日産ノート e-POWER Xを購入。このクルマは期待してたより全然いいぞ!

レビュー・試乗記

電気自動車?ハイブリッド?

私が日産車に乗るのは、かれこれ20年以上ぶりだ。学生時代に祖父が乗っていた2代目セフィーロを拝借し、よく乗り回していたが、当時、出たばかりのVQエンジンがとてもスムーズで扱いやすく、気に入っていた記憶がある。

今回の日産ノートはe-powerという日産独自の技術で、ガソリンを燃料に発電用のエンジンを稼働させ、そこから生まれた電力でモーターを回して走るクルマだ。

これはシリーズハイブリッド(エンジンは発電用のみに使い駆動はモーターで行う)と言われる仕組みで、プリウスなどのハイブリッドとは違い、動力はあくまでモーターのみだ。そのため、完全な電気自動車と同じような加速感、トルク感が味わえるのが特徴だ。

内外装の質感など

実際に乗ってみると、質感のコストパーフォーマンスは良いと思う。決して豪華だとか、とても洗練されているとまでは言えないが、ドアハンドルは金属だったり、シートも国産コンパクトカーによくある単なるのっぺりとした『椅子』ではなく、クッション性、硬さ、ホールド感も適度にあり、ちゃんと「シート」として出来ている部類に入ると思う。

乗員が触れる部分にはちゃんとコストをかけ、それ以外は可もなく不可もなくといった内装だ。

シフトレバーは完全にスイッチであり、マウスを操作するような感覚で操作する。これに違和感を覚える人もいると聞くが、私は特に違和感なく、すんなりと扱うことができた。

後席の足元はかなり広く、下手なセダンよりも全然広い。これなら大人でも快適に座れると思う。


(試しに座ってみた図)

ドアも適度な重みがあり、しっかりとしている。閉まり音も悪くない。しかし、後席ドアはペラペラだ。このクラスの国産車の多くにある傾向だが、すぐに後席ドアの手を抜く。当然、コストの問題は分かるが、いつも何とかならないものだろうか、と思う。

モーター駆動の走りやいかに?

まずは、エコモードで走ってみることにした。このエコモードとSモードは回生ブレーキが強く効き、いわゆる『ワンペダル』走行が可能なモードだ。

走り出してみると、アクセルの開度に対して、モーターの回転の上昇は緩やかで、じわりと加速する感じだ。ただし、モーターなので、トルクは瞬時に立ち上がっているため、急勾配の坂道でも『しんどそう』という感じは全くしない。緩やかに着実に登っていく感じで、個人的にはこのモードのままで常に走れと言われても、別に不満は感じない。

続いて、Sモード(スポーツ)にしてみる。すると打って変わって、アクセルの開度に対して、モーターの回転上昇が素早い。そのため、クルマが軽くなったかのような印象を受ける。信号待ちからのスタートでも、スルスルと出ていく感じ。

エコモードより、パワーが上がったような感覚に陥るが、あくまでもアクセルレスポンスが違うだけのように感じ、より低電費で走るか、そうでないかの違いのように思う。

ただ、このSモードでワインディングを走ると、回生ブレーキが強く効くことで、カーブの手前でほぼブレーキを踏まなくても、スムーズにカーブに進入できる。そして、加速レスポンスがいいので、瞬時にコーナーを脱出でき、とても気持ちよく走れるのはこのクルマの良いところだろう。

最後にノーマルモードで乗ってみる。このモードは通常のガソリンエンジンと同じような感覚で走れる。つまり、回生ブレーキの強さは、普通のガソリンエンジンのエンジンブレーキ程度でしかなく、停止するならちゃんとブレーキを踏まなくてはならない。

Sモードから、ノーマルモードにすると、個人的にはこれが一番速く、パワーがあるように感じた。というのは、Sモードの場合、強い回生ブレーキが効くので、わずかにアクセルの踏力を緩めるだけで、後ろから引っ張られるような、微妙な減速感がある。そのため、どうも伸びやかに走る感じが希薄なのだ。

おそらく、Sモードの場合、全開でアクセルを踏めば、当然、ノーマルモードより速いだろうが、普通の街中などの状況では、ノーマルモードの方がスムーズで速く感じた。

このノーマルモードの走りは、本当に爽快だ。モーター駆動だけありスーッと伸びるように加速し、ブレーキを踏み、減速して、そこからの再加速も瞬時にトルクが立ち上がるので、本当にストレスがない。ガソリンエンジンではなかなかこれを実現するのは難しいのではないだろうか。

事前にこのクルマを調べていると、よく、パワーがある、速いという感想を見るが、確かに同価格帯のエンジン車と比べるとパワーもあるし、スムーズで速い。ただ、圧倒的なパワーというわけではないので、0-100km/h加速性能などの絶対的な速さは期待してはいけないと思う。(私の場合、ポルシェなどのハイパワーなクルマに乗っていることが多いので、ちょっと感覚がズレているかも)

しかし、瞬時の加速感という意味では、かなり満足している。数メートルの加速勝負ならポルシェ以上?とも思う。特に前のクルマが急に停車し、それをゆっくり交わしてから、加速に移る際などにスムーズで運転しやすいなぁと思う。

次のページ→足回り、燃費は?夫はNISMOが欲しくなってきた…?

Mina

ポルシェブログ「ポルシェがわが家にやってきた」管理人、3児の母。数年前までは、車に全く興味が無かったが、夫がポルシェを買ってきたことをきっかけにポルシェの素...

プロフィール

このブログが気に入ったらフォローしてね!

コメントを閉じる
  • コメント ( 6 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. いんぢゅにあ

    こんにちは!
    お義母さまのノートe-POWERご購入おめでとうございます!

    私も特に車好きで無い方に「何かお勧めの車は無い?」と聞かれた場合、コレを勧めています。皆さん大変気に入って頂けている様です♪

    電気自動車はまだまだインフラの問題と充電時間がかかり過ぎるので万人受けというものでは無いので、ガソリンを使って走るモーター駆動車は一番理にかなっていると思います。

    これと同じ仕組み、エンジンで発電してその電気でモーターを動かして駆動する「乗り物」って既に70年以上前に作られているのってご存知ですか? 既にご存知かもしれませんが…

    第二次大戦中にフェエルデナント・ポルシェ博士がヒトラーの命令で開発した、超重戦車「マウス」です。重戦車タイガーⅡの70tを上回る、180tという重量を動かせるだけのエンジンが無かった為に苦肉の策として駆動方式にはガソリンエンジンによって発電機を動かし、その電力によってモーターを駆動させて走行する、という「ガス・エレクトリック方式」を採用していました。

    さすが!ポルシェ博士ですね!!!
    超重戦車だと連合軍にバレないように命名が「マウス」っていうのもwww

    • MinaMina

      いんぢゅにあさん

      >私も特に車好きで無い方に「何かお勧めの車は無い?」と聞かれた場合、コレを勧めています。皆さん大変気に入って頂けている様です♪
      おぉーそうなのですね!
      あれは本当に良い車ですよね、費用対効果も高く、このグレードの他の国産メーカーと比べても、とてもしっかり作られていると感じました!
      これは絶対買った人は満足しますよね!

      >さすが!ポルシェ博士ですね!!!
      >超重戦車だと連合軍にバレないように命名が「マウス」っていうのもwww
      ポルシェ博士が最初に作ったクルマは電気自動車というのは、どこかで聞いたことがあったのですが、
      マウスって言うんですか!!!!

      めっちゃ弱そう(笑)ポルシェ博士、さすがですね!

  2. PorscheDreamer

    ノートe-Power良さそうですね。2ドアポルシェがメインだけど4ドアの実用車も必要という場合に良さそうです。
    私の読んだ記事によるとNORMALモードでは回生ブレーキは作動しないとありましたが,燃費の変化はどうでしょうか。

    それにしても車種構成が複雑で,なんだかよくわかりません。
    ボディ関係が補強されているタイプはどれ?という探し方は想定されていないようです。
    検討されているのはNISMO Sの方なのでしょうか(モーター強化とあったので)。
    私の好みはむしろAUTECH スポーツスペックの方です。

    けっこう試乗車もあるようなので,時間ができたら乗ってみたいと思います。レンタカーで借りるという手もありますね。

    • MinaMina

      PorscheDreamerさん
      いつも有難うございます!

      >の読んだ記事によるとNORMALモードでは回生ブレーキは作動しないとありましたが,燃費の変化はどうでしょうか。
      燃費は、やはりNOMALモードが一番悪かったです。エコやスポーツにした方が、燃費は良くなっていました。
      とはいえ、わが家の車に比べると、NOMALモードでも全然燃費は良い方でしたが^^;

      ノートのサイトを私も見ましたが、ややこしいですね…
      また、実際どの程度違うものなのかは、試乗してみないとわからないですし、おっしゃるように試乗してみるのはひとつの手ですよね。
      私も、一度NISMOのノートは試乗してみたいなぁーと思いました。

  3. いんぢゅにあ

    連続投稿すみませんw

    >ポルシェ博士が最初に作ったクルマは電気自動車

    あ!それは1899年にポルシェ博士が作製した「ローナーポルシェ」のことですね。
    なんと120年も前です。

    超重戦車マウスが造られたのは1944年ですね。75年前かな。

    • MinaMina

      いんぢゅにあさん

      こちらこそすみません!
      私が勘違いしていました、なるほどそうなのですね!
      戦争の時代も乗り越えて、ポルシェが今あるというのは、改めてすごいなぁと思いました。