992型のポルシェ911のアクセルワーク

先日、992型のベースグレードの911が素晴らしいという記事を紹介したが、そこに「夫のポルシェ仲間の方も、992のベースグレードのその性能に驚き感激されていた」という旨を書いた。

後日その方に、何がそんなに良かったのか聞いたみたところ、

「GT3に匹敵するのでは？」と思うほどのハンドリングや、しっかりした足回り、走りの性能の高さに加えて、「アクセルワークがとても気持ちがいい」ことが印象的だった。

とおっしゃっていた。

実は私もその数日前、久しぶりに992に乗った時に「アクセルワークがめちゃくちゃ気持ちがいい」と感じ、夫にその話をしていた。

今までの私は、ポルシェに乗らせてもらった際に「ハンドリングがいい」「ブレーキがよくきく」「剛性感があり、接地感が強い」「速い」「高速安定性がある」といった感想を抱くことが多かったが、アクセルワークで大きく感動したことはあまりなかった。

ただ、992に先日乗った時は「アクセルワークの気持ちよさ」を一番に感じたので、ポルシェ仲間の方がアクセルワークの素晴らしさの話をされていた時、やはり「992のアクセルはすごいのだなぁ」と思った。

パナメーラ（971）のさらに上を行く992

以前、わが家に971パナメーラターボがあったときも「そのアクセルワークがすごく素晴らしい」と感じていた。ペダルに遊びがなくて、1ミリ単位で操作できる感覚というか…微妙な操作がとてもやりやすいと思っていた。

ただ、ある程度踏むと（それでも数ミリ感覚）、いきなり「ぶーん！！！」と加速してしまい、パナメーラターボという眠れる獅子を起こしてしまった感覚があり、ある程度速さが出る場面では少し難しいという印象だった。

一方992の場合は、当時パナメーラに感じたアクセルワークよりも、さらに精度が高められていて、もっともっと繊細なペダル操作が思いのままなのだ。まるで足の裏がペダルに吸い付いたように、自分の足とアクセルが一体になった感覚で動かすことができる。そして、エンジンもそれにぴったりと呼応してくれる。

だから、すごく気持ちがいい。

数年前、クルマに全く興味がなかった頃は、クルマというのはただの移動手段だと思っていたので、「ハンドリングやアクセルワークの素晴らしさ」という世界観があるなんて、思いもしていなかった。

なんでも、こだわりを持って丁寧にしっかりと作られたものというのは、ユーザーの心を掴み、感動させるものなのだなぁ。きっと時計も、料理も、世の中にあるものには同じようなことが言えるのだろうなぁと思う。

知れば知るほどクルマの世界は奥が深い。今は子どもたちも小さくて、そしてこういう昨今の状況もあって、思うように身動きがとれないけれど、もっと自由に動けるようになったら、色んなメーカーの、色々なクルマに乗ってみたいなぁと思う今日このごろである。