ポルシェ 911 GT3、夜のドライブ

先日、夜に少しGT3に乗る用事があったのだが夫から、

「近所を走るだけやったらエンジンが温まらんうちに終わってしまうから、もうちょっと走ってきたら？」

と言われたので、お言葉に甘えてGT3で少し走らせてもらうことにした。

「ちょっと走ってくると言っても、近場でGT3のエンジンが温まる場所というと芦有くらいしかないよなぁ…」と思い、芦有ドライブウェイへ向かってみる。

GT3は足回りがかたいので、市街地や普通の道では、お世辞にも乗り心地が良いとは言えない。途中「芦有へ行くにも、この道中がなぁ…行ったところですぐに帰らないといけないなら、わざわざ行くことも無いかもしれないなぁ…」などと思いながらも、GT3を走らせる。

夜にGT3を運転するのは初めてだったが、メーター周りが昼間以上にかっこよい雰囲気だ。試しに写真を撮ってみたところ、最近買い替えたiPhone11proのカメラ性能のすごさに驚いた…

長年愛用していたiPhone7とは全然違う。

そうこうしているうちに、芦有ドライブウェイの料金所に到着。麓よりも気温は低かったが、エンジン音を聴くために窓を全開にして走ってみる。GT3の運転にも少しは慣れたので、以前のようにガチガチになることはなかったが、それでも夜の芦有ドライブウェイを走るのは、少し緊張した。

アクセルを踏みっぱなしにしたシフトアップを意識しつつ、パシュンパシュン（パオンッといおうか…音の表現が難しい）という音とともに暗闇の中を駆け抜ける。風は少し冷たいが、窓を開けて走るほうがやはり気持ちがいい。

カーブに差し掛かる度に「少しブレーキが遅かったか…もっとスピードを緩めるべきだったか…」などと思ってしまうが、実際は全くそんなことはなく、GT3はいともかんたんにカーブを曲がってくれる。

このスピードだと曲がれないとでも思ったのか？

と、GT3に笑われているような気になってしまうほどだw

また、ここぞとばかりに2速で引っ張ってみたところ、4000回転を超えたあたりからバルブが開き、明らかに音質が変わった。これぞまさしく、レーシングカーだ。

すごい！これは凄まじい！！！

以前、ブログのコメントで「乗ってる時間の9割は苦痛だけどキラリと光る瞬間は痺れます。」と書いて下さった方がいたが、その言葉の意味が分かる気がした。この瞬間のためなら、残り9割の道の乗り心地が悪くても耐えられるというか…ほんとに、それくらいの喜びと刺激がある車だ。

この日はクルマも少なく、展望台まで一気に走ってみたが、あまりの性能に「これ以上行くのは危険だ」と怖くなってしまい…昼間ならともかく夜なので、少しでも調子に乗ったらどこかぶつけてしまいそうだと思い、とりあえず、展望台で少し写真を撮ってすぐに帰ることに。

それにしても、iPhone11proすごいな。普通に撮っただけでも、こんなにキレイな夜景の写真をおさめることができる。

夫とGT3について、夫との会話

帰宅後夫に、「いやはやーすごい！GT3は怖いくらいにすごい！」と話すと、夫はこんな風に言っていた。

そやろ。4000回転からの音はもう凄まじい。普通の道やとGT3の性能を全く発揮できひんから、やっぱりいい道でちゃんと走らせたいな。芦有でも持て余してしまうわ。
あとあの高性能車をMTで操るというのも楽しいな。羽ありPDKもかなり楽しいと思うけど、やっぱりMTにはならではの面白さがある。
最近は、GT3を知ってしまったから、それ以外のクルマが物足りなく感じてしまうところも正直あるわ。もちろん、他も良いクルマで乗る度に感激するんやけど、あのGT3の刺激は味わえへんからなぁ。
僕は最近はほんまに、これから911買うんやったら、「素」か「GT3系」か「ターボS」の3択やなぁと思うようになってきたわぁ。

と言っていた。

以前お会いしたポルシェオーナーの方が、

今までに辛いこととかたくさん経験してきたけれど、ポルシェに乗っている間だけはそのことを忘れることができた。あの時間があったから、辛いことも乗り越えて来られたんだと思う。
だから、ポルシェには感謝してるし、これからも乗り続けたい。

とおっしゃっていたことが、とても印象に残っている。

今、コロナウィルスの影響で様々な方面で大変な事態が起こっており、バブルやリーマンショックの比ではないくらいの戦後最大の危機が世界を襲っている。そんな中でも、大好きなクルマに乗るとそれだけで気分が前に向いて頑張ろうと思えるので、外出自粛が緩和されたら、ポルシェとともにいる時間を大切にしたいと改めて思った。

がんばろう！