くさい。
あと「ちょっとくらい目をつぶってくれるやろ」と思ってそのままポルシェディーラーに点検に出した人が、ディーラーともめて出入り禁止になったという話もあるみたいや。
だから僕の981ボクスターは、いちいちオン／オフしてもらいに行くのが面倒なので業者によるコーディングはせずに、自分でクルマに差し込めば設定でき、もう一度差し込めば解除できるやつを使ってる。

と言っていた。ちなみに、これ。

夫は安全のために、デイライトは必ずオンにして走るようにしていて、前照灯は少しでも暗くなったらライトが自動で点くようにAUTOにしているそうだ。また、輸入車のAUTOは少し暗い時や雨でも早めに点くから助かると言っていた。

ポルシェは加速力やパワーがあるので、法定速度ならあっという間に達する。なので、いきなり車線変更されて前に出られたりすると危ない。なので、「先行車や周囲に早めに気づいてもらい、可能な限り事故を防ぐため」にも、デイライトや暗くなった時の前照灯は早めにオンにして走るようにしたいものだ。