GPFフィルター搭載でポルシェのエンジンはどうなる?

ポルシェにまつわる豆知識

911スピードスターの生産

先日、「ついに、新型911スピードスターが量産体制に入った」というニュースが発表された時のこと。

ついに新型911スピードスターが、量産体制に!

夫が「すごい!」といつになく興奮していた。私が「スピードスターが生産されるのはすごいニュースやと思うけど、そんなにすごいことなん?」と聞いてみたところ、

これから欧州で発売される車にはGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)がつくから、「911スピードスターは、パワーダウンせざるを得なかったり、下手したら生産発売できなくなるんじゃないか」と危惧してたんや。
現に、BMW M3は欧州での販売が中止されたし、メルセデスAMGが生産を予定していたハイパーカーも生産が遅れることになったからな。だから、今回その基準をクリアしてスピードスターが生産にこぎつけたというのは、すごいことや。ポルシェはめっちゃ頑張ったんやと思う。ただ、GPFが付くことで、音が静かになったり、音質が変わったりしてるんじゃないかという懸念は残るけどなぁ。

とのことだった。

GPF…なんかちらっと聞いたことはあるけれど、そんなに重要な問題なのであれば知っておきたいと思い、この度少し調べてみることにした。

EURO6のPN規制

ガソリン車に対する微粒子排出規制は、2009年の『EURO5』から始まった。その後、2014年9月1日に、自動車による大気汚染物質の排出規制値を定めた規定『EURO6』が、EUにて施行された。このEURO6では、特に「粒子状物質(マイクロメートル (μm) の大きさの固体や液体の微粒子)』と『NOx(窒素酸化物)』の排出量の規制値が厳しくなった。

これにより、2015年1月1日以降、EUで新たに販売される新車はすべて、このEURO6の規制値をクリアしなければならなくなったのだ。

さらに2017年9月からは、「EURO6 d-TEMP」と呼ばれるさらに厳しい排出基準が導入され、従来は粒子状物質(PM:Particulate Matter)の「排出質量」の規制値だったところから、新たに「排出粒子数(PN:Particulate Number)」の規制値が導入された。その理由は、

排出量の規制値では、「人体に侵入しやすく、人の健康への影響が懸念される超微小粒子が数値に反映されにくい」ため、排出粒子数の規制値を設ける必要があった

ためだそう。そのことから「排出個数」で粒子を規制する「PN規制」が導入された。これにより、自動車メーカーは、ガソリンエンジンの微粒子排出を、2009年の「EURO5」の頃と比べて10分の1まで減らさねばならなくなった。

*記事出典:CATALAR「GPF触媒」

GPFの登場

PN(排出微粒子の粒子数)規制は、PM(粒子状物質)の質量規制と異なり、微小な粒子状物質の排出個数を抑える必要がある。それをしてくれるのが、自動車のエンジンから排出される排出微粒子の捕集機能を有するフィルター『GPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)』だ。

ただこのGPF、2018年12月の自動車メディアの記事によると、1個約7kgもの重量があり、ポルシェはこのGPFを「4気筒エンジンなら1個」「6&8気筒エンジンなら2個」装備しているとのこと。

*記事出典:FORZA STYLE【クルマも体重で悩んでいる】ポルシェの新グレードTモデルを分析します!

GPFを装備せざるを得ないことで、スポーツカーには今まで以上に軽量化技術が求められ、あわせて開発コストも膨れ上がるため、スポーツモデルの生産中止やパワーダウンをせざるを得なくなっているメーカーも多いという状況なのだ。

なるほど、こりゃ大変なことだな。

ポルシェのクリーンエア技術

では、ポルシェはこのGPF装着問題をどのようにクリアしたのかと思い調べてみたところ、ポルシェ ジャパンのサイトに「ポルシェのクリーンエア」に関する記事を見つけた。

2018年9月1日以降、ポルシェはガソリン・モデルにも粒子状物質を捕集する微粒子フィルターを採用し、6気筒及び8気筒エンジンには2 基装着することになると書かれている。

ポルシェは約2年間、ガソリン・モデルに微粒子フィルターを組み込むための試行錯誤を重ねてきたそうだ。特に、718や911といった、エンジンルームがコンパクトなモデルの場合、大きな排気系をレイアウトすることができないため、GPFを全く新しく設計しなおす必要があったそう。

2年の歳月をへて、ポルシェはついに、温度や負荷に対する依存度が低い新型GPFの開発に成功した。エンジン制御時には、最大トルクや排気温度が高くなってフィルターが熱くなる。そのフィルターで集められた微粒子は時間と共に燃焼し、再生される仕組みだそうだ。

開発チーム責任者は「通常の走行で、悪影響を感じることはまずない」と断言している。何十万キロものテスト走行を行い、新しい排気ガス浄化システムを徹底的に検証してきたからこそ、そう言い切れるのだと。

*記事・画像出典:ポルシェ ジャパン「Christophorus:クリーンエア」

では、話をスピードスターに戻して…今回の新型911スピードスターは、「最大出力は510hp、9000rpmという高回転域まで回る4.0L水平対向6気筒NAエンジン」を搭載しているわけだが、このエンジンを積んだスポーツカーが、EURO6のPN規制の基準をクリアし発売されたというのは、本当にすごいことだ。

自然吸気エンジンに拘り続けてきたポルシェの、まさに”執念“が生んだ結果と言えるだろう。

受け継がれるNAエンジン

これによりポルシェファンの間では「今までは991.2のGT3が最後のNAエンジンになるかと言われていたが、この技術があれば、992のGT3やGT3RSもNAで発売されるかも?」という期待が広がっている。

事実、ポルシェGT部門の責任者であるアンドレアス・プロイニンガー氏は、

「新型911スピードスターに搭載された4.0L水平対向6気筒自然吸気エンジンを、将来のモデルにも採用する。自然吸気に拘ることで、将来も自然吸気エンジンを維持したい。感動とパフォーマンスを失うことのない適切なエンジンを開発するため、われわれは多大な努力を続けている」

と語っている。実際、どのモデルにこのエンジンが採用されるかは明言されていないが、最も可能性が高いのは、次世代のGT3だそうだ。

*記事出典:carview「次期ポルシェ911 GT3、新スピードスターの4.0ℓ自然吸気エンジン搭載?」

気になるエンジン音

ただ、夫が「GPFが付くことで、音が静かになったり、音質が変わったりしてるんじゃないかという懸念は残るけどなぁ。」と言っていたように、ここに関しては少々気になる情報もあった。

唯一、引っかかったのがサウンドである。ベーベーと低音が強調され、抜けも良くない排気音の元凶は、ヨーロッパ仕様に備わるGPF(ガソリン微粒子フィルター)だろうか。日本仕様がもう少し良い音であることを願うばかりだ。
*記事出典:Clicccar:「ポルシェ911カレラS & 4S」初試乗! 992型の実情を島下泰久氏がレポートする。

なるほど…そうなのか。こればかりは、実際に992を試乗したり走っているのを見ないとわからないなぁ。

実は、新型911スピードスターに関して現時点で、芦有近辺で「2台」のスピードスターの生産枠ゲット情報を読者の方から頂いている。いやはや読者の皆さんほんますごいなぁ…。

2台とも、納車後は芦有ドライブウェイに来られる予定なので、その時は私もぜひ声をかけて頂き、その勇姿を拝みに行かせてもらおうと思う。

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  • コメント ( 2 )

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  1. kuni

    すみません。
    昨日の投稿したkuniですが、名前は削除お願いします!
    kuniだけにしといてくださいませ。
    名前必須と書いてあったもので。
    ポルシェセンターの方も見られてると思うので。
    よろしくお願いします。

    • MinaMina

      kuniさん
      有難うございます!お名前消しておきました!
      引き続きよろしくお願いいたします。