車のボディカバーメーカーの仲林工業に、実車持ち込みでカバーを作ってもらった!

インタビュー

皆さんこんにちは。「ポルシェがわが家にやってきた」ブログ管理人のMinaです。以前インタビューさせて頂いたボディカバー・車体カバーの老舗メーカーの仲林工業さんにて先日、実車持ち込みでパナメーラのボディカバーを作っていただきました。今回は特別に、採寸からボディカバー作成に至る過程を撮影する許可を頂いたので、その様子をレポートしたいと思います。

1.実車持ち込み採寸とは

ボディカバー無料プレゼント!

以前、わが家のポルシェ 981ボクスターGTSとメルセデス・ベンツSL500(R129)用に、仲林工業のボディカバーを注文させてもらったところ、普段は辛口評価の多い夫が大絶賛していた。

「じゃあ、パナメーラのボディカバーも注文しよう!」

と連絡してみたところ、フルモデルチェンジ後の新型車種のため、仲林工業にまだ型が無いとのこと。

仲林工業には、今現在約3000種類のボディカバーの型があるそうだが、当然型がない車種もある。そこで、フルモデルチェンジ後の比較的新しい車種や、仲林工業が指定する希望車種の実車を持ち込めば、採寸協力の御礼として、第一号のボディカバーを無料でプレゼントしてもらえることになっている。(ボディカバーのプレゼントは不要という場合は、1万円分のVJAギフトカードを完成当日に頂ける)

また、実車とカバー装着後の写真は、仲林工業の製作日誌として後日「みんカラ」に掲載される。

「第一号のボディカバーを無料でプレゼント」とはなんとも魅力的な内容なので、今回喜んで実車を持ち込ませていただくことにした。

実車持ち込みの3つのコース

実車を持ち込むにあたり、以下の3つのコースの中から1つを選択する必要がある。

①1日仕上げコース
平日の朝9時に車を持ち込み、その日1日で作業を完了させるコース。遠方から来る方にオススメ。
②何度かわけてコース
1回につき40分程度で、型の完成まで3回~5回、またはそれ以上(平均は4回)の回数、車を持ち込むコース。1日車を預けるのは難しい方、近隣の方にオススメ。
③ひと晩お預けコース
24時間以上車を預け、翌日(または翌々日)に再び車を取りに行くコース。仲林工業側も、良い型を目指し充分に時間をかけられるため、これが最もオススメのコースとのこと。

ちなみに私は、③の「ひと晩お預けコース」を選択した。

実車持ち込みについて、自宅から仲林工業までの往復ガソリン代や交通費は実費だが、車を預けている間は代車を貸してもらうことができる。(代車のガソリン代は仲林工業が出してくださる)

なぜ、わざわざ実車を持ち込むのか?

とはいえ最初は「実車をわざわざ持ち込むなんて…」と正直驚いた。実車持ち込みは、「双方のスケジュール調整」「代車の手配」「サンプル作りに要する時間」「そのために必要な人員確保」など、車を持ち込むオーナーにとっても、仲林工業にとっても、手間がかかる。

さらに、車をひと晩預けておく場合、いくら慎重に対応して頂いたとしても「クルマに傷がつく」「盗難にあう」リスクがゼロとは言えない。

また、わが家のパナメーラは、フルモデルチェンジ後の車種とはいえ、車体の大きさやデザインは先代とそこまで大きく変わってはいない。だから「先代の型をベースに、メーカーのカタログ等で車のサイズを確認しながら作れば、それで事足りるのではないか?」と正直思った。

そのあたりを社長の仲川さんに訊いてみたところ、こんな返答が返ってきた。

「確かに、実車持ち込みによる採寸は手間がかかります。しかし、ボディカバーの最も重要な役割は「車を保護する」こと。そのためには、メーカーのカタログ値からデータを算出して作るのではなく、実車を前にして、独自の製法と感覚によって丁寧にボディカバー作る必要があると僕たちは考えています。実際今うちにある型紙は、全て実車に基づいて作っていますし、逆に言えば、実車と出会えない限り、その車のカバーを作り出すことは出来ないんです。

と。

なるほど…。これぞ、ものづくりメーカーのプライドというものだな。

とはいえ、実車持ち込みによるボディカバー採寸は大変人気なので、現在の受け入れは一旦停止しているそう。予定では、年明けに再開する見通しとのことだ。

2.採寸日当日

朝から仲林工業へ向かう

というわけで、いよいよ当日の朝、パナメーラで仲林工業へと向かった。この日は1日晴れ予報。行くまでに車が雨に降られてしまうと、到着後、雨水を拭き取ったりする作業が必要なので面倒だなぁと思っていたので、晴れて一安心だ。

仲林工業の会社兼工場は、南阪奈道路の羽曳野インターを降りて3分ほどの場所にある。特に迷うこと無く現地に到着し、早速中に入ってみると、発送を待つボディカバーのダンボールがたくさん積まれていた。

なんでも、今年9月に発生した大型台風の影響で、ボディカバーの注文が殺到し、発送が追いつかないほどだそうだ。(この記事が掲載される頃には落ち着いているはず)

そして、仲川さんや社員さんとご挨拶した後、まずは3枚の資料を手渡された。

1枚目は「採寸にご来社くださいましたお客さまへ」ということで、実車持ち込みに関する注意事項や、採寸・作成に要する時間の目安等が書かれている。

裏面には、1日仕上げコースの方に向けた、周辺の観光情報まで!なんて親切(笑)!

そして2枚目は同意書。

仲川さんいわく、「当初は同意書は作成していなかったのですが、周囲から用意しておいた方がいいとアドバイスされ、念の為作成しました」とのこと。同意書には、

・車のボディには極力触れないように採寸するが、一部触れることもあること
・採寸の過程や完成後の様子は、写真撮影の後「みんカラ」ブログに掲載されること
・車にもとから傷がある場合は、事前に確認し申し出ること
・作業延長の場合は事前に連絡があること

などが書かれていた。

3枚目は代車の申込書。この用紙は当然、代車が必要な人にのみ渡される資料だ。

Step1.採寸

書類を確認してサインをした後、早速採寸が始まった。車体のサイズを細かく記入する用紙が何枚も用意されていて、

これに沿って、スタッフの方2人が計測し、仲川さんが数値をメモするやり方で採寸作業が進んでいく。仲川さんも社員さんも真剣モードなので、私もこの間はお口にチャックで見学させて頂いた。

作業を見ていて驚いたのが、採寸箇所の細かさ。「え、そんなところまで測るの!?」という部分まで、なんと全部で30~40箇所以上採寸するそうだ。

ただ、皆さん慣れた手つきで息もぴったりなので、この採寸作業自体は、ものの5分程度で終了した。

Step2.サンプル作り(1回目)

採寸の後は、1回目のサンプル作り。通常であれば、裁断に30〜40分、縫製に30分で、仕上がりに約1時間半程かかるそうだが、今回は一連の流れを取材させて頂くことになっていたので、あらかじめ970パナメーラ(先代のサンプルを用意しておいて頂いた。(以前作成し保管していたサンプルなので、生地がしわになっているが、本来はもっと綺麗な生地だそう)

早速、サンプルのボディカバーを車にかけると…

このような感じになる。

Step3.ペン入れ

かぶせたボディカバーのつっぱりやよれを入念に確認する仲川さん。

素人目からは、この970の型紙でも十分ピッタリなように感じたので、「全然これでもいいですけど…」と言ってみたところ、仲川さんは「いえ、全然あってないですね」と一言。

「例えば…ここにたわみがありますよね。ここに雨水やホコリがたまると、その重みで生地が劣化し、愛車を傷つける原因になります。」

「また、ボンネットやリアのあたりも多少つっぱていますね。ここら辺にもう少し余裕を持たせておかないと、車に負担をかけてしまいます。あと、ミラーの位置も従来型と新型とでは微妙に違っているようですね。これもなおさないといけません。」

「まぁ、そう言われてみればそうかもしれないなぁ…」という程度で私は全く気にならなかったが、この段階では、まだ仲川さんが目指すゴールからは程遠いようだった。

その後、修正が必要なところには「この部分はこれくらい切る」といったことを示すペン入れ作業を行っていく。

ちなみにこのペン入れは最小限の印だけなので、ボディへの影響はまったくもってないそうだ。そして、全てのチェックを終えると、再び車体からボディカバーを取り外す。

Step4.サンプル作り(2回目)

その後、ボディカバーのミシン目を、一旦全てほどく。「え!全部ほどくんですか!?」と驚くと「はい、全てほどいて、ペン入れした箇所を修正していきます。」と仲川さん。

「これくらい切る」といった記載に従って、生地を切ったり、修正したりしたものを、再度30分ほどかけて縫製する。

そしてまた車にかぶせて確認し、再度ペン入れし、ほどいて、修正して、縫製して…を通常は2〜3回繰り返す。この調整にかなりの時間を要するそうだ。

中には1回でバシッと決まる型もあるそうだが、それは稀だとのこと。

ちなみに「よしキマった!これで行こう!」という最終判断は、社長の仲川さんがされるが、

「寸法的には合っていて、みんながもうこれで良いのでは?と言ったとしても、僕の感覚がしっくり来なければ、しっくりくるまで何度でもやりなおします」

とのことだった。

すごい…。

とはいえ、ポルシェの場合は比較的型がきまりやすいそうだ。以前のインタビュー記事にも書いたが、ポルシェのデザインは無理がなく自然なので、そこまで大きな修正作業は必要ではなく、逆に、独特なデザインのスーパーカー等はとても大変だそう。

【次ページ】翌日、完璧なボディカバーがついに完成!!

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  • コメント ( 2 )

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  1. 人生をどうやって支えるか

    Minaさん
    こんばんは。
    大阪、名古屋、長野、仙台と出張続きで少し
    バテ気味ですけど、極端な飛行機嫌いの私には海外出張が
    無いだけでも相当ラッキーです。

    仲林工業さんにカバーをお願いしたい。メッチャ。
    できれば現場を見学させて戴きたい、と思っておりますが、
    羽曳野ですか。東京からは遠いですねー。
    残念ながら見学はあきらめですかね。

    • MinaMina

      人生をどうやって支えるかさん
      いつも有難うございます!

      >大阪、名古屋、長野、仙台と出張続きで少しバテ気味ですけど、
      えー移動距離半端ないですね…!すごい…!

      >仲林工業さんにカバーをお願いしたい。メッチャ。
      ぜひぜひ!971パナメーラターボエグゼクティブの型もいけるはずですし、洗車の回数が本当に激減するので、
      とてもおすすめですー!
      そうか、、見学は東京からだと少し難しいですよね。仲林工業さんの会社は大阪の南の方なので、
      大阪市内からでも少し遠いですし…

      とはいえ、仲川社長のあの並々ならぬこだわり、職人魂については、一度肌で感じて頂きたいなーと思ったりします^^;