ポルシェに採用されている「ドライサンプ方式」について調べてみた

空冷ポルシェ

空冷ポルシェのジョロジョロ音

さて先日、空冷ポルシェ991(964C2)の夫のレビュー(毎日のように911(964C2)に乗っている夫に、何が良いのか聞いてみた【後編】)に、このようなコメントを頂いた。

やはり私は個人的に排気音がメインな現代スポーツカーよりも、エンジンシリンダーの擦れる音とオイルが循環するジョロジョロ音の聞こえる空冷が大好きです♡

ジョロジョロ音とな…w

早速夫に「こんなコメントが来てたで!」と伝えたところ、

分かるわージョロジョロ音!!僕もあの音が大好きなんや。いつもエンジンかけて走り出す度に、はよオイルが温まってあのジョロジョロ音が聞こえへんかな〜と待ってしまってる自分がいる(笑)あのジョロジョロ音を聞くと、クルマのシンプルな構造を想像できて楽しいし、なんだか血液が循環しているように感じるというか…まるでクルマが血の通った生き物みたいに思えてくるんや」

と大興奮して話していた。

分かるような、わからんような…(-_-)笑

でも確かに、空冷のアナログ感は、“相棒感”や”愛おしさ”を倍増させている気がするなぁ。

エンジンオイルの供給方法

エンジンオイルの話をしている時に夫が「ちなみにポルシェは、ドライサンプ方式を採用してるんやで」と言い出した。

ド、ドライサンプ…(*_*)?

ドライサンプなんて初めて聞いたので、毎度のごとく少し調べてみることにした。そもそもクルマにおけるエンジンオイルの役割は、大きく5つあるそうだ。

①潤滑・・・シリンダー内の「ピストン」「クランクシャフト」「カムシャフト」などの高速運動で生じる金属同士の摩耗や焼き付きなどを軽減する
②密封・・・「シリンダー」と「ピストン」の気密が不十分だと、燃焼によって作られたエネルギーが隙間から逃げてしまうため、都度粘度の多い新しいエンジンオイルに交換したり、「エンジンのオーバーホール」を施すことで、密封効果を維持する
③冷却・・・エンジン各部は燃焼や摩擦により高温になるため、これらの高熱を冷却する役割を担う。エンジン各部を回り熱を吸収したオイルは、「オイルパン」に戻り冷却されるが、高速走行を目的としたスポーツカーやレーシングカーに搭載されるエンジンの温度はより高温になる。その場合、空冷式、または水冷式の「オイルクーラー」を取り付けて冷却をする
④洗浄・・・エンジンは燃焼や回転運動により、様々な汚れが発生する。この汚れが溜まると、エンジンの性能や寿命の低下にも影響するため、エンジンオイルには、汚れを吸着したり、分散する役割がある。
⑤防錆・・・エンジン内は燃焼の熱によってかなり高温な状態になるため、外との温度差などで水分が発生しやすく、それが「錆」の原因になる。エンジンオイルは、これらの錆の発生を予防する役割も持つ
*文章出典:OFT co.,ltd「エンジンオイルについての基本知識」

なるほど。

その上で、一般的なクルマのエンジンオイルの供給方式として採用されているのは「ウエットサンプ」なるもの。ウェットサンプとは「エンジン内部に行き渡っていたオイルが、自然に下に降りていき、エンジンの下部に取り付けられているオイルパンに溜まる。そのオイルをオイルポンプで汲み上げ、エンジン各所に送る」という構造になっている。

*画像出典:OFT co.,ltd「エンジンオイルについての基本知識」

ドライサンプ方式

一方空冷ポルシェは、「ウエットサンプ」方式ではなく「ドライサンプ方式」を採用している。ドライサンプ方式とは、

エンジンから離れた部分に設置されたオイルタンクからエンジンオイルを注油し、エンジン内の各部所にオイルを潤滑させる。エンジンオイルは、エンジン燃焼時に発生した熱を吸収してエンジンの下に落ちて溜まり、それをオイルポンプが吸い取り、再びオイルタンクへと運び循環させる」

というもの。

*画像出典:Wikipedia「ドライサンプ

ただドライサンプ方式は、構造が複雑になり、製造工数や製造コストが上がってしまうため、一般的なクルマには採用されていない。

それなのになぜポルシェは、あえて「ドライサンプ方式」を採用しているのか。

ポルシェは、サーキットでレースをすることを前提として作られたスポーツカーだ。サーキットでコーナーを曲がる時は、市街地でカーブを曲がるよりはるかに強力なGがかかるため、「オイルパンからオイルポンプでオイルを汲み上げるウェットサンプ」では、オイルが片方に偏ってしまい、適正な油圧が得られず、一時的に潤滑不良が発生し、最悪焼き付きを起こすリスクが出てくる。

ドライサンプ方式にすると、そのリスクは解消され、加えて、エンジン下部にオイルパンを必要としないので、エンジンを低く搭載でき、クルマの重心が低くなるので、より安定性が増すのだそうだ。

そのため「ドライサンプ方式」は主に、レーシングカーやスポーツカーに採用されている。ただ、水冷以降のポルシェは「インテグレーテッドドライサンプシステム」というポルシェ独自のエンジンオイル供給システムを採用しているらしい。

ポルシェ豆知識

知れば知るほど、クルマとは様々なことを考慮して作られていて、その中でもやはりポルシェはすごいなぁと改めて思う。今年もポルシェについての理解をさらに深めることで「ポルシェの魅力をより一層感じられるようになれればいいなぁ」と思っていますので、読者の皆さん、今年も引き続きよろしくお願いいたしますm(_ _)m

■ちなみに今までに調べた「ポルシェについての豆知識」はこちら

ポルシェのブレーキの鳴きは不具合か?いや、それこそポルシェのブレーキの証だ。
→ポルシェ乗りの鉄則−ポルシェのMT車の正しい発進の仕方について
→低速でハンドルをきった時、ポルシェのタイヤがゴリゴリ音がするのは不具合?

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