「ポルシェとは、人生に彩りを与えてくれるもの」ーインタビューvol.6 TAD JUN JUNさん

空冷ポルシェ

皆さんこんにちは。「ポルシェがわが家にやってきた」ブログ管理人のMinaです。前回のT.Tさんのインタビューに続き、ポルシェ カレラカップ ジャパンのジェントルマンクラスでレースをされている”TAD JUN JUN”さんにお話を伺ってきました。

(1)2016年から参戦しているPCCJ

1.PCCJ出場のきっかけ

ーPCCJに出場し、表彰台にも立っておられるTADさん、もとからレースが好きだったの?

いえ、レースが好きというより、僕は純粋に「ポルシェが大好き」なんです。ですから基本的に、PCCJのレース以外は出ません。今までに他メーカーのレーシングカーで走ったこともありますが、それはあくまでも「ポルシェでレースに出る」ための練習という位置づけでした。

ーポルシェでサーキットを走るようなったきっかけは?

2006年、2007年あたりでしょうか。日頃からお世話になっているポルシェ好きの先輩が、ポルシェでサーキットの草レースに出ておられるということで、そこに僕も誘って頂きました。その時は「993RSクラブスポーツ」で走りに行きましたが、最初は「楽しい」より「怖い」という感覚の方が大きかったですね。

ーそこから、なぜPCCJに出場するまでになったの?

現代のポルシェはかなりハイパワーなので、公道でクルマの持つ本来の力を発揮させることはできません。それならいっそ「サーキットで走らせてみたい」と思うようになりました。
加えて「サーキットを走るなら、安全性能がより高く、ドライバーをしっかり守ってくれるレーシングカーで走る方が良い」と考え、PCCJ出場を目指すようになりました。

またポルシェの場合、レースカーを通して培われた技術が市販車にフィードバックされているので、そういった意味での興味もありましたね。

ーそして、いきなりカレラカップに出場されたの?

いえ、先輩のPCCJの選手に「997カレラカップカー」を譲って頂き、現役のGTドライバーの方にコーチをお願いし、2014年頃から、サーキットで走るための練習をスタートしました。そして翌年にスーパーカーレースシリーズにGTドライバーの方とペアで出場。レースに参加したり、プロの方にコーチして頂く中で、1年ほどかけて、サーキットレースのルールやレースカーの扱い方を勉強していきました。

2.レースの奥深さ、醍醐味

ー初めてPCCJに出場した時のことを覚えてる?

はい。2016年に、991カレラカップカーで初めてPCCJのジェントルマンクラスに参戦しましたが、その時に痛感しましたね。

「レースで勝つには、レースカーを走らせることに慣れるのはもちろん、レースそのものに慣れる必要がある」と。

レースでの勝敗は「クルマの運転のうまさ」だけではなく、その時のメンタルコンディションや戦略などにより、大きく左右されます。そうなると、やはりレースの経験値が高い人は強いですよね。「僕に997カレラカップカーを譲ってくださった先輩のT.Tさんが強い理由は、経験値の高さにもある」とその時思いました。

ークルマを速く走らせられるだけでは、レースには勝てないと…?

はい。予選のタイムでベストタイムを出せたとして…それはその人の実力であることに間違いありませんが「予選で高タイムを出すこと」と「レースで勝つ」ことは、全く違います。

予選のタイムが一番だったからといって、実際のレースで勝てるかというと、必ずしもそうではないんです。

ーそんなレースの醍醐味、面白さとは何?

やはり「勝ちたい」気持ちがモチベーションになっているのではないでしょうか。レースは勝ち負けの世界。男子は小さい頃から競争が大好きな生き物ですからね(笑)

またレースは「自分自身との戦い」でもあります。「ライバルに勝ちたい」気持ちはもちろんありますが、たとえそのレースで表彰台に上がれなかったとしても「今日のレースでは○○がクリアできた」「この課題を発見したから次のレースに活かそう」などと、一歩ずつ成長し、ステップアップしている感覚を味わえることも、レースの醍醐味の1つだと思いますね。

ーそれは、他では味わえないレースならではのもの?

そうですね…他ではなかなか味わえないように思います。レースに出場している皆さんは、普段は会社のオーナーや組織のトップだったりするわけです。もちろんそこでも、チャレンジしたり成長を感じる機会はありますが、それなりの立場になってくると「自分の考えが、比較的通りやすい」環境に身を置くことが多いです。

ただ、レースはそうはいかない。

カレラカップカーは、性能も、重さも全く同じ、全員イコールコンディションです。そんな中で「勝つ」のはそう簡単なことではなく、相当な練習量、強いメンタリティ、仲間との信頼関係、当日のチームワークなど、様々な条件が重なってはじめて、表彰台に立つことができるんです。

PCCJに出場し始めた頃は「自分が表彰台に立つなど絶対に無理だ」と思っていました。それくらい、レースで勝つことは、当時の自分にとっては果てしなく遠い目標でした。

その後、2017年の夏に初めて表彰台にあがりましたが、その時は、それ相応の努力をしましたし、自分でも「壁を1つ乗り越えた」感覚がありましたね。そういった大きな壁を乗り越え、目標を達成した時の感動は、プライスレスです。他ではなかなか味わえない経験だと思います。

ー確かにそうかもしれない…

そうですね。「レースで飯食ってるわけじゃないんだし、たかが遊びじゃないか」と言われればそれまでかもしれませんが…実際は、みんなかなり本気ですよ(笑)もちろん、皆さん、ご自身の本業もきっちりこなされた上でのことですが。

この歳になると、特にフィジカル面で自分を鍛えることは無くなりますよね。若い頃はそういった意識があっても、年を重ねるうちに「もう、いいかな」という気持ちが正直出てきます。しかしレースで勝つには「何歳になろうが、メンタル面もフィジカル面も両方鍛える必要」がある。
そして、これらの経験を通して得られたことは、仕事や人生にも確実に活かされていると感じています。

3.ライバルの技術と信頼関係が鍵

ーそれにしても、よくあんなギリギリ攻めれるなと…

レースでギリギリまで戦うことができるのは「PCCJのドライバーの皆さんの運転技術が高く、ドライバー同士に信頼関係があるからこそ」です。
サーキットのストレートでは、時に280km/hの速さで競うわけですが、ドライバーの中に一人でも「自分が勝つためなら手段を厭わない人」や「技術力が伴わない人」がいたならば、極限状態で戦うことは不可能です。

僕たちが出場するクラスは「ジェントルマンクラス」ですが、まさに皆さんジェントルマンだからこそ、思いっきり戦えるんですよね。

また、以前T.Tさんのインタビュー記事に「GT-Rに乗り、耐久レースで優勝した」とありましたが、それは、高い技術力とジェントルマンに戦える度量があるからこそ、なせる技。普通なら、ほぼ初めてのマシンに乗って優勝するなんて、まず無理だと思います。

ードライバーの皆さん…本当にすごい…

僕らはプロではありませんし、みんな本業があってのレースです。でも、やるからには勝ちたい。みんな結構年齢も近いですから、まさに「プライドのぶつかり合い」ですよね。

予選のタイムで言うと、100分の1秒の間に何台も入ってくるんですよ。もっと言うと、1000分の1秒を競い合っているわけで。

ただ全員「表彰台に立つことがどれだけ難しいことか」を身をもって理解しているので、自分以外のドライバーが表彰台に立ったときには、心の底から祝福します。たとえ自分は負けてしまっても、「今回表彰台に立った人は、きっと自分以上に努力して頑張ったのだ」と素直に認めあうことができる。

ですから、ドライバー同士はライバルというより「戦友」みたいな感じですね。サーキットで共にレースを戦った後、プライベートで深い付き合いが始まる人も多いです。

ーなぜ、そんなにチャレンジし続けられるの?「もうここら辺でいっか…」とはならない?

周りのドライバーの存在が、自分のモチベーションになっている部分は大きいですね。僕より年上の方でもはるかに良いタイムを出されたり、現役のGTドライバーより速いタイムを出す方もおられます。
そういった人たちを見ると「年齢は関係ない。僕もまだまだいける」と奮起します。

また、ポルシェは大変高性能なクルマなので、パフォーマンスの限界値がはるか先にあると常に感じます。つまり、もっともっと伸びしろがあるということです。

今現在のジェントルマンクラスのタイムは団子状態ですが、努力次第でまだまだタイムは縮めていけるはず。僕らはレースで賞金を稼ぐプロではありませんし、自己満足の世界と言われればそれまでですが…まさに自分の名誉のために、戦っているのだと思いますね。

(2)TADさんとポルシェ

1.ポルシェの魅了されたきっかけ

ーそもそも、TADさんがポルシェに魅了されたきっかけは?

僕が人生で初めてポルシェに乗ったのは、確か25か26歳の頃。先輩が持っておられた3リッターエンジンを搭載した空冷ポルシェ911「930 SC」でした。


*画像出典:GARAGE CURRENTポルシェ911(Type930SC)

先輩は「運転してみる?」と言って下さったのですが、当時の僕は「先輩のポルシェを運転させて頂くなんて、とんでもない」と、助手席に乗せて頂くことにしました。早速クルマを走らせてもらいましたが、とても大きな衝撃を受けましたね。

「今までに乗ったクルマと全然違う!」と。

とにかく感動して、その時に「僕も絶対ポルシェを買う」と心に決めました。

ーTADさんはスーパーカー世代だから、やはり子どもの頃からポルシェに憧れを持っていた?

そうですね。僕らはスーパーカーブームど真ん中世代。「いつかは自分が夢見たクルマを買う!」という想いが強く、今の若い人たちよりも「人生の中でクルマが占めるウェイトは大きかった」と思います。

そんな僕が、当時最も憧れていたクルマが、”ポルシェ”でした。

ただ、実際に大人になりポルシェを買うまでは、ずっとアメ車の4駆や、コルベットに乗っていました。やはり20代の僕にとって「ポルシェは高嶺の花」的な存在で「とても手が届かないものだ」と思っていたんでしょうね。

ところが、先程お話したように、実際に先輩のポルシェに乗せて頂いた時に「これがスポーツカーというものか…」と感激し、「憧れているだけではなく、絶対にポルシェを買う!」と決意しました。

2.空冷ポルシェに魅せられて

ー強い決意を胸に、その後、購入された初のポルシェは何だったの?

1998年頃に、空冷ポルシェ「993カレラSのMT」を買いました。ほぼ新車に近い中古車でしたが、今の空冷ほど価格は高騰していませんでした。とはいえ、当時20代の僕にしては、かなり頑張って、無理して買った記憶があります。


*画像出典:ポルシェ911(Type993)カレラS

ーなぜ「993カレラS」にしようと思ったの?

ちょうど993が発売されたタイミングだったのと「水冷になる前の最後の空冷、しかもMT車」だったので、今買わねば!と思いました。993カレラSは、ワイドボディでターボルックのような雰囲気で…ボディカラーは、空冷最終モデルに特別色として使用された「アークティックシルバー」でした。

よく「空冷のクラッチは重い」などと言われますが、当時はそのような感覚は無く「こんなもんかなぁ〜」という感じでしたね。この993に乗って、夜の高速道路やワインディングロードなど、色々なところに走りに行きました。

そうこうしているうちに、時代は「水冷」になり、結局993には2年乗り、買い替えることにしました。昔から「最新のポルシェが最良のポルシェ」だと言われており、僕もそう思っていたので、まさか空冷MT車の価値がここまで高まるとは思っておらず、普通に売ってしまいました。

今思えば、もったいないことをしましたね(笑)

ーここから「華麗なるポルシェ遍歴」がスタートすると…w

いえ、そんなそんな…。次に購入したのは、水冷最初のモデルである「996ターボ」です。確か、2001年だったと思います。ところが、2〜3年乗っていると、やはり空冷が恋しくなってきて…「もう一度空冷に乗りたい!」と思い、その後空冷に乗り換えることにしました。

ーでは、次は何を購入されたの?

30代前半の時に「993RSクラブスポーツ」に乗り換えました。「993RSクラブスポーツ」は、空冷の中でも少しレアなクルマですが、当時は普通に中古車市場に出回っていて、今ほど価格も高騰していませんでした。


*画像出典:ZEAL Pro 993RS クラブスポーツ チューン=ジールプロ=

その後、リネングレーメタリックの「930スピードスター」を新たに購入。これは結構長く乗りましたが、この間に「スピードスターってめちゃくちゃ良いなぁ」と、その魅力にどんどんはまっていきました。

ー930スピードスターとはすごい…そこまではまる空冷の魅力って、一体なに?

なんなんでしょうねぇ…笑。やはり、アナログなものが持つ魅力ではないでしょうか。例えば時計もそうだと思います。最近はデジタル時計やアップルウォッチなど、ハイテクな時計が普及していますが、反面、アナログ時計の人気も高いですよね。


*画像出典:ポルシェ911(Type930)930Seedster Turbo-Look

空冷の魅力も、その感覚に似ていると思います。

空冷はクルマの構造がとてもシンプルで、アナログです。またスピードスターに関してはオープンカーなので、バイクに乗っているのに近い感覚さえあります。

確かにGT3やGT2RSといった最新の水冷ポルシェも、パワーや加速力が凄まじく良いクルマですが、公道でその性能を発揮して走らせるのは無理ですよね。

その点空冷は、そこまでスピードが出るわけでも、凄まじい加速力があるわけでもないのですが、運転の楽しさといったら、そりゃもう…。街中で乗るには空冷は最高ですし、運転自体がとても面白いのです。また、空冷ならではのバタバタ音も、僕は結構好きですね。

やはり、アナログなものが持つ魅力というのは、いつの時代も不滅だと思います。

ーその後は、空冷の世界にどんどん引き込まれていったと?

はい、その通りです(笑)その後は、ボディカラーがスピードイエローの「964スピードスターMT」を購入。そして、黒メタリックの「964 3.6ターボ」も購入しました。「964 3.6ターボ」というと、ポルシェの中でも超希少モデルとして知られていますが、当時はまだミツワ自動車で中古で販売されていました。

実は僕が購入する前に、海外の有名レーサーがミツワ自動車まではるばる買いに来たのですが、オーナーが「海外の方には売らない。日本の方に乗っていただきたい」ということで、売らなかったそうなんです。それを聞き、すぐに購入することを決めました。

1オーナーで、状態の良い綺麗な911でしたね。

3.ポルシェ、ポルシェ、ポルシェ…

ーもう、止まりませんねぇ…w

そ、そうですねぇ…(笑)ただその後は水冷モデルも購入するようになり、997ターボや、970パナメーラを購入しました。パナメーラに関しては、仕事の場面でよく乗るようになり、とても良い車だと感じたので、971パナメーラスポーツツーリスモに乗り換えました。

その後は、ポルシェ繋がりの先輩が売りに出されていたカレラGTを購入。

カレラGTは今ではなかなか手に入りませんし、とても良いクルマなので、前オーナーの先輩も「あの時手放すんじゃなかった。買い戻したい」と未だに言ってこられるほど。僕も、今も大事に、大切に乗らせて頂いています。

その後は、僕が最も欲しくて欲しくて、探しに探していた993GT2を手に入れました。そこからは、918スパイダー、911R、GT3RSと…最新モデルを買うようになりましたね。

ー空冷希少モデルに最新ポルシェ…羨ましすぎる

そのあたりから、「930スピードスター」にもう一度乗りたいと思い始めました。実は、今から約10年前のリーマンショックで、会社もリーマンショックのあおりを受けた時、妻から「会社が大変な時に、自分だけ良いクルマに乗っていてはいけないよ」と言われて…「確かにそうだ」と思い、断腸の思いで「930スピードスター」を手放した経緯がありました。

そして今から約3年前、白の「930スピードスター」のが売りに出されていることを知り、すぐに購入しました。その後、黒の「930スピードスター」も購入しました。

4.356スピードスターでミッレミレア出場

ーすごい…では、1番最近購入したポルシェは何?

1955年式の「356 プリAスピードスター」です。スピードスターの中でも初期型ですね。実は僕は以前からずっと「いつかはラフェスタミッレミレア(原宿をスタートし公道をクラシックカーで1100km走るラリーイベント)に出たい」という夢を持っていました。最新型のポルシェに乗り、サーキットでレースをすることも素晴らしいですが、一方でポルシェの起源である「356」で、ラリーに出場したいなと。

ただ、そういったラリーに出場する為には、クラシックカーが必要なわけですが、なかなか「これだ!」というクルマに出会えなくて。それがようやく3年前に、日本では珍しくオリジナル度が高い「356スピードスター」にめぐり逢いました。

356スピードスターというと、たいていは、パーツが復刻版であったり、リプロダクションのものが多いのですが、この356に関しては、エンジン、ミッション等ほぼ全てが当時の部品のままで、オリジナルに限りなく近かったんです。

「これはもう、買うしか無い」と思いました。

ー356スピードスターで念願のミッレミレア出場、どうだった?

大変貴重で素晴らしい体験となりました。

当の356スピードスターはというと、現在レストア中です。横浜に、発売当時のポルシェ356のことをよく知る、親子で営む有名な板金屋さんがあるのですが、そちらで「レストアに2年かかる」と言われました。

そのかわり、すべてオーバーホールして、ネジ一個に至るまでメッキをかけなおしてもらいます。また、今はポルシェ・ジャパンすら持っていない当時のボルトや部品・パーツを世界中から取り寄せてもらい、交換し、新車同様にして頂くことになっています。

こちらの板金屋の社長さんはもうご高齢なので、先日お話した時に「これが僕の最後の大仕事になるだろう」とおっしゃっていました。

ーそんな貴重な356なら、観賞用にしないの?

そうですね。購入してもあまり乗らず、屋内のガレージに飾っておく方も多いと思います。ただ僕は「こういった希少なクラシックカーこそ、公の場で走らせるべきだ」と思っているんです。

356スピードスターは60年以上前に作られたクルマですが、今でも公道を十分走ることができる高性能なクルマです。またデザインもとても素晴らしいですよね。だったら、しっかり走らせて、世の中にお披露目することのほうが、本来あるべき姿なのかなと思っています。

まぁ、これはあくまで僕の自論ですが。

(3)ポルシェの素晴らしさ

1.レースとポルシェ

ーレースに出場し、再発見したポルシェの良さはある?

はい。最新のカレラカップカーに乗っても、30年前に作られた空冷ポルシェに乗っても、どんなポルシェであれシートに座りハンドルを握れば「ああ…ポルシェだ!」と思える。これってすごいことだなと、改めて思いました。

また、911に関して言うと「エンジンが後ろにあるのは大きな魅力」ですね。リアエンジンのスポーツカーなど、本来であればあり得ないわけですが、サーキットで実際に走ってみると「リアエンジンの強み」が理解できるようになりました。

ポルシェは、エンジンが後ろにあるため、後ろからぐっと押す力が強い。そのため「コーナーを曲がり、クルマの向きが変わった後の立ち上がりがとても速い」んです。ポルシェのレースカーの場合、どこでタイムを稼ぐかいうと、コーナー後の立ち上がりだということがよく分かりました。

ーポルシェは壊れない、耐久性が高いと聞くけれど、本当?

はい、本当です。ポルシェの耐久性はすごい。レースでクルマを走らせると、クルマはぼこぼこになりますし、1シーズンに1,2回はクルマを壊したりすることもありますが、それでもポルシェは壊れない方だと思います。

他メーカーのレースカーにも乗りましたが、全然違います。

また安全性においてもポルシェは素晴らしい。僕自身、レース中にクラッシュを何度か経験したことがありますが、特に大きな怪我もありませんでした。ブレーキ、ボディ剛性といったドライバーを守る安全性の意味でも、ポルシェはすごいと感心しました。

ポルシェは、一つ一つが丁寧に精密にしっかり作られていて、工業製品として、優れています。だからこそ、クルマを信頼して、安心してレースができる。またそれは、レースカーだけではなく、市販車にも言えることだと思いますね。

ーポルシェは「10万キロでようやく慣らしが終わった」という話も聞くけど…

そうですね。964RSに乗っていた時、同じ年代に作られた他メーカーのスポーツカーも所有していましたが、全く違いました。クルマとしての性能、内装、剛性感全てにおいて、ポルシェが勝っていましたね。

ーただ、PCCJの観客が少ないのはいつも残念だなぁと思ったり…。

まぁね(笑)基本はメインではなく、何かの前座レースだったりしますから。ポルシェファンやポルシェオーナーがサーキットに集まる場で、カレラカップを開催できるのが1番いいんでしょうけどね。

2.TADさんのこれから

ーTADさんは、これからもレースに出場し続けるの?

レースは、時間やコストもかかるものなので、いつまで出場できるかは正直わかりません。また、僕らも人間なので時には「疲れたな」「ちょっとレースから離れたいな」と思うこともあります。

でも結局は、またレースに戻ってきてしまう…それは、僕にとって、こんなにドキドキしたり、感動したり、自分を成長させてくれるものが、人生の中でレース以外に無いからです。

また最近は、クラシックのクルマを走らせる楽しみを覚えたので、いつかは、ル・マン クラシック、海外のミッレミレア、グッドウッドフェスティバルなど、世界のクラシックレースで、自分が所有するポルシェを走らせてみたいという夢もあります。

904、906なんかで走れたら最高だなぁ…と。

まぁ、直近ではなく、本当に最終的な夢ですけどね。

ー最後に、TADさんにとってポルシェとは?

僕にとってポルシェとは…「人生に彩りを与えてくれる」ものです。この言葉は確か、以前PCCJで誰かがおっしゃっていた言葉だと思うのですが、僕が言うと臭く聞こえてしまいますね…笑

ポルシェは、人生の様々な場面に彩りを与えてくれます。レースだけではなく、街中のドライブでも、ツーリングでも…ポルシェがあることによって、人生で体験できることの幅が広がります。

実は僕は数年前に、妻をがんで亡くしました。その翌年が、カレラカップ初参戦というタイミングだったので、「出場しようか、やめようか」…当時は非常に悩みました。「今、自分は、こんなことをしている場合ではないのでは?」とも思いました。

ただ、辛い闘病生活の中、レースで走っている間だけは、唯一、そういった辛さから離れることができた。そのことによって、救われた部分は大きいです。

周りから見ると「大変な時に何を遊んでるんだ」と思われていたかもしれないけれど、レースがあったから、乗り越えることができた。

そういった意味でも、ポルシェは、僕の人生になくてはならない、かけがえのないものです。これからも、レースはもちろんのこと、最終的な夢に向かって、一歩ずつ頑張っていきたいと思っています。

【ブログ管理人の所感】
レースカーとしてのポルシェ、空冷ポルシェ、356、水冷ポルシェ…こんなにポルシェを知り尽くした方のお話を聞いたのは初めてでしたが、お話にとても説得力があり、奥深く、胸が熱くなりました。”ポルシェは人生に彩りを与えてくれるもの“という言葉は、まさに多くのポルシェファンが共感する言葉では無いでしょうか。TADさん、この度は本当に有難うございました!

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  1. shimoyannjp

    Minaさんこんにちは。shimoyannjpです。

     ふふふふ(^^)。今回の記事は、レースに誘ってくださっているような、そんな内容でしたね。しかし前回にもお話したように、私どものようなボンビーサラリーマンにはやっぱり出場するのは無理ですね。でも、観戦は出来ます。今度ホントに一度PCCJのレースを見てみたいと思わせる、そんなインタビューでした。

     また、こんなにポルシェを愛している、そして何台も乗り継いでこられた方がいるんだと知り、自分も家内にもういい加減にし~や、とか事あるごとに言われ続けていますが、信念を曲げずにこれからも自分のCARRERAを自信をもって所有し続けていこうと、そう思う今日この頃です(^^).

    • MinaMina

      shimoyannjpさん
      いつも有難うございます!今年もよろしくお願いいたします。

      >今回の記事は、レースに誘ってくださっているような、そんな内容でしたね。
      確かに、レースに出たくなってきますよね…笑

      >今度ホントに一度PCCJのレースを見てみたいと思わせる、そんなインタビューでした。
      おぉ!ぜひ!といっても私もまだ数回しか見ておらず、このインタビューの後にしっかり観戦したら、また違った面白さを体感できそうだなーと思っています。
      来年は家族で観戦に行く予定です!

      >信念を曲げずにこれからも自分のCARRERAを自信をもって所有し続けていこうと、そう思う今日この頃です(^^).
      はい!ポルシェは人生に彩りを与えてくれる…まさにそうだなぁと改めて思いました。
      ポルシェがある人生と、ない人生は、全く違いますもんね。
      これからもまた色々教えてください!よろしくお願いいたします!

  2. shimoyannjp

    追伸・・・先のコメントに、うっかり新年のご挨拶をとばしてしまい、失礼をいたしました。

     改めまして、あけましておめでとうございます。

     今年もしっかり読ませていただきます。このブログの読者がますます増えて、PORSCHE FREAK の皆さんのWEB上での聖地に、いつかなるんじゃないかと期待をしつつ・・・

     ことしもどうぞよろしくお願いいたします。

                shimoyannjp

    • MinaMina

      shimoyannjpさん
      こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします^^!

      >このブログの読者がますます増えて、PORSCHE FREAK の皆さんのWEB上での聖地に、いつかなるんじゃないかと期待をしつつ・・・
      うぉぉぉぉー!!!そうなるとめちゃくちゃ嬉しいですし、そこをぜひ目指したいです!
      これからもぜひ色々とご指導ください。
      よろしくお願いいたします。